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森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

相棒ten5話「消えた女」

2011-11-17 10:48:48 | ドラマ(相棒)

「消えた女」、面白かったです♪

ゲストは本仮屋ユイカさん。

彼女は「相棒 劇場版 絶体絶命!42.195km 東京ビッグシティマラソン」に出てきた守村やよいです。

映画の脚本も戸田山雅司で、昨日の脚本も彼。
生みの親だけあってやよいの大胆な行動力とお人よしと言うキャラが生きていましたね。

あらすじなどはこちらで→□□□

 

朝から特命係にいるゆかり。
そこにいつものように覗きに来る暇か課長。やって来る尊。
二人とも「誰?」と彼女のことが分かりません。

亀ちゃんが居ないからね。

昔、縁した人が出てくると、亀山薫が居ない事がちょっぴり寂しく感じます。

尊の「どうしてここには入れたの?」と言う質問で、今のやよいが通信社のアシスタントをやっていると言う事がわかるというのは自然な設定で上手いと思いました。

 

昨日関わった人が、翌日にはまるでいなかったかのように消えていると言うのは怖いお話ですね。まるでヒッチコックの映画のようです。会社にも存在していなかった。住んでいたと思われたマンションにも居なかった。
普通なら諦めてしまいそうな事ですが、やよいは諦めませんでした。

もちろん右京や尊が諦めないのは当たり前のことです。

会社は、嘘をついていると言うトリックが簡単に思いつくけれど、じゃあマンションはとなると・・・

管理人が1週間前に変わったばかりと言うのは、1回目の訪問では分からなかった事で成る程なと思いました。

花が綺麗に咲いているか枯れているかで、推理したやよいも凄いですね。

みんなが彼女を知らないと言う方が面白かったのですが、ビデオ屋の店員は覚えていて、まあ、それが普通は当たり前かと思うのですが、若い人の一人暮らしは、本当に分からないかも知れませんね。都会ではいつの間にか消えている人が本当に居るかも知れませんよ。

 

右京の会社でさりげなく電話を掛け、販売促進課があることを確認する所なんか面白かったですね。

 

今回は捜一トリオの出番が多くて、それも楽しめましたね。
エレベーターでのすれ違いとか、いつも二人に出遅れている捜一トリオ。
駐車場では、右京が怪しい車のナンバーを空で言うと、みんなでガバッとメモを出すところ。暗記なんて無理ですよね。みんなが右京ではないのですから。

上から横槍が入ると、(上から横槍と言うのは変かな)、情報を右京に伝えるイタミン。
「あそこまで教えたら動かないわけには行かないだろう。」とイタミン。
「黒いなあ。」と三浦さん。
「立っている者は特命でも使う。」

名言でしたね。笑ってしまいましたよ。

 

以下は推理の内容のネタバレしていますよ。再放送前に訪問してくださった方はお気をつけて。

で、解決してみれば、麻薬売買のトラブルでの殺人だった事がわかります。

殺されたのが、何度も海外渡航の経験があり、危険な紛争地帯にも行っていた男で、殺され方も滅多打ちだった事から、いろいろな推測がされていました。

滅多打ちだったのは、部屋においてあった彫像のあとが頭部についてしまったからと言う理由。

イタミンの「スパイ絡みとかじゃなかったのかよ。」のような、アホクサみたいな発言にも笑えました。

消えてしまった山原京子は、その目撃者だったのです。

でもそれを通報できなかったのは、彼女が売春をしていたから・・・・ではなく
その彼女を買っていたのが、議員だったからです。

人材派遣会社の別の顔は売春斡旋。後でつかまった会社の女が
「高級よ。」と高級な所を強調するけれど、意味のない事ですよね。

通報しなくちゃと言う彼女を尻目に
「トラブルだ。」と会社に電話をする議員。

「私どうなるの。」と聞く彼女に
「会社に引き渡して、その後は会社が対応する。」と男は応えます。
そんな風に言われたら、怖いですよね。後で殺す気はなかった事は分かりますが、アメリカのドラマだったら彼女の死体が見付かった所から物語が始まっても不思議はないですよね。

