「ふるさと無き世代~東京シャイネスボーイ~」
はちみちぱい&ムーンライダーズの音楽の幾分かには、破壊される前の東京世代にしかわからないニュアンスが多分に含まれている。
東京→Tokio→Neo-Tokyoという具合に「首都」であるがために、再開発という名の元に破壊され続けて来た、僕らが生まれ・育った故郷=「東京」。
ふるさとを壊されていく姿を見続けてきた僕ら。
瞬時にブルドーザーでむざむざと更地にされ、その地にあった街の匂い・人々の体温を一掃し、その後には、のっぺりした表情を失った無味乾燥なビルやマンションが建って行く。
だが、反対運動をする訳でもなく、行動したって反対になる事が無理であるのを『全共闘壊滅』で知ってしまっている僕らは、目の前で僕らの街=「東京」が壊されていく姿を、ただ見続けてきた・・・・。
僕は、昭和41年生まれだが、僕ら周辺の仲間辺りから前の世代の東京人には、そういう語り尽くせない哀しみと痛みがある。
そ知らぬふりをして、日々を暮らしているかに見えるが、それは、ある種の「達観」というか「諦念」の境地に至った、僕らの「内密された心情」を押し殺して生きていかざるを得ない宿命。
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このYOUTUBEでの、はちみつぱいの「塀の上で」のバックには、僕が愛してやまない、つげ義春さんの文学的作品『リアリズムの宿』。
実に「ガロ」の匂いが充満し、身をそこに下ろす事が出来る世界。
僕ら『東京人』のささやかな秘めたる感情が、なちみつぱい&ムーンライダーズ、そして、つげ義春さんの作品には詰め込まれている。
未来空間に生きる虚しさを押し殺して、僕は、この「故郷」=今は無き「東京」のかけらを拾いながら、行き続け、死んでいくのだろう。
僕が、はちみつぱいがムーンライダーズの前身であることを知ったのは、教授のサウンドストリートで特集が組まれ聴いたから。
そのときは、はちみつぱいの魅力にはぴんとこなかったけど、今は身に染みます。そして彼らはおそらく現存する最古の純東京ロックバンドではないでしょうか。そういう意味で大切に見守っていたい気持ちです。いまの音楽シーンには、彼らのDNAを引き継ぐものがいないのが悲しいです。
お久しぶりです。
お元気ですか?
まさに、くもおさんの言うように、というか自分の想像通りに、日本の凋落はついにMAXを向かえた感があります。
日本というか「東京が世界で1番!」といきまいていた頃の、80年代の自負を思い出します。
実は、僕も、この「塀の上で」はくもおさんと同じで、教授のサンストの「はちみつぱい&ムーンライダーズ」特集で初めて聴きました。
しかし、本当に身に染み入る曲ですね。
センチメンタルシティロマンスというバンドもかなり長い間活動していましたが、1984年当たりに解散し、それ以来、ムーンライダーズが日本で最長記録の活動するバンドになりました。
ラジオで「怪獣か化石か・・・」とギャグを鈴木慶一さんは言っていましたが、あの小声でシャイで背中を丸めた姿は、まさに東京人の姿です。
細野さん・ユキヒロ・教授も東京人ですが、こういった人々に影響を受けながらも、それを超えていけるような存在が見出せない「音楽不況」は続いています。
精神性においては、砂原良徳さんのみが、一番まっとうに彼らの意思を継いでいる気はしていますが。。。。
2009のアルバム"No bos, No cry"を聴きながら、なるほどと思っております。
そうだ、まりんさんの新譜(サントラ)「No Boys No Cry」をすっかり忘れていました。
こないだ、Amazonで発売されているのを発見したのですが、けっこう高くて迷ってはいたのです。
砂原良徳さんのことだから、良いのはわかっているのですが。
買うタイミングを見計らっています。
夏前には買って、夏の愛聴版にしたいという目論見ではいます。
まりんの名前の由来、さっきWikipediaで知りました。僕の大好きな楳図かずおの漫画「わたしは真吾」に、産業ロボットに知能を入れる小学生の男女がいるのですが、その女の子の名前(まりん)からとったと書いてあり、うれしくなりました。
忙殺される日々を過ごしています。
砂原さんの新譜、くもおさんが「良い」というのだから、是非買いたいと思います。
「ラヴビート」が2001年だっけ?だから9年ぶりの新譜ですし。
多分自分が思うには、砂原さんはどんどんシンプルかつシーン無き今の音楽世界から離れて、自分が納得するアルバムしか作らないと思います。
何せ師匠がYMOですから、安易で低俗な物には身を染め無いのでしょう。
電気グルーヴ/卓球も「そこそこ」の次元迄来たが、低俗な面が砂原さんは嫌で離れたのでしょうから。
「まりん」の由来初めて知りました。
自分も幼い頃、うめずさんの漫画はたくさん読んだけど、その作品は知りませんでした。