
1982年の映画「キャット・ピープル」公開に伴い、ジョルジオ・モロダーが担ったサウンドトラックの曲たちが、よくFM放送から流れた。
とても優れたサウンドトラックで、収録された一曲一曲は、映像抜きでも独立した音楽となっていた。
クロスオーバーイレブンでは、よくこれらの曲が使われていた。
■ジョルジオ・モロダー 「アイリーナのテーマ」1982■

テーマ曲のヴォーカル入りヴァージョンを歌っていたのはデヴィッド・ボウイ。ボウイはこの1982年映画「バール」に続くサントラ出演。
彼が歌うテーマ曲は、夏の夜のねっちょりした・うだるような暑さの中、漂える妖気と狂気が表現されていて、
暑い夏夜の脳裏に、ボウイの太いハミングが浮かんでくることが、未だある。
それとだぶるようにして、当時メインストリームに居た人気女優ナスターシャ・キンスキーの姿。
宇宙人/アンドロイドのような完璧な容貌、裸体、狂気を孕むまなこが浮かぶ。
■デヴィッド・ボウイ 「キャット・ピープルのテーマ」1982■
ボウイは、この翌年1983年ストレートな表現「レッツ・ダンス」という作品により、またもや新しい人格を展開させ、多くの人に「やっぱり、さすがはボウイだ」という認識を新たにさせる。
このLP「レッツ・ダンス」にも『キャット・ピープル』が収録されているが、これは映画のテーマ曲とは全く趣きが異なり、アレンジをし直した別曲となっている。


人が別の生き物に変わるのは、過去から繰り返されてきた物語のモチーフであり、吸血鬼やオオカミ男などなど。。。
この映画では、女性(ナスターシャ・キンスキー)の方が、黒ヒョウに変身する。
黒ヒョウというとバビル2世のロデムを思い出したり、キャット・・・と言えばマンガ「ゲゲゲの鬼太郎」の猫目娘や「キャッツ・アイ」を思い出したりする自分。

映画公開の翌年1983年にマイケル・ジャクソンがMTV「スリラー」でゾンビたちと踊り、付き合っているガールフレンドに大丈夫だよ、と笑顔で肩を抱きハッピーエンド。。。
と思いきや、最後彼が振り向くと、眼がネコ目になっているシーンの怖さ。
(この「スリラー」が発表された直後には、まさか、そんなにもの大ヒットになるとは思ってもみなかった。それは、彼自身も周囲スタッフも、見聞きする側の自分も同じだった。)

偶然なのか時代の流れだったか?検証しえないが、
MTV「スリラー」最後のシーンは、前年の映画「キャット・ピープル」からの影響・引用だ、と勝手に思っている。


久しぶりに洋盤(EMI)のCD引っ張り出しました。
「レッツダンス」3曲目までしか聴かないことが多いのですよ。
よく午後授業さぼって映画観て部活までに学校に戻っていた高校時代を思い出します。
いい時代でした…。
ウォークマンのカセットのヒスノイズと潮の香りが蘇りました…。
あの頃の音というのは、聴覚だけではなく、視覚や嗅覚と一体化したいたような気がします。
10代の感受性というのは、珠玉なのでしょう。
おっしゃるようにA面3曲が強烈で、それ以外の印象は自分も薄いです。
チャイナ・ガールのMTVで、コートを着たボウイが走るシーンの、男のかっこよさに憧れました。
それらの装置が、まさかその後を決定付けると当時は思いもしませんでしたが、確実にその後を決定していると今思います。
全ては偶然でしょうが、そういうめぐりあわせに生まれ育ち・出会ったことは、今を生きるすべとなると思います。