彼女が最初にメールでシャメを送っていた所も、なるほどと思いました。

 

でも今回一番気に入ったのは、やよいと京子の出会いとラストです。

ホテルで人と待ち合わせをしていたやよいは、ふとテーブルから何かを落としてしまいます。拾っていた所に通り過ぎようとした京子は彼女とぶつかってしまいます。

ぶつかって蹴られた方のやよいが謝ります。しゃがんでいたからぶつかったのだと思ったから。でも蹴られた方が普通は謝って貰うのが普通ですよね。傲慢な態度が鼻に付く京子です。

でも次に出てきた時には、「さっきは酷い事を。」と態度を一変させるのです。余りにも怪しい態度です。でもやよいは「悪い人じゃないみたいだし。」とメールまで教えてしまうのですよね。

後で京子が供述で「お人好しに見えたし。」と言う言葉があって、まさにと思いました。

でもやよいはお人好し、人が良いと言うのではなくて、心底優しいのですよね。自分が本当に辛い目にあって来たから。

やよいと対面した京子は、やはり高慢な雰囲気。
でもやよいが「怖かったよね。」と彼女の本当の気持ちをわかってあげる言葉を言うと、その高慢な雰囲気を崩して
「ごめんね。ほんとうに。」と謝ったのです。

「ありがとう。」ではなく「ごめんね。」
この「ごめんね。」はあの時の謝罪。

 

上手いよね~、本当に。ジーンときてしまいました。

その後、尊と歩きながら右京がさらにまとめ的な良い事を言ったのだけれど、前のシーンでもう良いやって気がして、余り記憶に残っていません。(ちゃんと聞いていましたよ。^^)

 

と言うわけで、来週ゲストがあの人。きっと歌も歌ってくれるのかしら・・。

 

追記:今回の視聴率は16.5。

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微笑ってイイナ♪

2011-11-16 15:12:17 | テレビ・ラジオ

今日の日テレ、朝から「家政婦のミタ」と藤原竜也君の「カイジ2」シンガポールプレミアの話題で一杯でしたね。

なんとなく近頃テレビで藤原君を見かけると、ブログに何かを書かなくてはならないような強迫観念が生じてきました。習慣化してしまったのでしょうか。まったくねえ、もっとハイレベルな事で習慣化してもらいたいものですよね。一日10分は英語の勉強をしなくちゃ、気持ちが悪いとか・・・。

でも好きな方にエールを送ると言うのも、別に低レベルと言うわけではありませんね。

女は、イヤ女だけじゃなくて、人はいつだって何かにトキメクと言う事が大切なんですものね。

 

このワールドプレミアの事はこちらに詳しく載っています。→『カイジ2』藤原竜也、シンガポールで邦画初プレミアに登場 

プレミアで竜也くん良い事と言うか、興味深い事を言っていますね。リンク先に飛んで読んでもらいたいけれど、ちょっと出来かねると言う人のために・・・
『藤原は「大きな一歩にはならないかもしれないが、『カイジ2』が少しでも元気や勇気をシンガポールの人達に与えられればと思います」と力強く語り、自身の海外で の舞台公演に比べ「演劇では言葉だけでなく肉体も使わなければ海外では伝わりにくい面もあるが、既に完成された映画は作品が一人歩きして海外にも伝わって いくので嬉しい」と話した。』

映画と演劇の違いと言う所がそこにもあるのかもしれないですね。

「ZIP!」ではシンガポール、密着取材と言う事でさいころゲームで金額を決めおもてなしと言うコーナーがありました。

シンガポールの10ドルは日本円にすると600円くらい。さいころで6が出れば結構な金額。

だけど藤原君、見せてくれますよね。

なんたって「1」ですからね。

10ドルゲットですよ。

でもそのお金を使って、水餃子入りの麵やアイスカチャンと言うトロピカルなカキ氷を買い求めました。特にアイスカチャンは凄く気に入ったみたい。「暑いから食べた方が良いよ。」とカメラマンさんの口にも運ぶ竜也くん。

