和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

清新/七〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月22日 05時12分41秒 | 今日の俳句
清新/七 法悟空 内田健一郎 画 (5832)


 山本伸一は、水沢文化会館の大広間で、白蓮グループ、創価班、学生部の代表、運営役員などと次々に記念のカメラに納まった。
 この日は、美しい夕焼けとなった。
 燃えるような夕映えのなか、新年を記念する岩手県代表幹部会に出席するため、県内各地から続々とメンバーが集ってきた。
 伸一は、午後五時から二十人ほどの代表と懇親会をもち、幹部の姿勢について語った。

 「岩手は明るく、伸び伸びと進んでいくことが大事だよ。気候風土も厳しく、大変ななかで、皆、頑張っているんだもの、温かく包み込んでいくんです。また、リーダーは、同志の幸せのためには、真剣に、誠実に、全力で行動していくことです」
 それから彼は、代表幹部会に臨んだ。
 会場は求道の熱気にあふれていた。
 岩手にも、宗門による迫害の吹雪が荒れ狂い、同志たちは歯を食いしばりながら、苦渋と忍耐の日々を過ごしてきた。
 青森との県境にある二戸から駆けつけてきた、安房由光という「聖教新聞」の販売店を営む青年がいた。
 二戸では、前年十二月初めに宗門の寺院が建ち、これを契機に、学会への攻撃が激しさを増していた。
 息子が他の方面で宗門の寺の住職をしている壮年幹部が、同志を欺き、水面下で学会批判を重ね、純粋な学会員をたぶらかして、檀徒になるように促してきたのだ。
 赴任してきた住職は、この男と共謀し、学会員への陰湿な攻撃を繰り返した。衣の権威を笠に着て、真面目に広宣流布の活動に励んでいる仏子を見下し、苦しめてきたのである。
 年が明けると、伸一の岩手訪問を狙ったかのように、何人かの脱会届が出された。
 安房らは、日々、悔し涙をのみながら攻防戦を続けた。片時でも気を抜けば、大切な会員が魔の軍勢の餌食となった。
 勝利の旭日は、安堵も、瞬時の油断も許さぬ間断なき闘争を制した者の頭上にこそ、燦然と昇り輝くのだ。



【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月22日より転載】


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夏至/今日の俳句 ≪第2174号≫

2016年06月21日 05時48分27秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月21日(火)≫(旧暦5/17)


 心澄めば怒涛ぞきこゆ夏至の雨        臼田亞浪

 老どちの夏至夕暮を待つ会話         瀧 春一

 キーウィの蔓が鞭打つ夏至の空        寺田良治

 夏至の空女子高生らの批評癖     わたなべじゅんこ

 潮境くつきり夏至のカフェテラス       中山純子



※ 夏至
 二十四節気の一つ。六月二十一日又は二十二日。太陽が黄経九〇度になること。もしくはその時を夏至というのである。太陽はこの日に北回帰線(北緯二三度二七分)の真上まで北上してくる。昼間の時間は十四時間三十五分で、冬至の日よりも四時間五十分、昼が長い。福岡では水稲を植え、早くも苺が出はじめ、東京ではアジサイが咲き、ニイニイゼミが鳴き、札幌ではアヤメが満開。桜桃が成熟する。


【新訂「現代俳句歳時記/石田波郷・志摩芳次郎編」主婦と生活社より抜粋】



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       ※☆*わが友に贈る*☆※



 共戦の絆も強き

 大神奈川の同志よ!

 正義の電源地から

 立正安国の師子吼を!

 民衆の外貨高らかに!

       

2016年6月21日




       ※☆*寸 鉄*☆※



 創価の民衆運動は平和建設の偉大な模範―博士。草の根対話こそ最先端と
      ◇
 福岡男子部よ、先駆とは勇気、先駆とは前進だ!圧倒的拡大で勝利を飾れ
      ◇
 「思い切って強強に申したりき」と大聖人。正義の言葉は強気で打ち込め
      ◇
 18歳選挙権が施行、新有権者は約240万人と。若者の声が未来を変える力に
      ◇
 介護休業の取得条件を緩和へ―厚労省。介護離職ゼロの社会へ官民一体で


【聖教新聞:2016年(平成28年)6月21日(火)付】





      ※☆*名字の言*※



人生には必ず、越えなければならない「難所」がある。ありったけの知恵と勇気を振り絞り、岩盤に爪を立ててでも

イギリスの登山隊が、世界最高峰のエベレストに人類初の登頂を果たしたのは1953年。初めての挑戦から32年、9度目の遠征で成し遂げた快挙だった。彼らが登った道は、それまで不可能とされた、非常に険しいコース。だが入念な調査の結果、そこに活路を見いだし、栄冠をつかんだ

近年は装備品や技術の進歩などもあってか、多くの登頂達成者が誕生する。だが、頼るのは、最後は自分の足であることに変わりはない。女性で初めてエベレストの頂に立った田部井淳子さんは、本紙「スタートライン」で「人間のすり足のような一歩一歩でも、前に進んでいけば頂上には立てる」と。自身のがんという「難所」にも、“山に登り続けたい”との一心で挑み、寛解を勝ち取った

池田SGI会長は、エベレスト初登頂の歴史を通し、「大切なことは、一つ一つの眼前の戦いを、また一日一日を、爽快に勝ちゆくことだ」と語った

早いもので、本年も折り返し点。年頭に掲げた目標は見えているだろうか。登攀の途上には「難所」もあろう。“ここが勝負!”と勇気の一歩を重ねた先に、栄光の頂が待っている。(鷹)


【聖教新聞:2016年(平成28年)6月21日(火)付】



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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月20日(月)付

今から70年前の8月、「議会政治の父」と呼ばれた尾崎行雄が帝国議会で行った演説の中で、政党と徒党の違いについて触れた一節がある。「徒党は直ぐ出来ます。(中略)唯自分達の一身の利害栄辱を考へて離合集散する所の徒党は何時でも出来る」

