こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

ウィリアム・バシンスキー 「The Disintegration Loops I」01年

2010-01-21 15:57:11 | 音楽帳


過去にも一度紹介しましたが、70年代からニューヨークに住む映像&音楽作家のウィリアム・バシンスキーの「The Disintegration Loops I」というアルバムの「dlp 1.1」という63分の曲を「かたちんば(ヘルペス星人)」は、寝床で身を横たえながら聞いていました。

ブライアン・イーノの「ディスクリート・ミュージック」と同じ手法を用いています。

但し、イーノは、独自のテープループ装置で、エコーを手動でときおり気まぐれに使っているのに大して、バシンスキーは、あくまで、延々同じループが次第にテープの「いたみ」摩滅するにまかせた、本当の意味での「自動生成」の音楽なのです。

そして、その「いたみ」に拠って、音が崩壊していく様を、9・11のマンハッタンの貿易センターがテロによって次第に崩壊していくのと、イメージとしてダブらせて、この作品を2001年に発表しています。

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この音楽作品には、別にDVDがあります。
YOUTUBEには、その一部があったので、掲載しました。

ニューヨークに住むバシンスキーは、貿易センターが崩壊した直後に、自宅の屋根の上で、黒煙があがるのを静止したカメラで撮影したそうです。

黒煙が、次第に、空に広がっていく様をとらえています。

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同じように、ニューヨークで、この9・11に出会った教授は、まず、とにかく外に出て、必死にカメラのシャッターを切り続けたそうですが、このバシンスキーのDVDを見た感想をこう述べています。

『これを見ていると、いろいろな思考が次々と湧き上がってきますね。
もちろんあの日のことも思い出されます。
9・11の日、炎上するタワーを見ている時もそうだったんですが、不思議に視線が鳥を追ってしまうのです。
このDVDを見ていてもそうでした。

なぜでしょうね?
鳥が霊的なものであるという石器時代からの神話的思考が、21世紀の今日でもぼくたちの脳には刷り込まれているからでしょうか?
不思議と心が慰められるDVDでした。
坂本龍一』

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不思議なもので、なぜでしょう?自分も、ココロの中で、世界全てが崩壊していく事を、いけない事と禁じながらも、その崩壊と美を結び付けてしまう。

それは、文学で言うと三島由紀夫の「金閣寺」であり、音楽で言えば、ヨーロッパの耽美的デカダンな世界-ロキシー、ウルトラヴォックス・・・・-等への憧れに結びついています。

内なる「崩壊と美」への願望があることを、僕は否定出来ません。
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