節約主婦なるもの

フレンチのお店にランチ営業終了まぎわに　ともだちと飛び込み、　テーブルを仕舞いはじめたので　あわてて食べていると、　マダムが

「いまから　予約の打合せの方がいらっしゃるので、　まだ店開けてますから　サービスはできませんけど　ごゆっくりどうぞ～」

といってもらったので、　ほっとして　のんびり食べていると、　打合せの女性が来店。


聞くともなしに　打合せを聞いていると、　その方がもうすごいんです。

ママ友なのかサークルかなにかなのか、　ようは女性10数人の食事会の幹事さんのようなのですが、　値切り交渉がすごい。

コースの予算でさんざん叩いた後、　まず　「じゃあその金額でいいので、　アミューズに一品プラスしてもらえますか？」　とか　「グラスワインをつけてもらえませんか？」　とか　「テーブルのお花をもうちょっと豪華に・・・」　とか。

それはそれで賢いな～　とおもって聞いていて、　マダムも鬼のようなダンピングが終わった気のゆるみからか　「ああ、じゃあそれはサービスしますよ」　とか答えていたんです。


そしたら！


「じゃあ、　いまサービスしてもらった○○、　いらないので　そしたら　いくら引いてもらえますか？」


　えええっ！？


もうここまでくると　こちらは耳ダンボですよ


そこから　「お肉は　○○牛ってありますけど、　国産牛に変えたら　いくら下がりますか？」

とか　コース内容まで　ぶったぎり。


しばらくぼーぜんとしていたマダムも　はっと我に帰り、

「お客様、　申し訳ございませんが、　基本うちはお値引きはさせていただいておりませんので、　これ以上ということでしたら、　他店をご利用いただくことをおすすめいたします。」


その後も　ホームページには　予算の相談に乗るって書いてあったのに　あれはうそですか？　グルメサイトに投稿しますよ、　などと食い下がられていましたが、　その方も

「もう　このお店でするって　言っちゃったし」

ということで、　「ちょっと考えます」　と帰っていきました。



お水を注ぎにきてくれたマダムに　「今の人、　すごかったですね」　と声をかけると

「一瞬　もうこの打合せを終わらせたい一心で　『もういいか　今回は儲けなしでも』　って気弱になりかけたんだけど、　あちらが　『よかったら　また友達も紹介しますので』　って言った瞬間、　目が覚めました～　ああいう人たちに　うちの店が食いつぶされちゃう、　って」


一言一句　メモをとっているようだったので　「あの人には○○円下げるって言ったのに」　とか　のちのちまで情報がでまわって　苦慮しそうですもんね～


マダムは　「塩まかなきゃ」　と出ていきましたが　そのお店で食事会することは決定事項らしいので、　そのあともタイヘンだったんだろうなとおもいます。　てゆーか　もうその当日がイヤでイヤでしょーがないよね今から。


これから受けようとするサービスを　まず値切るって、　なんかけっきょく　（サービスを受ける）　じぶんの価値を下げてる気がするんですが 　どうなんでしょう。


まあでも　ここまでがんがん言っておいて、　サービスは低下しないと信じているなんて、　そのお店のホスピタリティをだれよりも知っている　ある意味での上客なのかもしれませんね。