この阿弥陀様は柘植製です。
仏像としては白檀が最高だけど、色白できめが細かく
精密な彫りのできる柘植も人気です。
その精密ぶりは「流紋」とでも言いたくなるような、
光背の彫りの美しさでもわかっていただけると思います。
そして、「鬼面台座」の由来となっているのが、こちらの台座。
赤いマルの部分。さながら四天王に踏みつけられる邪鬼よろしく
ここにこうして鬼が彫られているのです。
余談ながら、この阿弥陀様の台座。
一般に、「蓮華座」と言われるように、水面から伸びて
花開いた蓮の花をかたどっています。
だから、通常は台座の一番下の部分は「水面」を表す曲線の彫りが
施されていることがほとんどです。
そして、さらに注目なのが、この目線。
どこから見ても、
こちらを向いておられるような、迫力の目線。
「玉眼入」という技法で作られています。
これは、仏様の目にあたる部分を内側から彫り、
水晶片(又はガラス)と綿(違う素材の場合もあります)をあてがって、
人間の眼球そっくりの構造で眼の部分を作り上げる技法。
ともかく細部にまでこだわって、仕上げられた阿弥陀様です。
それだけに、それなりにいいお値段だけど、
白檀製とかに比べるとお手ごろだし、何と言っても
一生に一度、どころか子供や孫の代まで手を合わせるかもしれないもの
ですもの、ぜひぜひ、お勧めしたいお仏像です。