昨今の政治状況も、しかりである。4年前、「社会保障と税の一体改革」を巡り、49人の国会議員が消費税引き上げに反対し離党して新党を結成、分裂した民主党の醜態は鮮明に記憶に残る。もともと政権交代だけを掛け声に集まった寄り合い所帯の民主党。政権を握った後は案の定、「決められない政治」で迷走した。分裂騒動は、政策の一致をおろそかにした当然の成り行きといえた

そして今、除籍した離党者と手を組んで民進党に看板だけ変えて、何をめざすのか。揚げ句、共産党と「平和安全法制廃止」の一点で共闘に走る姿は、「国民に責任ある判断を求める姿勢ではない」(山口代表)。「政策を巡り、ほぼ対極にある政党との連携は『野合』との批判を免れまい」(読売)と指弾される通りだ

「大衆とともに」の立党精神で結ばれた公明党は、幅広い民意を受け止めて政策に反映し、ブレずに国民のための政治を前に進めている

明後22日は参院選の公示。選挙目当ての“徒党の政治”の跳梁を許してはならない。(紀)

清新/六〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月21日 05時23分52秒 | 今日の俳句
清新/六 法悟空 内田健一郎 画 (5831)

 山本伸一は話を続けた。
 「今日は、岩手の大飛躍のために、ともすれば幹部が陥りがちな問題について、あえて厳しく語っておきます。
 幹部は、組織を自分のものであるかのように考え、会員の方々を部下のように思っては絶対にならないということです。
 学会の組織は、仏意仏勅の広宣流布のための組織です。“学会員は御本仏からお預かりした仏子である”と決めて仕えていこう、尽くしていこうとの思いで接することです。
 また、いよいよ『地方の時代』に入り、草創期から地域の中心となって頑張り、地域の事情や人間関係に精通した幹部の存在が、ますます大事になってきます。
 しかし、心しなければならないのは、長い間、地域のリーダーを務めていると、気づかぬうちに、そこの“主”のようになってしまうことです。
 かつて、ある地域に、草創からの幹部がおり、その人の考えや、好き嫌いの感情が、組織の運営や人事などにも、強い影響を与えていたということがありました。皆、何かあるたびに、その幹部のところへ、真っ先にあいさつに行かなければならないし、意向に従わなければ、何もできないというんです。
 それでは、平等性を欠き、新しい創造の活力が奪われてしまう。結局は、広宣流布の団体である学会の組織を崩し、前進を阻むことにもなりかねません。
 自分中心から広宣流布中心へと、常に自らを戒め、狭い境涯の殻を破っていくんです。そして、新しい中心者や後輩たちを前面に立てて、徹して守り支えていくんです。
 また、新たにリーダーとなった人たちは、地域に根差した草創からの諸先輩の意見によく耳を傾け、力を借りていくんです。
 土着の力と、新しい力が結合していくことによって、岩手は大発展します」
 詩聖タゴールは記している。
 「力がないところには繁栄がなく、力は結合以外によっては得られない」(注)

 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 「議長あいさつ」(『タゴール著作集8』所収)蛯原徳夫訳、第三文明社




【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月21日より転載】


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仏桑花/今日の俳句 ≪第2173号≫

2016年06月20日 05時37分24秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月20日(月)≫(旧暦5/16)



 よく駈けるヒヨコ愛らし仏桑花     長谷川零余子

 島の唄流れ来る夜の仏桑花       小田尚輝

 恍惚と旅の寝不足仏桑花       渡辺千枝子

 島人の血はかくも濃し仏桑花      青柳志解樹

 ハイビスカスさがして旅の気安さに      金山久子



※ 仏桑花→ハイビスカス・ぼさつばな・琉球むくげ・アカバナー(沖縄県) 
 中国原産の常緑小潅木で、多くは温室花として栽培する。幹は高さ1・2メートル程で、葉は広卵形または卵形の光沢ある新緑である。夏から秋にかけて葉の腋から長い柄を出し、漏斗形の大きな花をつける。五片の花片から、赤く長い蕊(しべ)をつき出して咲く。花色には赤・白・黄・絞りなどがあり、朝に開き夕にはしぼむ。


【「新版・俳句歳時記/第四版/監修・桂信子ほか」(雄山閣)より転載】






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       ※☆*今週のことば*☆※


 青年の正義の声こそ

 民衆を守る要寒(フォートレス)なり。

 鋭く信念の獅子吼を!

 友情のスクラム愉快に

 青春の勝利劇を飾れ!


2016年6月20日




       ※☆*寸 鉄*☆※


 人生に永遠に残る壮大な歴史を綴れ―恩師。完全燃焼の日々こそ無上の宝
      ◇
 兵庫男子部が怒濤の大攻勢。激戦突破の風穴を開けよ!わが青春の勝鬨を
      ◇
 高知の日。地域広布に力走する友よ!正義の言論で勝利の鐘を打て鳴らせ
      ◇
 車上荒らしに要注意。鞄・貴重品は絶対に放置するな。短時間でも油断なく
      ◇
 「世界難民の日」。拡大続ける地球的課題。悲劇の克服へ人道の連帯強固に


【聖教新聞:2016年(平成28年)6月20日(月)付】





      ※☆*名字の言*※


NHKの連続テレビ小説の脚本を、初めて担当することになった内館牧子さんが、先輩の橋田壽賀子さんから言われた教えがある。「出し惜しみしちゃダメよ」

内館さんは、これまで書きためていた原稿を全部捨て、一から書き直したという。1回15分間のドラマを、半年も続けるためには、“見どころ”を小出しにしたくなるもの。だが、それを惜しまずに使い切り、また一から、生みの苦しみを始める。この労作業の積み重ねが道を開くことを、橋田さんは教えたのである

