仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
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柘植製、鬼面台座の阿弥陀様

2007-12-08 13:34:28 | 商品のこと

この阿弥陀様は柘植製です。

仏像としては白檀が最高だけど、色白できめが細かく

精密な彫りのできる柘植も人気です。

その精密ぶりは「流紋」とでも言いたくなるような、

光背の彫りの美しさでもわかっていただけると思います。

そして、「鬼面台座」の由来となっているのが、こちらの台座。

赤いマルの部分。さながら四天王に踏みつけられる邪鬼よろしく

ここにこうして鬼が彫られているのです。

余談ながら、この阿弥陀様の台座。

一般に、「蓮華座」と言われるように、水面から伸びて

花開いた蓮の花をかたどっています。

だから、通常は台座の一番下の部分は「水面」を表す曲線の彫りが

施されていることがほとんどです。

 

そして、さらに注目なのが、この目線。

 どこから見ても、

こちらを向いておられるような、迫力の目線。

「玉眼入」という技法で作られています。

これは、仏様の目にあたる部分を内側から彫り、

水晶片(又はガラス)と綿(違う素材の場合もあります)をあてがって、

人間の眼球そっくりの構造で眼の部分を作り上げる技法。

 

ともかく細部にまでこだわって、仕上げられた阿弥陀様です。

それだけに、それなりにいいお値段だけど、

白檀製とかに比べるとお手ごろだし、何と言っても

一生に一度、どころか子供や孫の代まで手を合わせるかもしれないもの

ですもの、ぜひぜひ、お勧めしたいお仏像です。