お土産までゲットして、価値のある600円だったかも知れませんね。

印象的だったのは、プレミアに来ていたお客さんたちの笑顔。前の方に来るって言ったら、それなりの努力があったと思うのですよね。凄く嬉しそうに笑っていました。

「キャッ」とか
「キャー」とか言っていたのかも知れません。

私はその人たちの顔を見て、やっぱり笑顔って良いなって思いました。

世の中にはミーハー的ときめきを低く見る傾向の人もいるのかもしれませんが、その方はその方ですね。まあ、時には私も違う事を思う事もあるかもしれないし・・

とにかく、あの瞬間のあの人たちの幸福度はかなりの高さ。
幸せな人の笑顔からちょっとだけ元気をおすそ分けしてもらった朝でした。

 

今日は「相棒」ももちろんありますが、「家政婦のミタ」ですね。
両方とも楽しみです。今季はドラマを楽しんでいます。離脱気味のもありますが、又ドラマのお話もしたいですね。

 

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ベランダ日記

2011-11-15 15:25:06 | お散歩&写真日記

「ベランダ日記」と言いましても、綺麗な花を綺麗に写してアップしている記事ではありません。だいたい一つ前の記事にしても「見たよ」と言う事が言いたくて、ピンボケ写真でも載せているわけですが、画像に拘る人には、なんとなく背中とかがかゆくなってしまうに違いないと思います。

※    ※     ※

結局、「頑張るコスモス」で紹介したコスモスの蕾は、予想通り蕾のままで枯れていきました。
仕方がないですね。10日も放置されていたのに、頑張りましたよ、この花たち。

だけど頑張っていたのはコスモスだけではないんです。

先日も紹介した、ベランダのハイビスカス。この花は咲けばその寿命は短いので、この花は別の花なんです。

そして、ほら。こんなに蕾がいっぱいあるんですよ。このハイビスカスは8月の終わりにバーゲンで買ったんですよ。少し楽しめれば良いかなと思ったんでしょうね。上手くいけば来年に楽しめるかもしれないと思ったのかも。
来年までと言う方が、私には難しい事なのですが。

来年持ち越しといえば、下のベゴニア。
何、この貧弱な花はって思いました?
この画像は、6月20日に撮ったのです。
買い求めたのは昨年のベゴニアが綺麗な季節でした。

家の中に花を入れてあげる場所がなくて、冬が来てもこの花はベランダにそのまま置いてあります。幹に水分が多いので、真冬などは凍って枯れていくのです。私も一年草の感覚でお付き合いをしていました。でも枯れた所を小まめに捨てて、出来るだけ日に当てていましたら、持ちこたえました。

あんまり美人さんに撮ってあげる事が出来なくてごめんね。
今年の夏、ちゃんと復活してくれました。

 

調子に乗って、白いベゴニアも買ったんだけれど上手くいくかなあ。
あれっ、ももち。花を見ているの?

復活といえば、ももちゃんの横にあるのは、カラエンコです。
この花は寒さに強くて、日陰でも良いと言うので、玄関側に置いておいたら、全く駄目であっという間に枯れてしまいました。その中で1本だけひょろひょろと蔓のように伸びたこれを、「ヤバシ」と場所を移動して支柱で支えてみました。あんまり縦に伸びたのでポキリと折れてしまった先も、どうせ駄目だろうと真横に植えておきました。

だけどしっかりと根付きました。
と言っても長い間、ひょろひょろしていましたが。

花の季節には、ほらね、ちゃんと咲いたでしょ。

しかもこの夏、成長しました。

わっさわっさと凄いですね。

そして、又花の季節には楽しませてくれそうです。

花枯らしの名人、緑の指ならぬブラックな指を持つ私ですが、それでもそれなりに頑張っているんですよ。

・・・って、頑張っているのは、私ではなく花たちでしたね。

 