社会人2年目の青年部員が語った。入社当初は毎日、叱られてばかり。“向いてない”“辞めよう”と思い詰めた彼を変えたのは、「きょう一日を、全力でやり切ることだけ考えよう」との先輩の励ましだった

見通せない未来を考えながら、何をしようか迷うより、目の前にある課題に没頭する。力を余さない。そう決めて取り組み、周囲も見違えるほどの成長を遂げた

限界は、全ての力を出し切ってこそ見えてくるもの。そして、その限界の壁は「終わり」ではない。壁を苦労してよじ登ったとき、次の成長への地平が、開けてくるものである。「全力でやり切った」という事実が、自分に新たな力を注入してくれる。人間の成長に限界はない。(仲)



【聖教新聞:2016年(平成28年)6月20日(月)≫≫付】



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清新/五〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月20日 05時19分07秒 | 今日の俳句
清新/五 法悟空 内田健一郎 画 (5830)


 山本伸一は、館内を巡りながら、岩手の県幹部に語り続けた。
 「岩手は、ますます強くなってほしい。断じて勝ってほしい。そのために何が大切か。

 まず、“自分たちは一生懸命にやってきたんだから、これ以上は無理だろう。もう、できないだろう”という、あきらめの心を打ち破っていくことです。いかに困難であるかということばかりに目がゆき、現状に甘んじて良しとしてしまう。それは、戦わずして心の魔に敗れてしまっていることになる。
 背伸びをする必要はありません。焦る必要もありません。しかし、必ず、このように広宣流布の道を切り開いていくという未来図を描き、目標を決めて、成就していくんです。
 時代は変わります。いや、変えることができるんです。最初にお題目を唱えられたのは日蓮大聖人ただお一人だったではありませんか。そこから一切が広がっていった。現代にあっても、敗戦間近の焼け野原に戸田先生が一人立たれたところから、戦後の広宣流布は始まっている。当時は、誰も、今日の学会の姿など、想像さえできなかったはずです。
 “岩手を必ず広宣流布の模範の県にしよう。断じて勝とう”と心を決めるんです。そして祈るんです。必死に祈るんです。智慧を涌現しながら、果敢に行動するんです。動いた分だけ、友情も、同志の連帯も、広宣流布も広がっていきます。そこに勝利がある。
 心を定め、祈って、動く――それを粘り強く、歓喜をもって実践する。単純なことのようだが、これが、活動にあっても、人生にあっても、勝利への不変の方程式なんです」
 皆、真剣な面持ちで話を聴いていた。
 伸一は、二階の大広間に入ると、題目を三唱し、そのまま県の幹部と懇談に入った。

 「岩手での活動の大変さは、よくわかります。県の面積としては日本一広い。交通の便もいいとはいえない。冬は長く寒い。旧習も深い。だから、その岩手が変われば、日本が変わる。“大変”ななかで“大変革”の波を起こすのが、私たちの広宣流布の戦いです」





【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月20日より転載】


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単衣(ひとえ)/今日の俳句 ≪第2172号≫

2016年06月19日 05時26分04秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月19日(日)≫(旧暦5/15)


 単帯かくまで胸のほそりけり    久保田万太郎

 汝にやる十二単衣といふ草を      高浜虚子

 単衣着て風よろこべば風まとふ     中村汀女

 巌門とひつぱり餠と単衣の子      神尾季羊

 魂去りし父の単衣のたたまるる     堤 高嶺




※ 単衣(ひとえ)→単物。
 四季の変化がはっきりしており、とくに暑さと湿気が特徴である日本の夏は、さまざまな素材を使った衣服を着てその暑さをしのいでいる。単衣は「単」とも書き、夏用の裏地をつけない衣服を指す。単衣の中でも五月はセル、六月は紺絣・紬・御召・縮緬(ちりめん)、七月は夏大島・平絽(ひらろ)・白絣・八月には麻や紗(さ、しゃ、うすぎぬ)を着た。なお、夏の礼装は男女とも絽である。冷房の普及により室内では暑さを感じなくなり、和服姿も少なくなった今日ではあるが、濃紺の羅(うすもの)に単衣の帯をしめた人に出会うと、さわやかな涼しさを感じる。


【「現代俳句歳時記(夏)/角川春樹編」(角川春樹事務所)より転載】





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       ※☆*わが友に贈る*☆※



 人に会おう!

 友と語ろう!

 大きく動けば

 仏縁と境涯が広がる。

 さあ壁を破る挑戦を!


2016年6月19日





       ※☆*寸 鉄*☆※


 「いよいよ・はりあげてせむべし」。広布は言論の戦。破折精神光らせ挑め
      ◇
 埼玉男子部が乾坤一擲の猛反撃。若師子の爆発力で大逆転を!全国が声援
      ◇
 きょう「父の日」。広布と社会で奮闘する壮年部に感謝。頼もしき黄金柱よ
      ◇
 食中毒に注意!菌は付けない・増やさない・やっつける―加熱と手洗い励行
      ◇
 公明の政策には現場第一主義の姿勢が鮮明―識者庶民を守り抜く政治貫け


【聖教新聞:2016年(平成28年))6月19日(日)付】





      ※☆*名字の言*※


戦中、母と息子が疎開した富山に、東京で暮らす父が大きな荷物を背にやってきた。食べ物を期待したが、それは母が大切にするミシンだった。“息子”である作家・小中陽太郎さんの少年時代の話だ(「朝日新聞」1996年6月24日付朝刊)

出世に縁遠く、社交性もない父の人生を、地味だと軽んじていた。大人になった小中さんがある日、ミシンを移動しようとしたが、あまりの重さに動かない。その時、一家を守るために父が背負ってきたものの“本当の重さ”を感じ、心を改めたという

東日本大震災の日、ある女子未来部員は家族と会えず、一人で避難した。翌日、父親が見つけに来てくれた。ガラスの破片が足に刺さってけがをした彼女を、父はおぶって病院に向かった

