こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

2015年12月18日 金曜日 「年の瀬を迎える前に、峠で一服」

2015-12-18 23:58:12 | 音楽帳

明け方目覚めると、灯りをつけたままだった。
灯りとエアコンを消す。簡易ポットに少し残る白湯を飲み、再び横になる。

定時となって、何度もアラームが鳴る。奇妙な夢を見ていたよう。
普段以上に調子悪く、朝起きたはしたが立ち上がれず、それもまあまああることだが、昔の肝臓壊した時思い出す感覚。
次第に今日は無理だと気持ちが傾き、横になる。
起きると8時半を回っていた。休むことにする。年の瀬を迎える前に師走半ばで失速し、ヘタってしまった。

気が抜けると、それまで緊張していたものがはち切れ疲労がこぼれ落ちたり、そこにウイルスが流入したりする。風邪はすでに一回引いたが、薬を一切使わずに戻った。
今日は別に風邪らしい症状ではないが、入院する親が居る以上、何かあったら動かなければならない側は大胆かつ慎重にならなければならない。

大胆とは、いくら強引でも、今日やらねばならないことを全て破棄すること。
慎重は、無理している心身を休めること。

***

お茶を煎れラジオを付けると、大沢悠里さんのお色気大賞が流れている。外は快晴。
食欲は無いが無理してでもパンを食べ、洗濯をする。こまごましたことをする。

平日、今も外で社会は歯車が回り続けている。
そこから放置された時空、ぽっかり開いたすきま。
ラジオを流れるニュースも、パソコン画面上に見えるものも、異界のモノに映る。
冷静な神経で見える。ふだん現れないモード。

急ぎ足の日々には、なかなか落ち着いて聴けない音楽を掛ける。
”キングクリムゾンプロジェクト”の一枚、「スケアシティ・オブ・ミラクルズ」を初めて聴いた。
気分の波長が合う。メル・コリンズのサックスが、ぼやっとした室内に優しく浸ってくる。
そこからもらった足掛かりで、室内の歩幅は「太陽と戦慄」に向かう。

風呂に入り支度をし、お見舞いに向かう。
冬らしい寒さとピンと張った風景の色の鮮やかさ。「太陽と戦慄」を聴きながら歩く。
お正月を家で迎えさせてあげることが無理となり、否が応でもシフトチェンジしていく中、峠で一服の休みは今の自分には必要なのだ。

夜戻り、明日の仕事用道具を整理し、支度をする。

そんな折、これまた偶然、フリップ先生が奥さんのトーヤと出ている番組にばったり出くわした。ニホンでもよくあるバラエティ番組「夫婦でクイズ」といったもの。
先生がこのような番組に出るとは驚きであった。

■イギリス番組「All Star Mr & Mrs」ロバート・フリップ&トーヤ夫婦 2013年5月8日■
ステージ以外のドキュメントで、先生が笑ったり茶目っ気あるシーンは観たことはあったが、ここまで優しい顔をしたフリップは見たことがない。
しかし、なんと可愛い夫婦なんだろうか。全く異質なことは分かってはいたし、どうやってあの2人がやりとりしているんだろうか?と不思議に思ったものだが、全く異質だからこその関係というのがよく解かった。
先生が学者然としたなかで、トーヤは屈託の無い自由な明るさを振る舞う。本当に愛らしい2人のさまに自然と顔がほころび、気持ちが緩んだ。

エーゴがしゃべれる者ではないが、この映像を視て、先生のありさまに「つくづくイギリス人らしいな」と思い、XTCのアンディ・パートリッジを思い浮かべた。
大真面目に語るから大真面目に受け取ろうとするとだまされる。
そんなことはイーノとコラボレーションしたことが起点となり、元々はイーノが開発したディレイシステムを”フリッパートロニクス”と命名するに始まり、様々な予言めいたことを言ったり。
昨夜は終幕で「ブラボー」と思わず立ち上がって拍手を送る大勢のファンの喝采の中、先生は表情一つ変えず直立不動だった。実に先生らしく、抒情的になってはいけないのだろうが、こちらはその様が何とも切なくつい涙腺が緩んだのだった。



この見開きは「フールズメイト」1981年4月号。
単なる編集上の偶然なんだろうが、左がトーヤ、右ページが先生になっている。ようくこのページを眺めることがある。
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