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月と桜

2011-11-14 23:43:30 | お散歩&写真日記

12日、月が綺麗でした。
でも写真を撮ろうとしたら、雲が丁度かかってしまい「雲間の月」になってしまいました。

私は月だけが煌々と輝いているより、雲間の月の方がちょっと好きなんです。その美しさが際立つような気がするのですよ。
なんか人生なんかも、そんなもんかもなあ。

そんな風に思えるのは、きっともっと先。

たぶん、たぶんね。

だけどちょっとこの写真、雲がかかりすぎじゃない。
タイミングが悪かったね。

 

「月と桜」って言ったって、
桜は十月桜です。

毎年、見ていた十月桜。
だけど今年は、とうとう見ることが出来なかったなあ。

 

 

秋の夕方、寂しいですね。

おやっ、あれっ?

散り忘れた桜の花がちらほらと・・・

 

 

 

下のは、かなりピンボケ。

日が落ちる直前の画像なので、お許しあれ。

 

待っていてくれました、十月桜。

 

このページの10月桜の画像は、皆ピンボケですが、リンクした過去の画像はまあまあ綺麗なものもありますよ。10月桜ってどんな花と思われた方は、是非こちらにもお立ち寄りくださいませ。

2010年の十月桜→「10月だと言うのに
2010年はもうひとつ11月11日に「梢は歌う」の方に記事がありました。→「10月桜の今頃は」

2009年の十月桜→「十月桜

2006年の十月桜→ここ

 ←2008年の十月桜
毎年同じだって。だけど何で記事がないのかなと思ったら、携帯で撮って、なんとなく記事にするタイミングを失っていたのかも。

十月桜は、いつも寂しげで・・・

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「Short cut」と三谷幸喜の日

2011-11-13 18:03:41 | テレビ・ラジオ

11月3日のwowowは「三谷幸喜の日」でした。
映画論や舞台のミニ講座を間に挟み、朝から三谷作品の連続放送だったのです。もちろん全作品と言うわけではありませんが見ていない作品もあったので、朝から観ていました。

この記事の前の感想を書いた「ベッチ・パードン」はその中のひとつです。

観てなかった作品に「笑の大学」と言う映画がありました。これ、前から見たかったのですよね。この作品の前にも三谷氏のミニ講座がありました。映画と演劇の違い。
演劇は、お客さんの反応を即受け取ることが出来て、その反応が良いと演じる側もボルテージが上がり思いがけない結果がでると言っていました。凄く分かります、それ。舞台は観客と共に作っていくものなんですよね。

横道に逸れますが、三谷氏の作品ではありませんが、一昨年「黙阿弥オペラ」は東京と山形の二箇所で観ることが出来ました。東京でもみんな笑いましたが、山形と比べると大人しめ。しんみりするシーンではより一層シミジミし涙がこぼれました。ところが山形では爆笑度二倍。いい意味でですが俳優さんたちもリラックスした軽さを見せ、コメディ色が強くなったように感じました。同じ作品なのに違う顔を見せる不思議さが、舞台にはあるのですね。

話を元に戻しますが、映画に先駆けて、舞台の「笑の大学」の一部が流されました。この日のお客さんの反応が頗る良くて、練習の時には思いもよらなかった予想外の良い演技を二人がしたと、三谷さんは言ったのです。この二人と言うのは、西村雅彦さんと近藤芳正さんの事で、12月にやる「90ミニッツ」は「笑の大学」から実に15年ぶりの二人芝居になるというわけなのです。しかも今回は笑いを封印しての緊迫したセリフの応酬劇だそうです。

出来たら、これもいつかwowowでやってもらいたいなあと言うのが本音です。

元に戻した話も、まだ横道に逸れていました。
演劇と映画の違い。
映画は、観る観客の反応を先に予想しながら作るもの。
ここできっと観客が沸くなと、実際には見ていない反応を想像しながら、役者は演じ作り手は作っていくのが映画だと言うもの。