当時はまだ、家族がバラバラで、全員の安否が分からなかった。一家のあるじとしての、父の気持ちは察するに余りある。それでも“娘を不安にさせまい”としっかり背負って歩いた。彼女は父の背中に顔をうずめた

今春、首都圏の大学に進んだ彼女は言う。「今も残る小さな傷を見るたび、あの日、父の背中から伝わった安心感が全身によみがえります」。きょうは「父の日」。わが家族、わが同志を守るため、黙々と奮闘する全ての父に感謝を。(代)

【聖教新聞:2016年(平成28年))6月19日(日)≫≫付】



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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月18日(土)付

近くにいるタクシーを呼ぶと、運転手のいない車両が到着。配車、ドアの開閉、支払いはスマートフォンで簡単に操作できる。こんな時代がそう遠からず、やってくるのだろう

先日、いま話題の“無人タクシー”に乗る機会があった。実証実験中のため、運転席に人はいるが、確かにハンドルに手を掛けていない。曲がる所では、ハンドルが自動でクルクル回る。足でブレーキを踏むこともなし。スマホの指示通りに無事、目的地へ着いた

このタクシー。国内では2020年の実用化をめざしている。世界では、35年までに約2100万台販売される見通しもある自動運転車。普及するまでの課題は少なくないが、経済活性化に寄与するだけでなく、交通弱者の人々にとって、これほど便利な乗り物はない

公明党は参院選の重点政策で、モノとインターネットをつなぐ研究開発の推進を掲げている。情報化社会がもたらす恩恵を一部の人で占有せず、幅広く受けられるように。そのために、全力で後押しするとの発想である

もちろん、人間が開発した技術が、コントロールできずに暴走しては論外。人工知能もしかり。次の時代を人が暮らしていくための新たな支え、と位置付けることが欠かせない。理念なきところ、待っているのは成り行き任せの迷走と決まっている。(広)

夾竹桃/今日の俳句 ≪第2171号≫

2016年06月18日 07時07分30秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月18日(土)≫(旧暦5/14)



 夾竹桃花のをはりの海荒るる       桂 信子

 夾竹桃燃えそむ太田川河畔       松崎鉄之介

 夾竹桃日暮は街のよごれどき       福永耕二

 咲き満ちて昼のさみしさ夾竹桃      讃岐節子

 夾竹桃けぢめのつかぬ憎らしさ     柴田いさを



※ 夾竹桃→桃葉紅 インド原産の常緑潅木で、幹の高さは3メートル余りに達し、庭園に植えられたり街路樹として観賞される。葉秦家の竹の葉に似ていて厚い。夏、梢にたくさんの花を開き芳香がある。花期は長く、紅色の他に淡黄色・純白色などがあり、八重咲きもある。開花期が長く、夏中いたるところで目に触れる。

【「現代俳句歳時記(夏)/角川春樹編」(角川春樹事務所)より転載】




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       ※☆*わが友に贈る*☆※



 「確信ある声」

 「真剣な言葉」が

 相手の心を変える。

 一度の出会いを大切に!

 大生命力で絆を結べ!

2016年6月18日







       ※☆*寸 鉄*☆※


「信念を持って戦い抜く民衆は、最後に必ず勝つ」英雄。堂々と栄光の峰へ
      ◇
 愛知男子部が師子奮迅の拡大。不撓不屈の闘魂で前進!勝利の一番星たれ
      ◇
 北海道婦人部の日。母の祈りで三代城は難攻不落希望と幸の道を賑やかに
      ◇
 「信心のこころ全ければ平等大慧の智水乾く事なし」。唱題根本の人は無敵
      ◇
 落下物での列車遅れ、2割がスマホ。操作は立ち止まって。安全を最優先


【聖教新聞:2016年(平成28年))6月18日(土)付】





      ※☆*名字の言*※


「父の日」の発祥は米国で、ウィルソン大統領が、この日に関する演説をして定着したという。演説から今年で100年。6月の第3日曜日が「父の日」と定められてからは50年となる

母の日があるなら、父の日もあるべき――20世紀初頭、米国で最初に提案したのは、女性の一市民だった。若くして母を亡くした彼女は、5人の兄弟と共に、父に育てられた。子の成長を見届けるように、やがて父は亡くなる。自らも子をもつ世代になった娘が、父が好きだった白バラを墓前に供えて、祈りをささげたのが6月だった

ある地区の集いで、地区部長が「ブロック5勇士を達成できたのは、婦人部の皆さんの応援のおかげです!」と感謝を述べた。すると婦人部、女子部が「もうすぐ父の日ですね」と合唱をプレゼント。手作りの感謝状も添えられた。思いがけない演出に、照れくさそうにする壮年の姿に、“創価家族”の温かさを感じた

慈愛と勇気あふれる“母”がいて、さらに黄金柱となって皆を守り、最後の勝利を決する“父”がいれば、後を継ぐ“子”らにとって、これほどの安心と希望はない

感謝の心が団結をつくり、前進の力を生む。ともどもに広布と社会のための奮闘をたたえ、励ましながら、7月へ進みたい。(鉄)




【聖教新聞:2016年(平成28年))6月18日(土)≫≫付】



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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月17日(金)付

自動車教習所に通っている次女が「だろう運転」に注意することを学んできた。「あの曲がり角から自転車は飛び出さないだろう」「前方を走る車は急ブレーキを踏まないだろう」など、不用意な考えが事故につながることを戒めたものだ

公明党への支持拡大にも参考にしたい。例えば「あの人はいつも応援してくれるから大丈夫だろう」と思い込み、「よろしくね」だけで済ますようでは誠意を欠く。公明党や予定候補の政策・実績などを丁寧に語り、共感を得るように努めたい

