[トライソープ方式]
本実施の形態に係る符号化装置は、トライソープ(TriSoup:Triangle-Soup)方式を用いて位置情報を符号化する。
トライソープ方式は、点群データの位置情報を符号化する方式の一つであり、不可逆圧縮方式である。トライソープ方式では、処理対象の元点群を三角形の集合に置き換え、その平面上に点群を近似する。具体的には、元点群をノード内の頂点情報に置き換え、頂点同士を結んで三角形群を生成する。また、三角形を生成するための頂点情報がビットストリームに格納され、復号装置へ送られる。
まず、トライソープ方式を用いた符号化処理について説明する。図1は、元点群の例を示す図である。図1に示すように、対象物の点群102は、対象空間101に含まれ、複数の点103を含む。
初めに、符号化装置は、元点群を所定の深さ(depth)まで8分木(Octree)分割する。8分木分割では、対象空間が8個のノード(サブ空間)に分割され、各ノードに点群が含まれるか否かを示す8ビットの情報(オキュパンシー符号)が生成される。また、点群が含まれるノードは、さらに、8個のノードに分割され、当該8個のノードの各々に点群が含まれるか否かを示す8ビットの情報が生成される。この処理が、予め定められた階層まで繰り返される。
ここで、通常の8分木符号化では、例えば、ノードに含まれる点群の数の1つ又は閾値以下になるまで分割が繰り返される。一方、トライソープ方式は、8分木分割は途中の階層まで行われるが、当該階層以下の階層に対しては行われない。このような途中の階層までの8分木を、剪定8分木と呼ぶ。
図2は、剪定8分木の例を示す図である。図2に示すように、点群102は、剪定8分木の複数のリーフノード104(最下層のノード)に分割される。
次に、符号化装置は、剪定8分木のリーフノード104の各々に対して以下の処理を行う。なお、以下では、リーフノードを単にノードとも記す。符号化装置は、ノードのエッジ(edge)に近い点群の代表点として、エッジ上に頂点を生成する。この頂点をエッジ頂点と呼ぶ。例えば、エッジ頂点は、複数のエッジ(例えば平行な4辺)の各々に対して生成される。
図3は、リーフノード104を二次元表示した例であり、例えば、図1に示すz方向から見たxy平面を示す図である。図3に示すように、リーフノード104内の複数の点111のうちエッジの近接点に基づき、エッジ上にエッジ頂点112が生成される。
なお、図3では、リーフノード104の外周の点線がエッジである。また、この例ではエッジとの距離が1以内の点(図3における範囲113に含まれる点)の位置の重み付き平均の位置にエッジ頂点112が生成される。なお、距離の単位は例えば点群の分解能であるが、これに限らない。また、この距離(閾値)は、この例では1であるが、1以外でもよく、可変であってもよい。
次に、符号化装置は、複数のエッジ頂点を含む平面の法線方向に存在する点群に基づき、ノードの内部にも頂点を生成する。この頂点をセントロイド(centroid)頂点と呼ぶ。
図4及び図5は、セントロイド頂点の生成方法を説明するための図である。まず、符号化装置は、エッジ頂点群の中から例えば4点を代表点として選択する。図4に示す例ではエッジ頂点v1~v4が選択される。次に、符号化装置は、4点を通る近似平面121を算出する。次に、符号化装置は、近似平面121の法線nと、4点の平均座標Mとを算出する。次に、符号化装置は、平均座標Mから法線nの方向に延びる半直線に近い1以上の点(例えば図5に示す範囲122に含まれる点)の重み付き平均座標にセントロイド頂点Cを生成する。
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