春の遅い飛騨地方では、1ヶ月遅れの雛祭りが今日行われる。
高山市内の旅館や商店、観光施設などに代々伝わる雛人形が飾られている。
豪華な段飾りから素朴な土雛まで、訪れた観光客を楽しませていた。
雛祭りを祝う家は年々少なくなり、観光イベントや幼稚園の行事化しているようだ。
近所でも、子供が嫁いだり町へ出てしまった家で、老夫婦だけがひっそりと雛飾りをしている光景を目にする。
土雛は岐阜や富山から来る行商人から、毎年少しずつ買い足してきたとのことだ。
お雛様に関係が無さそうな、相撲取りや兵隊さん、福助、招き猫、金太郎、七福神など色とりどりに飾られているのが面白い。
土雛の前には、お菓子やアサツキ(まだ花が無い飛騨ではアサツキを飾る風習がある)が飾られている。
当時の子供たちは、雛祭りをしている家を訪ねて、お菓子を貰うのを楽しみにしていた。
昨夜からの雨が降り続き、終日冷たい風が吹くあいにくの雛祭りとなった。
子供たちに囲まれて賑やかだった頃を思い出しながら、老夫婦が祝う雛祭りはこんな天気が似合うのかもしれない。