そして同じ作品の映画版の同じシーンが流れました。

西村さんは、観客の沸く声を聞きながらテンションを上げ、観客は西村さんが役の上で想像してみているものを同じように想像して見る。だけど役所さんには観客の声は聞こえない。観客の声を想像しながら演じている。観客は時下には声を届ける事は出来ないが、役所さんが役の上で想像しているものを想像するまでもなく映像で見る事が出来る。

誰が何を想像するのかと言う違いがあるのだなと、二つの映像を見比べて、私はそう感じました。

そして見た「笑の大学」。
期待通りの良い作品でした。でもこの映画の前の一瞬だけ見たお芝居の「笑の大学」の西村雅彦さんと近藤芳正さんのシーンが、頭の中にこびりついて剥がれません。

映画にしても結構評価の高い三谷作品だと思いますが、私は映画より舞台の方が作品との相性が良いのかしらとふと思ってしまいました。彼の作品はセリフの応酬に限りのない魅力があると思うのですね。拾いきれないほど、一つ一つのセリフが生きていて、舞台などを見ていると良いなと感じます。どうも映画の演出も舞台チックな感じがしてしまうのですが、どうなのでしょうか。まあ、一概には言えないかもしれません。シナリオだけの映画など好きな作品が結構ありますから(「マルタイの女」や「竜馬と妻とその夫と愛人」とか)

次に見たのは、やはり未見だった「みんなのいえ」。普通に面白かったです。
だけど、この物語で映画を作ってしまうのかと不思議に感じました。1800円を払ってみた人はどんな感想を持ったんだろうかとちょっとだけ思ってしまいました。

ドラマに関しては、論じられるほどの作品を見ていないように思います。
もちろん大好きな作品は多数です。

「我が家の歴史」なんて大好きです。何回見ても飽きないのです。「新撰組!」の沖田総司最後のシーンは、神がかりな回だったと思います(アレも舞台っぽいよね♪)

もちろん「古畑任三郎」を忘れたわけではありませんが、私が三谷氏の名前を意識したのは「王様のレストラン」だったと思います。

なんて面白い作品を書く人なんだろう。もうこの人が大好き。何だ「古畑」を書いた人だったのか。どうりで面白いと思ったわ。と言う感じです。

でもこの作品を書いているときに、三谷氏は、ある日凄いスランプになり、もう一行も書けない、もうペンを折ろうと言う気持ちになってしまったと言うエピソードを、NHKのトーク番組でも、このWOWOWのミニ講座でも語りました。だけど書けないまま朝が来て、その時テレビで早朝に遣っていたのがNHKの海外ドラマで「ミスター・ビーン」。余りの面白さに声を出して笑ってしまったという三谷氏。
こんな時にも笑ってしまうんだなと、笑いの力を感じたと言うもの。

あのドラマの裏側では、もうひとつのドラマも展開していたのかと思うと感慨の深いものがあります。

 

そしてwowowで放送された「Short cut」は凄いチャレンジであったと思います。
一度もカメラを止めない「完全ワンシーン・ワンカット」。

まるで移動する舞台じゃないですか。

何と言うチャレンジャー。

しかも舞台のように反応は返ってこない・・・
そこの部分は映画と一緒。

作り手の緊張感はハンパではなかったと思います。終わった後、中井貴一氏は、格闘技を終えたような気持ちと言っていましたから。
その気持ち、凄くわかります。物語と解説は、いつまでもその文があるのか分かりませんので、下の方にWOWOWのHPに載っていたものを再掲させていただきました。

物語も面白かったです。
ここまで夫婦として破綻していなくても、ちょっと中弛みの中年夫婦には痛いセリフが多数です。
「あなたは私に興味がないものね。」
「そんな事ないよ。」

興味がないわけではないけれど、都合の良い所しか見ていない。そんな事ありますよね。
森に入っていく前に、夫に分からないようにそっと指輪を外すと言う演出などさりげない気持ちの表現も良かったです。