一方、「あの人は駄目だろう」という先入観も避けたい。先日、他党支持者だった友人と久しぶりに再会し、公明支援を訴えてみたところ快く賛同してくれた。事故による大けがを治療していた時に公明党の福祉実績に触れ、考え方を変えたという

参院選は来週22日に公示される。日を追うごとにマスコミの報道が過熱し、各党の動きも活発化する中で、有権者の気持ちは揺れ動き、情勢は日々変化していく。支持拡大に当たっては「大丈夫だろう」という油断も、「駄目だろう」との諦めも排したい

過去の選挙戦で公明党は、劣勢をハネ返して逆転勝利したこともあれば、優勢が伝えられる中で涙をのんだ例もある。いかなる状況になろうとも一喜一憂することなく、最後の最後まで攻めの姿勢で戦い抜きたい。(幸)

清新/四〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月18日 05時12分38秒 | 今日の俳句
清新/四 法悟空 内田健一郎 画 (5829)



 一月十一日、山本伸一は、岩手県の水沢の地を踏んだ。
 水沢は、北から南に北上川が流れ、江戸時代には伊達氏の家臣・留守(水沢伊達)氏の城下町として栄え、南部鉄器の生産でも知られる。また、江戸末期の蘭学者・高野長英をはじめ、東京市長などを務めた政治家・後藤新平、さらに、首相を務めた斎藤実など、何人もの著名な人びとを育んできた。
 伸一が、水沢を訪れたのは、新しい同志を励まし、新しい岩手の未来を開きたかったからである。水沢訪問は六年半ぶりであった。
 午後三時半過ぎ、彼の乗った車が水沢文化会館に到着した。この会館は、前年の十二月に完成した、鉄筋コンクリート三階建ての白亜のモダンな新法城であった。
 玄関前で、岩手県長の南勝也らが一行を迎えた。
 車を降りるなり、伸一は言った。
 「いい会館だね。いよいよ岩手の時代が来たよ。戦いを起こそうじゃないか!」
 南が恰幅の良い体から声を絞り出すように、「はい!」と決意を込めて答えた。
 気温は氷点下であったが、冬の東北にしては珍しく雪はなかった。
 伸一は、玄関を入り、ロビーを歩きながら県の幹部らに言った。
 「私は、昨年、日本各地を回りました。
 大阪は“新・大阪の戦い”を開始し、永遠の常勝の都を創ろうと必死だ。兵庫は“二十一世紀の不落の広布城”を築くのだと、皆が燃えに燃えている。頼もしい限りです。
 中部で会った愛知の代表も、闘志満々だった。“堅塁”の気概にあふれている。
 この関西、中部とともに大奮闘しているのが九州であり、その先駆が福岡だ。大変な勢いがある。さらに前進、勝利するだろう。
 そして、いよいよこれからは東北が広宣流布の大舞台に躍り出る時であり、その牽引力となるのが岩手です。新時代の建設は、真面目で忍耐強いといわれる岩手人によってこそ、成し遂げられる事業であると私は思う」





【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月18日より転載】


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額の花/今日の俳句 ≪第2170号≫

2016年06月17日 06時11分14秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月17日(金)≫(旧暦5/13)



 額の花ゆれて杣来る隠し径       原 柯城

 橋ありて水なかりけり額の花     高橋淡路女

 あけがたや額の咲くより空ひくゝ    石橋秀野

 雨疲れして島じゅうの額の花      嶋田麻紀

 譲られし座席譲りぬ額の花       安部知子


※ 額の花→額紫陽花・額草・額花
 額紫陽花を略していう。ユキノシタ科の落葉低木で、紫陽花の基本種の一つである。花の中心にこまかい粒状の花があり、それを額縁で囲むように紫紺の大きい胡蝶花が咲く。紫陽花のように毬状にならず平らであるが、清らかな美しさがある。

【「現代俳句歳時記(夏)/角川春樹編」(角川春樹事務所)より転載】




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       ※☆*わが友に贈る*☆※



 不屈の大埼玉よ!

 師子王の心を燃やし

 今こそ真実を叫び抜け!

 険難を乗り越え

 断じて栄光の頂へ!

       

2016年6月17日






       ※☆*寸 鉄*☆※


 創価の師弟は人間に備わる偉大な力を証明した―博士。限界突破の挑戦を
      ◇
 神奈川男子部が猛然と立ち上がった!正義の旗掲げ勝利の丘を駆け上がれ
      ◇
 茨城の日。堅忍不抜の信念と努力の勇者よ!歓喜の凱歌を天空に響かせよ
      ◇
 隣近所こそ全ての人間関係で圧倒的に重要―哲人爽やかな挨拶と大誠実で
      ◇
 扇風機の劣化による重大事故に注意―消費者庁。点検入念に。小事が大事


【聖教新聞:2016年(平成28年))6月17日(金)付】







      ※☆*名字の言*※



夏目漱石が弟子の内田百

清新/三〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月17日 05時42分09秒 | 今日の俳句
清新/三 法悟空 内田健一郎 画 (5828)


