今朝起きたら小雪が舞い、あたりは薄っすらと雪化粧をしていた。
先週は初夏の陽気で汗ばむほどであったが、一転して氷が張り北の風が肌を刺すように冷たかった。
桜の蕾も紅色に膨らみ、間もなく開花と思っていたが、少し先に延びそうだ。
寒さに強い水仙は雪の重みには弱いようで、茎が大きくしなっていた。
すでに開いてしまった蕗のとうは、揃いの綿帽子をかぶっていた。
湧き水のほとりに自生しているワサビも、間もなく開花して花ワサビのお浸しが楽しめる。
行者にんにくは、大きな朴の葉を押し上げたり、突き破ったりして芽を出していた。
山に篭もった行者がこれを食べて精をつけたと言われるが、いかにも逞しい芽吹きだ。
春と冬のミスマッチ風景は、陽が差し始めると儚く消えていく。
おしろいが少し剥げていた乗鞍岳も、化粧直しをして青空に浮かんでいた。
飛騨の春は、冬が時々戻りながらゆっくりやって来る。