ヘラヘラしている中井貴一。
人の話を聞かない、ちょっと野生児、鈴木京香。
それから出演者はもう一人、梶原善のみ。
特に中井貴一、鈴木京香、よくやるなあと感心してしまいました。なんたって美男美女なのに・・・・

「ジャンボリ~。じゃんぼり、じゃんぼり~♪あははははははは♪」

もう耳に残ってしまいました。

「こっちの方が近道なのよ。」
入り込んだ森の道は、国道までは結局は近道にはならなかったかもしれませんが、離れてしまった夫婦の距離を縮める事になったと言うお話だったのでしょうか。

時には横道にそれると言う事も大切ですよと言うメッセージもあったかもですね。

 

と言うわけで、「三谷幸喜」の日を堪能させていただきましたが、私は彼の書いた物を読んだ事がないので、今度はそう言う分野も楽しみにしたいかなと思います。新作「清須」もしくは「KIYOSU」はいつ出るのでしょうね。

 

WOWOW,HPから ↓

「一度もカメラを止めない「完全ワンシーン・ワンカット」で制作される三谷幸喜脚本・監督の長編ドラマ。山道に迷い込んだ夫婦が、口げんかをする中で互いを理解していく。

  生誕50周年の「大感謝祭」として意欲的な創作を続ける三谷幸喜の、自身初となるテレビドラマ監督作が登場!なんといっても注目は、その撮影手法だ。長編 ドラマとして前代未聞の「完全ワンシーン・ワンカット」。ドラマの始まりから終わりまで、一度もカメラを止めずに撮影するという画期的な手法に挑む。撮影 場所は険しい山道。そんな過酷な環境で、NGの許されないワンシーン・ワンカットにのぞむのは、実力派俳優の中井貴一、鈴木京香、梶原善の三人。中井と鈴 木が演じる夫婦の会話を通し、笑いとほんのちょっとの涙の中に「夫婦とは何か」「人生とは何か」を問う。

<ストーリー>
男はエリートサラリーマン。女はその妻で広告会社勤務のキャリアウーマン。二人は結婚して10年。お互い仕事が忙しく、すでに夫婦関係は完全に冷め切って いる。妻の祖父の葬儀の帰り、山道に迷い込んだ二人。周囲に誰もいない山奥で、気兼ねなくののしり合う喪服姿の夫婦。果てしない口げんかの末、徐々に二人 の関係に変化が訪れる。」

 

 

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ベッジ・パードン

2011-11-12 15:23:07 | 観劇・コンサート日記

11月3日、WOWOWで観ました。
今年は「生誕50周年スペシャル企画、三谷幸喜大感謝祭」と言う事で、4本の舞台と1本の映画、1本のドラマと小説の新作を発表する事になっていて、この舞台はその3本目。

ちなみにそのラインナップは「ろくでなし啄木「国民の映画」、(この二本は舞台で見ました。一応感想はリンクしておきました。「wowowで『ろくでなし啄木』」)そして、この「ベッチ・パードン」、残りは西村雅彦さんと近藤芳正さんの二人舞台「90ミニッツ」で12月3日からパルコにて公開です。

映画は「素敵な金縛り」で大ヒット公開中ですね。

ドラマは「Short cut」、やはり11月3日にwowowで放映されました。小説は信長の後継者を決める清洲会議を描いた「KIYOSU」で幻冬舎より発売予定。

※    ※     ※

まあ、いろいろあって出かけて行く気力に欠けていた私なので、wowowでやってくれないかなと密かに期待していましたが、その期待に応えていただけました。

これに先駆けて、HNKに出演していた三谷さんのトークに寄れば、この作品は、元々はもっとシリアスに漱石の恋の話を描く予定であったらしいのです。

だけどあの震災。

その前後で上映していたのは「国民の映画」と言うかなり重い作品でした。
今、必要なのは、笑いなんじゃないかなと三谷さんは感じ、そして予定とは反してかなり笑えるシーンがある舞台に変更したと言うものでした。