 山本伸一は、この一九七九年(昭和五十四年)の『大白蓮華』二月号に、「『地方の時代』と広宣流布」と題する巻頭言を書いた。
 そのなかで彼は、「国をし(知)るべし・国に随って人の心不定なり……されば法は必ず国をかんが(鑑)みて弘むべし」(御書一四九五ページ)の御文や、「桜梅桃李」の原理を紹介し、人それぞれに個性があるように、それぞれの地方にも特色があり、東北には東北の特色があることを述べた。
 そして、法を弘めるうえでは、各地域の生活様式や文化的伝統をふまえて、押しつけではなく、生命を内より薫発していくことが肝要であると強調した。
 さらに、「『地方の時代』といっても、結局は、その地域を支えゆく一人ひとりの人間である」として、皆が主体性と愛着と誇りをもち、郷土の繁栄のために、着実な努力を重ねていくことの大切さを訴えた。
 「町村地域指導長」制は、これらをふまえて、それぞれの地域の広宣流布を推進する布陣であった。
 また伸一は、自らの決意を、次のように綴っている。
 「本年もまた、私は、日本列島の各地方をあまねくまわりたい。また、広くは世界の国々の友の激励にも走りたい」
 そして、年頭から、真っ先に東北へ飛んだのである。
 十日、東北平和会館で伸一は、宮城未来会第一期の結成式に先立ち、メンバーと記念撮影をした。
 彼は、どの地方を訪れた時も、いかに多忙を極めていようが、未来部の代表との出会いをつくり、励ますように心がけてきた。未来は、若い世代に託す以外にないからである。
 中国の英知の言葉には、次のようにある。
 「一年の計は、穀を樹うるに如くは莫く、十年の計は、木を樹うるに如くは莫く、終身の計は、人を樹うるに如くは莫し」(注)
 伸一は、後継の育成に必死であった。わが生命を削り与える思いで激励にあたった。


 小説『新・人間革命』の引用文献
 注 遠藤哲夫著『新釈漢文大系第42巻 管子(上)』明治書院




【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月17日より転載】


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泰山木の花/今日の俳句≪第2169号≫

2016年06月16日 05時43分14秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月16日(木)≫(旧暦5/12)



 太陽と泰山木と讃へたり         阿波野青畝

 父母は昭和に逝けり泰山木咲き継げり   八木原祐計

 泰山木の花にまだある夕日かな     ながさく清江

 もう急くなと泰山木の一輪咲く      北原志満子

 泰山木白波のごと崩れ去りぬ       木下杢太郎


※ 泰山木の花→大山木の花・大盞木の花・洋玉蘭。 
 泰山の名のとおり威風堂々、天に向かって咲く純白六弁の花は直径15センチほど。優勝力士などが呷る大盃に似るところから大盞木の名もある。原産地は北米で明治初年に渡来し、大庭園や公園などに植えられた。モクレン科の常緑樹だけあって花ハ気高い香気を放つ。20メートルにも成長し、艶のある大形の葉の頂部に花をつけるので下からは見にくい。初夏、晴天を渡る風が花の香りを運ぶ。まさに薫風というべきだ。洋玉蘭は漢名。

【「現代俳句歳時記(夏)/角川春樹編」(角川春樹事務所)より転載】


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       ※☆*わが友に贈る*☆※



 時は宝なり。

 限りある時間を

 最大に価値あるものに!

 強き祈りを根本に

 聡明な行動を!


       2016年6月16日


       ※☆*寸 鉄*☆※


 全国で賑やかに座談会。さあ師弟の月・7月へ!民衆勝利の大行進を開始
      ◇
 きょう「福島女性の日」。うつくしまに広がる太陽の連帯。励ましの絆強く
      ◇
 「信心とは、邪悪への攻撃精神である」恩師。青年よ創価三代の魂を受け継げ
      ◇
 自動音声電話による特殊詐欺が多発!考える余裕与えぬ手口。冷静に撃退
      ◇
 熱中症患者が急増と。水分・塩分補給は喉が渇く前に。早め早めの対策を


【聖教新聞:2016年(平成28年))6月16日(木)付】





      ※☆*名字の言*※



〈名字の言〉 2016年6月16日

「少年少女きぼう新聞」の連載「希望の虹――世界の偉人を語る」。6月号で池田SGI会長は、作家・井上靖氏との交流をつづった

出会いは1975年(昭和50年)3月。明治生まれの氏とSGI会長とは、20歳以上も年の差があったが、話は大いにはずみ、3時間半に及んだ。その後、往復書簡で対話は続き、『四季の雁書』として発刊された

井上氏の長女・浦城いくよさんが近刊『父 井上靖と私』(ユーフォーブックス)で、その交流の一端に触れている。文化勲章を受章した氏に、SGI会長は松の盆栽を贈った。氏は東京・世田谷にあった邸宅の庭の、居間から見えるところに築山を造って、その松を植え、一生守った。夫妻ともに亡くなり、5年前に家をたたむまで、大切にされたというエピソードである。松は今、知人の家に託され、余生を送っているという

浦城さんは、亡き父とSGI会長の、今も枯れることなく続く交流への感謝を込め、著書を地域の学会の会館に贈った

共感と納得の対話から開かれた友情は、40年の時を超え、世代を超えて続く。国の関係といった大きな枠組みも「人間一人と一人の友情の交流から出発しなければならぬ」――『四季の雁書』に記された井上氏の信念が、心に響いてくる。(輪)



【聖教新聞:2016年(平成28年))6月16日(木)≫≫付】



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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月15日(水)付

西南戦争最大の激戦地となった田原坂には、退却した薩軍私学校の生徒隊が残した英単語帳が散乱していたという。作家の司馬遼太郎は、戦闘行動中ですら失われない旺盛な向学心に幕末維新のエネルギーの源泉を見る

アジア初のノーベル経済学賞受賞者、アマルティア・センは明治日本の教育政策を、「邑に不学の戸なく家に不学の人なからしめん事を期す」とした1872年の学制公布を挙げ、「教育の格差が縮まり、急速な経済成長をとげる日本の目覚ましい歴史が始まった」(『人間の安全保障』)と高く評価する

その日本が、5月のG7伊勢志摩サミットで、シリア内戦で混迷する中東地域への教育支援を表明した。5年間で最大150人のシリア難民を留学生として受け入れる

留学生の受け入れについては、公明党の難民政策プロジェクトチームが昨秋、ヨルダンのシリア難民キャンプなどを調査し、戦禍で親を亡くし、故郷を追われ、教育の機会を失いつつある難民の若者を、日本に招くよう提言していた

紛争地域の最前線で平和外交を推進する公明党ならではの光る実績だ。難民の「学びたい」に応え、中東の将来を担う人材を育成する意味で大きな一歩である。社会の礎としての教育に情熱を傾けてきた日本らしい国際貢献のあり方といえよう。(中)

