所変われば品変わる、というけれど
葬儀の時のしきたりも地方によって微妙に違います。
その土地にいる時は当たり前に思っていたけれど、
よその土地になじんでみると、「なんだか妙なしきたりだったよなぁ」
ってことは、葬儀に限らずよくあることかも。
私の実家の地域では葬儀後、火葬場には
「喪主は行かない」ということになってます。
つまり、母親の葬儀で息子が骨を拾わない。とか
夫の骨を妻が拾わない、という事態になります。
で、誰が拾うのかというと、火葬場に行った親族のうち
最も故人に近い人が「のど仏の骨を拾う」
(もちろん他の骨も居合わせた親族が拾います)
ということになっています。
このしきたりが実家周辺でどのくらいの範囲で
行われているのか寡聞にしてわかりませんが
他所の地域の人が聞くと
「え~~大事な人の骨を拾えないなんて嫌だ!!」
などという反応が(当然のことながら)返ってきます。
ただ、これにはいろいろ理由があって
(こじつけかも知れないけど)
その1. 喪主が故人の骨を見なくてすむのでショックが小さい。
その2. 喪主が火葬場へ行ってしまうと、故人と親しかった人が
訪ねてきたとき、失礼があってはいけない。
その3. 喪主は葬儀後は速やかに手伝ってくれた人(つまりは近所の人)を
もてなし、感謝しなければいけない。
等々、言われています。
事実、火葬場に行っている間に、お手伝いの方も含めて
精進おとしが振舞われます。
これは私見ですが、
つい40年くらい前は土葬が普通だった地域なので
現在の火葬ほど喪主が家に残っても
間延びしなかったのではないかと思っています。
いや、その前に、土葬のときも喪主が家に残ったかどうか
確認するのが先ですね。
しきたりやその理由は土地によっていろいろでしょうが
たとえ奇異に思えることでも
土地の人にとっては当たり前のこと。
自分のモノサシだけであれこれと感想を述べるのは
いかがなものかと思います。