こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

Four Tet 「Rounds」'03 / 東京に木枯らし1号

2007-11-18 23:44:48 | 音楽帳


1. Hands
2. She Moves She
3. First Thing
4. My Angel Rocks Back and Forth
5. Spirit Fingers
6. Unspoken
7. Chia
8. As Serious As Your Life
9. And They All Look Broken Hearted
10. Slow Jam

***

 エレクトロニカ全般に言えるが、微細な音を嗅ぎ分けて、音を咀嚼するには、ウォークマン的室外は向いていない。

あくまで室内でのリスニング向きである。

こういうエレクトロニカに代表される音の出現は、CD全盛以降の、向上した音質世界でこそ成り立つものである。

つまり、デジタル時代の産物なのである。

 このフォーテットもほとんどの曲がそういう「か弱い」性格を持っている。

静かな室内で聴く音楽。

そういった弱い性格の音楽がポピュラリティを得る訳も当然無く、あくまで我々のようなかたちんばの間で聞かれる訳である。

水面下で広がる波紋のように、人知れず、少人数の世界で流通する音楽。
下世話なTVの世界にも、FMにもかからない音楽。

 フォーテットは、バリバリのエレクトロニカではない。
サンプリングされた生音とエレクトロニクスの組み合わせで、それは案外躍動的な面があって、静かな静止画のような音楽が好きな自分には、イマイチである。
ドラムがうるさく、ロックしているのが、自分には合わない。

 そんな中ではあるが、ベスト・トラックは、ミニマルなピアノと淡々と一定のビートを繰り返すドラムが絡み合う6曲目の「Unspoken」であろうか。

背後にかすかに聞こえる環境音、オルゴール、それも、曲の奥行きを膨らましている。

***

 冬至の日にちに近い誕生日の母の所に行ったのは、3時も近い、日が傾きかけ、日差しが赤くなった頃だった。

ひさびさに両親とまみやんに会った。

最後は、親父と2人で、長澤まさみちゃんとさんまのドラマを見て、22:00実家をおいとました。
外は、冬のような寒さになっていた。

23:00とぼとぼと、寒い家に帰ってきた。

淡々たる「生きている」不安に、逆に包まれる。

生き物はすべて自分1人で、死に向かって歩かねばならないという自明の孤独感。
ヒトは、それに耐え兼ねて自殺するのだ。

東京に、今日、木枯らし1号が吹き、冬がやってきた。
孤独な季節が、また、到来した・・・。
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8 コメント

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ありがとうございます (かたちんば→にいひらさんへ)
2007-12-13 20:15:21
にいひらさん、ありがとうございます。

自分も通勤中には音楽は聴くほうではないですが、
街を休みに、写真撮りながら散歩するときには、いいですよ。

いまさら「CDウォークマン」です(笑)。

流行に敏感なことが嫌いなので、I-Podは持ってません。

四季おりおりの自分の、そのときの気分で聴く野外での音楽というのもいいですよ。
気分にひたれるというか・・・。

自分は、冬だと、ヤズーの1枚目とかDepecheModeの「ア・ブロークン・フレーム」とかスケッチ・ショーの「Ekot」の入っているミニCDとか・・・言い出すとキリありません。

シガーロスも、Paul Lydonも、残念ながら知らないのですが、是非、冬に合う音楽として聴いて見たいですね。

>私は聴く量も少なく、また範囲も狭いので、お勧めする分母が極少なのですが…

→いえいえ、音楽は「分量」ではないです。
音楽を愛する気持ちに「分量」は関係ありません。

むしろ、演歌ブルース1曲をこよなく愛する親父さん、みたいな人の方が、J-POPなんていうしょーもない音楽聴いている人より深いですね。

是非、「冬の音楽」。
テーマにしてみたいと思います。
また、書きますので、見に来てください。
よろしくお願いします。
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とてつもなく今更ですが・・・失礼します (にいひら)
2007-12-12 23:39:11
お答えありがとうございました。
お礼が遅くなって申し訳ないです。

私も通勤中には音楽は聴きません。
電車通勤だと雑音が多すぎて。
散歩中とか、寝る前とか、休日の午後とか、不思議に心地よい静けさが漂う時間・環境を私も選んで聴いています。冬はその時間が増える気がするんですよね。

私は冬に合う曲を選ぶというよりも、好きで年中聴いているけれど、冬のこのピリッとしてきれいな空気にのせるとより良い!という感じの聴き方なのですが…やはり寒い時期だからこそ寒い国で生まれた音が良いですね。

シガーロスの『()』の水晶のような硬質で美しい音と音が描く白い風景は今の時期だからこそより広がる気がします。
また、同じアイスランドのアーティストで、Paul Lydonの『Vitlaust hus』は上のとは違った意味で冬に良いです。多分ジャンルとしてはフォークだと思うのですが、素朴な音とこれまた素朴な声で、寒い日に暖かい家の中でぬくぬくしているような感覚になります。

私は聴く量も少なく、また範囲も狭いので、お勧めする分母が極少なのですが…
挙げていただいた曲も恥ずかしながら知らないものばかりで…。

かたちんばさんの音にこだわる聴き方は読んでいてとても面白くて、聴いてみたい欲がびびっと刺激されるので、冬に合うとおっしゃる曲がどんな音なのかとても気になっています。
参考にさせていただいて、探してみようと思います。