清新/二〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月16日 05時12分30秒 | 今日の俳句
清新/二 法悟空 内田健一郎 画 (5827)


 この一九七九年(昭和五十四年)も、山本伸一の果敢な執筆活動はとどまることを知らなかった。
 月刊婦人雑誌の一月号では、『婦人倶楽部』(講談社)に「私が出会った素晴らしき女性たち」を、『婦人生活』(婦人生活社)に「若い母へ贈る」を、『主婦の友』(主婦の友社)に「中国印象記」を、『主婦と生活』(主婦と生活社)に「信じ合える親子であるために」を寄稿。また、『週刊東洋経済』(東洋経済新報社)の新春特大号の「新春随想」では、「心の容量」と題して、仏法で説く人間生命の尊さについて言及していった。
 一月九日、伸一の姿は、厳冬の東北・宮城県仙台市の東北平和会館(後の青葉平和会館)にあった。
 この厳寒の季節に、彼が東北へ行くことについては、妻の峯子も、首脳幹部たちも憂慮していた。体調は決して良好とはいえなかったからだ。しかし、寒冷の地には、最も寒い季節に行かなければ、人びとの苦労も、気持ちもわからない。また、宗門の問題で辛い思いをしてきた人たちと、より早く会って、励まさなければならないと、彼は思っていた。
 広宣流布の熾烈な攻防戦においては、体を張って戦わなければならない時もある。
 新年の出発にあたり、一月五日に新人事が発表され、これまで東北総合長を務めてきた副会長の青田進が東海道総合長になった。そして、東北長であった利根角治が東北本部長に、さらに関東長を務めてきた山中暉男が東北長に就任したのである。
 九日、伸一は、東北平和会館で代表との懇親会や宮城県臨時代表幹部会に出席。
 十日には、同県の新年記念幹部会に臨んだ。
 席上、宮城県に「町村地域指導長」制の設置が決定をみた。これは、地域こそが広宣流布の本舞台であるとの認識に立ち、各町村の特色に合わせて、広布の運動を展開していくための態勢である。一人ひとりが生活の場である地域に深く根差してこそ、広宣流布の堅固な基盤をつくり上げることができる。



【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月15日より転載】


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金雀枝(えにしだ)/今日の俳句 ≪第2168号≫

2016年06月15日 06時38分30秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月15日(水)≫(旧暦5/11)



 金雀枝や日の出に染まぬ帆のひとつ   水原秋櫻子

 えにしだの夕べは白き別れかな      臼田亜浪

 金雀枝の花より生れし黄の蝶か      中村苑子

 金雀枝の二樹にこだわる記憶かな     金子兜太

 煤枯れの金雀枝 慰安映画の門     伊丹三樹彦




※ 金雀枝→金雀花・金雀児。
 マメ科の落葉低木。ヨーロッパの原産。5・6月ごろ、鮮黄色の蝶形の花が全枝に群がり開く。枝は細く別れ、弓状にしだれるので華やかである。花のあと莢を結ぶ。黄色に紅をぼかしたものや白色花の園芸種もある。 聖母とイエスの居場所をヘロデ王の軍隊に教えた木といわれ、キリスト教と縁の深い植物。魔女の箒もこの木と言われ、伝説が多い。

【「現代俳句歳時記(夏)/角川春樹編」(角川春樹事務所)より転載】






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       ※☆*わが友に贈る*☆※


 仕事で苦闘する友よ

 断じて負けるな!

 無限の希望と勇気

 智慧の源泉が信心だ。

 周囲も温かな激励を!

       2016年6月15日





       ※☆*寸 鉄*☆※


 信心とは最も強い確信―恩師。正義の我らに恐れなし!舌鋒鋭く攻め捲れ
      ◇
 栃木婦人部の日。郷土を照らす賢き母の大連帯。幸の光彩は三世に厳たり
      ◇
 好機逸すべからず善は急げ―哲人。青年が後継の証し示す時!走り吼えよ
      ◇
 災害時の代替庁舎、半数の自治体が「未特定」と。教訓生かし適切な対策を
      ◇
 公明には弱者への配慮と具体的施策がある―識者政策と実績こそ選択基準


【聖教新聞:2016年(平成28年))6月15日(水)付】





      ※☆*名字の言*※


重版が続く歴史小説『家康、江戸を建てる』(門井慶喜著、祥伝社)は読み応えがあった。徳川家康が関八州へ移封されたころは、未開も同然だった江戸。その街づくりを手掛けた職人たちが主人公だ

東京湾に注ぐ利根川を太平洋に注ぐよう東遷させ、耕作地、居住地を広げた改修事業。貨幣を全国的に統一するための小判鋳造。武蔵野の源泉から飲み水を引き込む水路工事。江戸城の石垣に使う巨石を、伊豆の山の崖から取る、命懸けの作業もあった

それぞれ分野は異なるが、誰もが天下の大仕事を支える“主体者”の気概にあふれていた。同書は小説だが、事実、そうした心意気あればこそ、今日の東京に続く、江戸の礎が築かれたに違いない

ピラミッド建設にまつわる発見を思い出す。古代の大建築は、歴史家ヘロドトスが唱えた、奴隷による建造ではなく、普通の市民たちが、大事業に加わる誇りに満ちて建設したものだった。それは、実際にピラミッドの前に立った時の、池田SGI会長の直感でもあった

庶民の一人一人が、主体者の自覚に立った時、歴史が開かれ、民衆の奮闘は、語り継がれる物語となる。「“まさか”が実現」の勝利を築いた60年前の「大阪の戦い」のように。この“原理”は、今も未来も変わるまい。(馨)


