京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

大徳寺本坊

2020年09月24日 09時37分00秒 | 日記
 大徳寺本坊ではこの冬から約10年の予定で半解体修理に入ります。



京都春秋さんが主催され、修理前の公開が今月5日から27日まで行われています。
好評な状況で全ての日程が予定で埋まったそうです。





拝観コースはまず国宝の方丈からです。方丈は大徳寺の開山大燈籠国師(宗峰妙超)の塔所"雲門庵"も兼ねた建物です。

(大徳寺本坊内は撮影が一切禁止されています。それに手荷物は全て庫裏ど預けるシステムです。
本坊内部や一部外部の写真はパンフレット及びネットからの転載です。)




内部の襖絵84面は全て狩野探幽の筆による水墨画で国の重要文化財です。
全てがオリジナルなところが凄いです。
通常の特別拝観では外からの見学ですが、今回は入室して見学できました。





方丈前庭は歴代住持の天祐和尚、東庭の七五三の庭園は小堀遠州作庭で国の特別名勝庭園です。(いわゆる庭園の国宝です。)

次に法堂です。







小田原城主稲葉正勝・正則父子の寄進による建物で内部の天井の龍も狩野探幽の筆です。
"鳴き龍"で天井画の下で手を叩くと天井が反響し、あたかも龍が鳴いているかの如く聞こえてきます。

次に国宝の唐門です。






聚楽第から移築された唐門は先程の方丈からも見えますが、外側からの見学です。
今回は周りを囲む柵の内部にまで入れて孔雀や龍、麒麟、獏の見事な彫刻が間近で見る事が出来ました。
"国宝三唐門"のひとつだけあります。

次に鐘楼、経蔵、浴室とは外部からの見学ですが、このエリアには通常の特別拝観でも入れないので貴重な機会です。

最後に三門の金毛閣です。





写真の様に通常は柵があり、近づく事は出来ませんが今回は三門中央の扉を開けて頂き通る事が出来ます。
ホントは二階部分にも上がりたかったですが一般人では無理なようです。

当時は単層の建物だったのを、千利休の寄進により二階部分が増築されました。
恩義に感じた大徳寺の僧侶たちは利休の像を造り二階に設置しました。

その事が関白豊臣秀吉の逆鱗に触れ、利休切腹の原因のひとつになったと言われています。
ツアーは、こちらで解散となります。
充実の内容で満足しました。














晩夏の無鄰菴

2020年09月23日 09時18分00秒 | 日記
 無鄰菴は過去に何度か書いているので詳しい説明は省きます。





明治政府による上地令により南禅寺の境内地はその約9割を失うことになります。
南禅寺は徳川幕府と関係が深く、特に塔頭金地院には家康を神として崇める東照宮があり、明治政府に目の敵にされて来ました。

その地が民間に払い下げられ、東山の景観を守る主旨で別荘地として開発されました。
いわゆる"南禅寺別荘群"の誕生です。その中で唯一、一般公開されているのが無鄰菴です。

もとは明治の元老山縣有朋の別荘でしたが山縣家から京都市に寄贈されました。

現在は京都市の指定管理者制度で植彌加藤造園さんが管理運営されています。
庭園管理のプロ集団ですので、いつも素晴らしい手入れがなされています。





この日は雨上がりだったので東山には霧が立ち込め幻想的な風景でした。


9時から17時まで開場されていますが、コロナ拡散防止策で1時間あたり最大15名までの制限を設けられています。

予約に空きがあれば2時間前の予約も可能なシステムです。





人数制限をされているので主屋の縁側からは水のせせらぎが心地よく聴こえて来ます。
また、東山の山々を庭園の一部であるかのように取り込み、実際より遥かに奥行き感を感じます。





部屋の設えも定期的に変えられているので何度来ても新鮮味があります。



この日のお軸は大徳寺塔頭黄梅院の小林太玄和尚の筆です。

先日も黄梅院にお邪魔しましたが、84歳になられ、耳の方は少し遠くなられていますが、お元気で、心に染みるお言葉の御朱印を書いて頂きました。



また、文化事業にも力を入れておられ、庭園の解説、野鳥講座、茶道講座、在釜を始め、その道の専門家を招いて様々な文化講座も実施されています。







主屋からは見えませんが、庭園の中ごろには池があり、その東側には風情ある沢飛び石が配されています。
最も東側には豪快な石組みの滝が三段になって琵琶湖疏水の水を落としています。

"静"と"動"との両方を感じます。

琵琶湖疏水の一次水を引いているので庭園には琵琶湖の生態系が残り、初夏にはホタルが乱舞します。

この豊かな琵琶湖疏水のおかげで京都市で使われる水の99%が賄われています。
京都市は毎年の予算で滋賀県に対し「疏水感謝金」の勘定項目で2億2千万を支出しています。
ですから、滋賀県民の皆さま「琵琶湖の水 止めたろか!」とは言わないで下さいね!




