シンプル・マインズの存在は、彼らの4枚目1981年作「サンズ&ファシネーション」を雑誌で知るに始まる。
これが国内での初めての発売だったように思う。
ジャケットに映るは、地下駐車場のようなところでの車と人の写真。
それが瞬時を捉えながらブレたピンボケの中、光と像が揺らいでいる様が実に秀逸だった。
そして、中身は、低空飛行する音、地下で奏でられているような感覚がアンダーグラウンド嗜好の人を多いに刺激した。
当時、何かと言うと「ジョイ・ディヴィジョンの影響」「ジョイ・ディヴィジョンの幻影」と語る評論家が多く存在して、音楽をまっすぐ聴く者をジャマしていた。
「サンズ&ファシネーション」は別にジョイ・ディヴィジョンとは無縁で、ヴォーカルのジム・カーを中心に独自の音を創っていた。
このアルバムに拠って目を引くこととなったシンプル・マインズは、翌年1982年に「黄金伝説(ニュー・ゴールド・ドリーム81-82-83-84)」を発表する。
元々持ちえていた独自な浮遊感ある揺れる音、自分のようなヘッドフォン・リスナーへ「おおおっ」と思わせた・微妙なミクロ世界の揺らぎを大事にした姿勢に加えて、そこにポップ感やキラメキをまぶしたこのアルバムは、大ヒットし、シンプル・マインズの存在感を大きくした。
(まあ、この後、スティーヴ・リリィホワイトとの合体により、シンプル・マインズは彼らの独自性であった微細な音世界を壊してしまうのだが・・・。
まあ、「明日は常に新しい明日」を目指していたニュー・ウェイヴ時代の潮流にはやむをえないことだったのかもしれない。)
このアルバムは全曲素晴らしく、1982年のベストアルバム・トップ10に、ピーター・バラカンを筆頭にして多くの音楽評論家は選んだ。
今日は、そのニューウェイヴの輝かしい時代の産物「黄金伝説」より「至上の愛(Somebody Up There Likes You)」を・・・。
この曲は、80年代のクロスオーヴァーイレヴンの選曲での定番だった。
何度もかかったインストゥルメンタルの名曲である。
そういえば、ジム・カーと結婚したプリテンダーズのクリッシー・ハインド。
あの夫婦は、まだ別れずに一緒にいるのだろうか・・・・。
検索かけたらここにたどり着いたのでコメント残しておきます♪
怒涛のような名盤新譜の嵐のなかに、じぶんも居ました。
クロスオーバーイレブンが鳴る23時~0時の蜜なる時空で「至上の愛」が流れていたのは、見事なまでの出来すぎた瞬間だったように思います。