「ちょっとお尋ねしますが・・・」お客様から電話です。
「はい、どういったことでしょう?」
さぁ、ここからが千差万別。
受話器に向かって身振り手振り、いろんな言葉を駆使して
熱く語ることもあれば
相づちのせりふも底をつく時もあります。
何しろ、電話してこられるのは7割方お年寄り。
さて、先日の電話の内容は
自宅の宗派と違う仏様の入った数珠をもらったが
縁起が悪いのではなかろうか???
持っていてもいいものだろうか???
というお問い合わせ。
聞けば
家族に病人が出て、人から「その数珠がよくない」と言われたとか。
本来はお寺に聞いてみることなんだけど・・・・とお客様自身も自覚していらっしゃる。
こんな時は「全く問題ない」としっかり答えることにしています。
ご本人は「判断」が欲しいのではなく「肯定されて、安心したい」のではないかと思うので。
あれこれ導くのは宗教家の仕事。
私たちはあくまでも「お客様に快適であっていただく」だけです。
仏壇屋に「相談」されるのは「話してすっきりしたい」とか
「肯定されたい」という内容だと理解しています。
考えたら仏壇屋って、病院もそうだけど「生・病・老・死」に関わる
仕事の多くはカウンセリング的要素も大いに含んでいると思います。
それにしても、
家族が病気というタイミングで
誰もがついやってしまいがちなミス(というかミスのように見えること)を
大きな原因のように指摘する、って
怪しい宗教にありがちな勧誘方法のようです。
心にスキというか揺らぎが出るんですよね。どうしても。