和井弘希の蘇生

桂信子先生に師事。昭和45年「草苑」同人参加。現在「里」同人「迅雷句会」参加

力走/六十八〈小説「新・人間革命」〉

2016年06月14日 13時32分48秒 | 今日の俳句
力走/六十八  法悟空 内田健一郎 画 (5825)


 四国から帰った翌十四日からも、山本伸一のスケジュールはびっしりと詰まっていた。

 教育部の記念勤行会や本部幹部会、ソ連の対外友好文化交流団体連合会(対文連)の議長らとの会談や、東京・八王子圏の代表幹部会、東京支部長会、千葉県支部長会、茨城県支部長会、イギリス・オックスフォード大学のブライアン・R・ウィルソン社会学教授との会談など、片時の休みもなかった。
 “今、戦わずして、いつ戦うのだ! 時は今だ! この一瞬こそが、黄金の時だ!”

 こう自分に言い聞かせての敢闘であった。
 そして、十二月の二十六日には、関東指導に出発したのだ。栃木県の足利会館を初訪問し、勤行会に出席。二十七日には、群馬県高崎市の群馬センターを訪れ、勤行会等に臨み、翌二十八日もまた、同センターで大ブロック幹部を対象に勤行会を開催した。さらに、約十年ぶりに高崎会館を訪問し、この日午後九時前、学会本部に戻った。
 彼は大晦日まで、創価大学や創価学園の教員らとの懇談会や、聖教新聞社での原稿の執筆など、全力で行動を続けた。
 嵐吹き荒れる激動の一年であった。創価の松明を掲げ、守り抜いた力走の一年であった。新しき歴史を築いた建設の一年であった。
 この一年間で訪問したのは、北は北海道、南は九州まで十方面、一道二府二十五県となり、海外では第四次訪中も果たした。
 会談した主な識者や指導者は、国内外で二十数人を数えた。
 また、作詞した各部や各地の学会歌は、実に三十曲ほどになっていた。
 大晦日の夜、帰宅して、門前に立った伸一は、空を仰いだ。星辰の瞬きが諸天の微笑みのように思えた。激戦、激闘を重ねた、必死の舵取りの一年が終わろうとしていた。彼の胸中には、微塵の後悔もなかった。ただただ師子の闘魂が、熱く熱くほとばしっていた。
 “風よ吹け、波よ立て。われは征くなり”
 心燃え立つ伸一の頬には、冬の外気が心地よかった。
 (この章終わり)



【「聖教新聞」2016年(平成28年)6月9日より転載】


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蝸牛/今日の俳句 ≪第2167号≫

2016年06月14日 13時32分23秒 | 今日の俳句
≪2016年(平成28年)6月14日(火)≫(旧暦5/10)



 木にのぼり遠国へゆくかたつむり     国武十六夜

 かたつむり甲斐も信濃も雨の中       飯田龍太

 万葉のなかの一葉かたつむり       正木ゆう子

 かたつむり少し大きな葉に戻す       山本一歩

 アリバイは消してるつもりかたつむり   中谷三千子


※ 蝸牛 マイマイ目の有肺類で、よく知られている陸生の巻貝。木や草に這い上がり雨露をなめ、若葉を食う。螺施形の殻を食い、頭に屈伸する二対の角がある。その長い方の先端に目があるが、それはただ明暗を判別するだけである。世界には食用になる種もある。


【「俳句歳時記・第3巻/角川書店」より転載】



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       ※☆*わが友に贈る*☆※


 地区部長・婦人部長の

 尊き奮闘に最敬礼!

 皆様の力走ありて

 地域の発展は盤石なり。

 わが使命を果たしゆけ!

       

       (2016年)6月14日




       ※☆*寸 鉄*☆※


 青年の心を揺さぶるのは青年の叫び―恩師。大情熱の対話で時代を動かせ
      ◇
 女子部「華冠G」が結成50周年。人々に喜び送る美の創造者。使命は燦然
      ◇
 「幸なるかな楽しいかな」御書。弾む生命で前進。黄金の自分史を綴ろう!
      ◇
 大地震の発生確率、太平洋側で上昇―調査。自主防災意識と万全な備えを
      ◇
 現金やカードを取りに来る「受取型」詐欺増加。不審な訪問・電話は即通報



【聖教新聞:2016年(平成28年))6月14日(火)≫付】





      ※☆*名字の言*※


創価学会の会館の前をよく通るという教育関係者の方が語っていた。「会館から出てくる人は、いつ見ても皆、はじけるような笑顔ですね。よほど楽しいことがあるのでしょう」

励まし合い、学び合う。友の決意に触れて、自分も新たな挑戦を誓う。そういう場を持てることが、いかに貴重なことか

ある座談会で、青年が決意を述べた。うまく話す自信がないのか、顔を下に向け、たどたどしく原稿を読み上げる。会合終了後、年配の壮年が、さっと近づき言った。「発表、よかったよ! 頑張ったね」。緊張を解かずにいた青年の顔から笑みがこぼれた

ノンフィクション作家の石井光太氏が、宗教コミュニティーの良さとして、「共感し、肯定することができる」点を挙げていた。社会生活の中で人は、常に他者との比較にさらされる。自分を肯定できずに苦しむ人も少なくない。互いを掛け替えのない存在として認め合い、たたえ合う仲間の中でこそ、人間は自尊心を持ち、成長への勇気を得ることができる

多忙な中での会合は、なるべく短時間で、話も要点を絞って的確に。だがそこには常に、一人一人の命を無上の宝と見る「法華経の心」と、“戦う歓喜”がなければならない。生命の健康を育む場が、広布の集いである。(集)




【聖教新聞:2016年(平成28年))6月14日(火)≫≫付】



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