コメントで長々とすみませんでした。

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はじめまして (かたちんば→にいひらさんへ)
2007-11-24 23:43:24
はじめまして。
コメントありがとうございます。

環境と音楽は、自分には密接に繋がります。
聞く環境が整うかどうかで、その音楽が生きるか死ぬか、全く変わってしまうものですよね。

にいひらさんの言う通り、冬のエレクトロニカというのは、音によっては素晴らしい体感に結びつくことありますよね。

自分は、通勤に音楽をかけていたのですが、どうも、そういう雑然とした、ココロの荒れた時間に、音を、雑音と「雑風景」と聴くのはダメだ、という結論に至り、最近は、そういう通勤に音楽を聴くのはやめました。

やはり、ココロがまっすぐ音楽に向かい合える休みの日や、ココロが穏やかなときに、キレイな音楽には向かい合いたいですね。

にいひらさんの言う冬の厳しさの中でこそ聴きたい音楽というのもあり、冬には冬の自分が聴きたい音楽ありますね。
僕は、雪の近いような寒さの、でも晴れている日・・・(あるいは雪の日)そんな日に、外で、DavidSylvianとHolgerCzukeyの「Flex&ミュータビリティ」という曲をよく聴きます。
タムタムのビートと冬の風景が実によくマッチします。

また、スケッチ・ショーの「Ekot」とか、エレクトロニカでは、クライストという人の鉄塔がジャケットのアルバムとか、ウルリッヒ・シュナウスの1枚目とか・・・僕も僕なりに、冬に合う音を、無意識に選んではいます。

にいひらさんの方が、エレクトロニカは詳しそうですが・・。
また、そんな冬に合う音楽あったら、是非教えてください。
返信する
お邪魔します (にいひら)
2007-11-24 22:19:39
にいひらと申します。
先日はブログの方にコメントいただきましてありがとうございました。

「か弱い性格の音楽」という表現は面白いですね。
確かに聴く環境を整えないと、良さがわからないというか上手くはまってこないというのはあります。
だからこそ、音がはまったときの震えが私は大きいです。

冬という季節は、寒さ厳しく、寂しさも一層強まる時期ではありますが、あの空気が澄み具合はエレクトロニカを聴くには、最高の環境のような気がしているのですが、いかがでしょうか…。

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答えになったかなあ・・・・ (かたちんば→さばとらさんへ)
2007-11-23 16:27:48
>マイブームをわかってくれるパートナーがいたらもっといいですね。

→まさにそうですね。

やっぱりみうらじゅん兄貴も、昔はただの変人扱いだったでしょうし。
わかちあえる仲間は大事です。

人生は「オナニー」みたいなもの。
そうも言えます。

よりよい人生という「芝居」のために、環境整備をして、より劇的な芝居にしたいものです。
返信する
お答えありがとうございます... (さばとら)
2007-11-22 22:24:14
今この時間は、暇つぶしだと考えるのもいいですね。
そして、マイブームを見つけて没入する!
確かに、没入している人は楽しそうです。
ひとつのマイブームが終わっても、次のマイブームをみつけて没入する。人生が終わるまでマイブームが次から次へと続いたら楽しいかもしれません。

マイブームをわかってくれるパートナーがいたらもっといいですね。
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ニンゲンなんてららら・・・ (かたちんば→さばとらさんへ)
2007-11-21 20:09:30
良いおことばありがとうございます。

確かにヒトは中途半端な生き物です。
岸田秀せんせい曰く「本能の壊れた動物」ですね。

片方で、DNAという「しばり」で道を決め付けられながら、それだけでは終わらず、意識があるので、DNAだけでは決められない余白もあるようで・・・考えれば考えるほど、ヘンな生き物です。

たぶん、突然異変で出来てしまった、死滅する運命の生き物だと思います。

>質問ですが、孤独から脱却するには、どうしたらいいのでしょうか!?
孤独から救ってくれるものは...??

→うううん・・・どうでしょう?

最近、ウィキペディアで発見した、みうらじゅん兄貴のコトバが、今の自分には、この孤独との闘いの1つのアイデアを提示しています。

”「人生とは死ぬまでの暇つぶし」はみうらの言葉である。人は生れ落ちた時、余生が始まると説いており、その余生を有意義にするのがマイブームである。”

とのこと。
よく、精神科で悩みを打ち明けると「とにかく没入するものを見つけなさい」といわれます。
確かにこれはこれであっていますが、かたや没入することで孤独はなくなるが、それと引き換えに失うものもあります。
これが最近の自分のジレンマです。
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ヒトっていう生物 (さばとら)
2007-11-21 17:13:29
ヒトって、自分の遺伝子残して役目を終わっても、しば~らく生きていかなくてはなりませんよね。

他の生物は、役目を終えたら死ねるのに、
ヒトに限っては、「ただの遺伝子の乗り物」ではなくなってしまっているので(脳が発達して文化を持つようになったから。)自分で終わることは悪だし、余生を送ろうとします。

私は、他の生物のようにシンプルに生きてみたいですよ!!
自分で姨捨山に登りたい(^.^)

質問ですが、孤独から脱却するには、どうしたらいいのでしょうか!?
孤独から救ってくれるものは...??

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