【聖教新聞:2016年(平成28年))6月15日(水)≫≫付】



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【コラム「北斗七星」】

公明新聞:2016年6月14日(火)付

英国では多くの大学生が全額給付制の奨学金を受けている。日本の状況は外国に比べて甚だ「お寒い」状況だ。積極的に応援する意思はないのか―。これは昭和44年(1969年)2月7日の衆院予算委員会での公明党の質疑(要旨)

質問者は石田幸四郎氏。外国の例を挙げながら、給付型奨学金を含む手厚い支援策を講じるよう政府に迫った。党結党は昭和39年(64年)11月。それから5年を待たずにいち早く国会で取り上げた事実は、いかに公明党が奨学金の充実を重視してきたかを物語っている

それから約半世紀。この間、各種奨学金が創設・拡充され、今月2日には政府が閣議決定した「ニッポン1億総活躍プラン」や「骨太の方針」に、返済不要の給付型奨学金の「創設」に向けて検討を進めることが初めて明記された

政府の最初の文案には給付型「創設」の2文字はなかった。党教育改革推進本部やプロジェクトチームなどが何度も首相や閣僚に申し入れを行い、閣議決定の文書に「創設」が盛り込まれた。まさに公明党の執念が政府を動かしたと言っていい

経済的理由で学業をあきらめることがあってはならない―。教育の党・公明党の思いは結党当初から変わらない。給付型奨学金実現への道筋をつけた政党は「公明党である」ことを訴え抜いていきたい。(辰)

清新/一〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月15日 06時34分21秒 | 今日の俳句
清新/一 法悟空 内田健一郎 画 (5826)

 前進の活力は、希望から生まれる。
 希望の虹は、歓喜ある心に広がる。
 山本伸一は、学会が「人材育成の年」と定めた一九七九年(昭和五十四年)元日付の「聖教新聞」に、「希望の暁鐘」と題する一文を寄稿した。
 「御書にいわく『所謂南無妙法蓮華経は歓喜の中の大歓喜なり』(七八八ページ)と。またいわく『歓喜とは善悪共に歓喜なり』(七三五ページ)。またいわく『歓喜踊躍』(七二二ページ)と。
 すなわち、苦しみや悲しみさえ、希望と喜びに変えゆくのが、仏法の偉大な功力なのであります。苦楽は所詮一如であり、むしろ苦難の中にこそ希望と歓喜を見いだしていける人が、厳たる人生の勝利者なのであります」
 この一九七九年は、いよいよ「七つの鐘」の総仕上げの年となる。学会は一九三〇年(同五年)の創立を起点に、七年ごとに前進の節を刻んできた。以来四十九年、目標としてきた第七の鐘が鳴り終わり、さらに新しい出発を期す時が来たのだ。
 伸一は、その清新の出発にあたり、強盛なる信心の力によって、無限の「希望」と「歓喜」とを胸中にみなぎらせ、不撓不屈の大前進を開始するよう呼びかけたのである。
 元日、彼は、東京・信濃町の学会本部で行われた新年勤行会に出席した。
 そして、「七つの鐘」終了の本年を、再び広宣流布への偉大なる起点にしたいとし、力を込めて訴えた。
 「長い広宣流布の道程にあっては、幾多の苦渋の嵐を受けるのは、御書に照らして当然の理なのであります。しかし、私どもには信心がある。信心とは勇気であります。幾多の大偉業も、すべて、この勇気という一点から実現したことを決して忘れてはならない。
 勇気のなかに真実の信仰があり、無限の希望と成長があり、時代の変革と新世紀への前進があるのであります」
 勇気は、人間を人間たらしめる力である。勇気なくしては、正義も、勝利もない。



【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月15日より転載】


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力走/六十八〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月14日 13時32分48秒 | 今日の俳句
力走/六十八  法悟空 内田健一郎 画 (5825)


 四国から帰った翌十四日からも、山本伸一のスケジュールはびっしりと詰まっていた。

 教育部の記念勤行会や本部幹部会、ソ連の対外友好文化交流団体連合会(対文連)の議長らとの会談や、東京・八王子圏の代表幹部会、東京支部長会、千葉県支部長会、茨城県支部長会、イギリス・オックスフォード大学のブライアン・R・ウィルソン社会学教授との会談など、片時の休みもなかった。
 “今、戦わずして、いつ戦うのだ! 時は今だ! この一瞬こそが、黄金の時だ!”

 こう自分に言い聞かせての敢闘であった。
 そして、十二月の二十六日には、関東指導に出発したのだ。栃木県の足利会館を初訪問し、勤行会に出席。二十七日には、群馬県高崎市の群馬センターを訪れ、勤行会等に臨み、翌二十八日もまた、同センターで大ブロック幹部を対象に勤行会を開催した。さらに、約十年ぶりに高崎会館を訪問し、この日午後九時前、学会本部に戻った。
 彼は大晦日まで、創価大学や創価学園の教員らとの懇談会や、聖教新聞社での原稿の執筆など、全力で行動を続けた。
 嵐吹き荒れる激動の一年であった。創価の松明を掲げ、守り抜いた力走の一年であった。新しき歴史を築いた建設の一年であった。
 この一年間で訪問したのは、北は北海道、南は九州まで十方面、一道二府二十五県となり、海外では第四次訪中も果たした。
 会談した主な識者や指導者は、国内外で二十数人を数えた。
 また、作詞した各部や各地の学会歌は、実に三十曲ほどになっていた。
 大晦日の夜、帰宅して、門前に立った伸一は、空を仰いだ。星辰の瞬きが諸天の微笑みのように思えた。激戦、激闘を重ねた、必死の舵取りの一年が終わろうとしていた。彼の胸中には、微塵の後悔もなかった。ただただ師子の闘魂が、熱く熱くほとばしっていた。
 “風よ吹け、波よ立て。われは征くなり”
 心燃え立つ伸一の頬には、冬の外気が心地よかった。
 (この章終わり)



【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月9日より転載】


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