庭園の隅には洋館があります。純日本風の景観にはやや不釣合いを感じますが、100年以上を経過した今では、すっかりと馴染んでいる感さえしてきます。









最近、山縣家から椅子の寄贈があり、早速展示されていました。



洋館から見た主屋の風景です。

"文化財の有効活用"を常に考えられている"無鄰菴"です

庭園に明治近代庭園の新鮮さを感じ、琵琶湖疏水に日本人だけで臨んだ偉大な事業に想いを馳せる事の出来るそんな講座が無鄰菴には相応しい様に感じます。







南禅寺本坊

2020年09月22日 08時40分00秒 | 日記
 泉屋博古館を後にし、久しぶりに南禅寺本坊を拝観しました。


大玄関前の敷石はかって京都市内を走っていた市電の軌道の敷石を転用したものです。
すっかりと溶け込んでいます。




庫裏で拝観受付を終えると右にはお茶席がありますがコロナの影響で提供されていません。
滝とかえでの素晴らしい風景なので再開が待たれます。
庫裏にはお馴染みの韋駄天さまがお祀りされています。





方丈前の庭園は慶長年間、小堀遠州作庭と伝わる名勝庭園です。
大小の石を組み合わせ、母虎が子供の虎を連れている姿から「虎の子渡し」の庭と呼ばれています。

方丈は慶長16年(1611)に御所の建物を後陽成天皇から下賜されたもので国宝です。
方丈に付随する小方丈は伏見城の小書院を移築したもので、こちらも国宝です。


(室内は撮影禁止です。インターネットからの転載ですら。)

内部の襖絵は狩野探幽の筆によるもので中でも「水呑みの虎」は名高いです。




方丈の北側には「六道庭」や茶室が点在しています。





こちらの独特な竹垣は「南禅寺垣」です。


「龍淵閣」と呼ばれる建物で、坐禅会で使われています。



外に出て前にあるのは"法堂"です。





天井画は京都画壇四条派の重鎮今尾景年の晩年の大作です。


最後に御朱印を授与して頂きましたが、昨今のコロナ禍のせいか、書置きの対応が多くなっているのは残念です。
(しかも、日付はスタンプですし、、、)



 

泉屋博古館

2020年09月21日 07時47分00秒 | 日記
 岡崎つる家さんで京懐石を頂き、すぐ近くの泉屋博古館へと向かいます。



10月18日まで特別展「瑞獣伝来 空想動物でめぐる東アジア三千年の旅」が開催されています。

「瑞獣(ずいじゅう)」 聴き慣れない言葉ですが、東アジアでは吉祥をもたらすとされる動物で、約三千年前の中国の青銅器にも紋様として描かれています。



日本でも宇治の平等院鳳凰堂の屋根には鳳凰が飾られ、武士の世の中になると権威の象徴として虎が描かれ、寺院の天井には仏法の守護神として、また、水を司る神として龍が描かれる事が多くなって来ます。

建仁寺の方丈襖絵にも海北友松筆の龍が描かれています。
しかし、全てオリジナルではなく高精彩デジタル複写技術による複製品です。

今回の展示では一部ですが軸装された本物が展示されています。
ホンマもんは醸し出す雰囲気が違いますね。






国宝1点、重要文化財8点を含む展示内容です。

泉屋博古館について。財閥住友家の第15代当主住友友純(ともいと)、号は春翠が収集したコレクションを、住友家本宅敷地の一部に昭和35年(1960)に開館しました。

住友家は銅山からの採掘を家業のひとつにしていた関係で青銅器の収集では世界的にも評価されています。

その他に美術品も多く、クロード・モネや伊藤若冲、木島櫻谷の絵画など多義にわたります。

鹿ヶ谷通を南下し、久しぶりに南禅寺本坊へと向かいます。








岡崎つる家

2020年09月20日 08時11分00秒 | 日記
 9月19日はメルパルク京都カルチャールーム主催で「岡崎つる家」さんで"京懐石でまなぶ大人のたしなみ」の講座に参加しました。



大変に伝統ある料理旅館で、明治41年(1908)に大阪北浜の地に創業されました。
その後、昭和3年(1928)昭和天皇のご即位の儀が京都御所で執り行われた際の貴賓の方々が宿泊、食事をされる料理旅館として創業されたのが"岡崎つる家"さんです。

過去にはイギリスのエリザベス女王やチャールズ皇太子、ダイアナ妃、サッチャー首相、アメリカのフォード、ブッシュ大統領、など多くの海外の賓客の方々を持てなしてこられました。  



会場は二階の大広間で縁側からは比叡山をはじめ、如意ヶ岳が真正面に見える抜群のロケーションです。 

床の間の富士山の絵画は堂本印象です。









残念ながら庭園には降りる事は出来ませんでしたが、東山の峰々を借景に取り込み広々と、解放感ある池泉回遊式庭園です。

琵琶湖疏水を庭園に引き込んだ"植治"っぽい庭園ですが、明治から大正にかけて活躍した作庭家加藤熊吉氏による庭園です。





本日の講師西川影戀(えいれん)先生による作法の解説があり、障子や襖を開ける際には正座をし、近い方の手で面積の15%程を目安に先ず開けます。続いて両手で二回ほどに分けて開けると美しく見えるのだそうです。

西川影戀先生は日本舞踊西川流師範で京都の観光おもてなし大使もされておられます。

さらに、日本間の場合は床の間があります。床の間は北側にあり賓客の方が南に向かって座られます。
これは中国の"君子南面す"の影響でしょうか?
また、"下っ端"は出入口に近い席にすると間違いはないそうです。
これは用の東西を問わないそうです。







続いて西川先生の舞の鑑賞です。
電動で襖が上がり、舞台が手前にせり出してきます。


演題は大和楽の"あやめ"です。

舞台が格納され、いよいよ懐石の時間です。



先付



お刺身
織部風の器がいいです。


松茸とはもの土瓶蒸し



天ぷら



煮物



焼き物
マナガツオの朴焼きとピーマンのおひたし。



ごはん(松茸ごはん)
赤出しの中には満月に見立てた卵焼きが。





デザート①
梨と巨峰


デザート②
葛切りと煎茶。
黒蜜とブルーベリーの蜜を付けて。

集合時間より少し早く着いたので、館内を見学させて頂きました。









憧れだった"岡崎つる家"さん
西川影戀先生の舞
美味しい京懐石

なんとも充実した時間でした。