そうして出来た舞台は、結構楽しいシーンも笑えるシーンもありましたが、実はセリフはシリアス。ラストは泣きました。号泣と言うより、涙がポロポロとこぼれました。

以下はネタバレしています。

 

そのラスト。
―愛した人を結局は裏切った形で別れてしまった。ずっと探していたけれど、噂では無理な生活が祟って死んだと言う。だけど彼女は夢に出てきて、自分の行く道を指し示す。小説家漱石の背中を押し誕生させた。―

もちろんその描かれ方は秀逸で、上記の文のような味気のないものではありません。

だけどこういうシーンを見るたびに、「ファウスト」の
「女性なるもの永遠に我を導くものなり」と言うセリフを思い出します。

女性なるものだけではなくても、縁した人は皆、実は遠まわしでも、自分の背中を押し行く道を指し示していてくれているのかも知れないなと、ふと思ってしまいました。

三谷さんが大好きな女優さんと言うのは、本当に分かりました。深津絵里、見事です。本当に、本当に見事です。
彼女があんなに純で素朴でかわいらしくなかったら、この舞台は成り立ちません。

舞台の上でキラキラが零れ落ちていました。

Hの発音が出来ない下層民育ち。少し頭が悪いような言われ方をしているが、
「あたいは馬鹿じゃない。」と彼女が言うように、ベッチは馬鹿なんかじゃない。

彼女の言う「I beg your pardon?」が「ベッチ・パードン」と聞こえるとの事で、そう漱石に呼ばれたアニーでしたが、
「君とは安心して話せる」と言う漱石に、
「それは、あたいの事を低く見ているからだよ。」と鋭い事を言うのです。

何通も書いた手紙の返事も返ってこなくて、子供が生まれたかどうかの報告もない事から、ロンドンでの漱石の心は孤独。妻との間も冷え切ってしまったと思い込んでいます。そんな中で心を癒すアニーとの関係。
一緒に日本に行って、結婚しようと言いますが、手紙が届かなかったのは同じ下宿人の畑中惣太郎の策略によるものだったことが、最後の方でわかります。

床に散乱した妻からの何通もの手紙を拾いながら、アニーは自らその身を引いていってしまうのでした。

「あたいは馬鹿じゃない。」
そう馬鹿でも愚かでもない。優しすぎるだけ。

 

お金に困った弟のために安酒場で働きだし、その後娼婦にまで身を落としてしまうアニー。
漱石があげた足袋を履いていたと言う噂、死を迎えた救済院では漱石が教えてあげた歌を歌っていたと言うアニー。
彼女が漱石と別れた後も、その思い出を大切にしていたことが分かるエピソードでした。そして何故だか彼女自身は変わらずに最後まで明るかったような気がします。

いつも夢の話をするアニーでしたが、彼女が言うとおり、夢の中の出来事は誰にも否定されず彼女だけのものだったのです。

あわない留学に疲れ、引きこもってしまっていた漱石が夢の中で見たアニーが言った言葉。

「あなただって夢は見れるよ。なぜなら・・・」
この先は言いません。

なぜなら、これは夢だから。
悲しすぎる夢。

だけど、「今度はあなたが夢を語る番が来た。」

もちろんいつもながらセリフは不正確です。ただこのアニーが語るセリフは、アニーが語るアニーではないセリフと言う注文から生まれたセリフだと聞きました。

いわゆる神の啓示のようなもの。
このセリフ、ジーンと来ましたよ。

 

と言うわけで、深津絵里、秀逸。「素敵な金縛り」は、見たかったけれどもう諦めるかなと思い始めていましたが、見たい度がアップしてしまいました。

このお芝居の中ではまだ金之助ですが、主役の漱石に野村萬斎。繊細で神経質、だけどユーモラスな雰囲気を醸し出して好演です。
「TEAM NACS」を離れての客演は初めてと言う大泉洋は畑中惣太郎役。彼は軽いのに存在感のある不思議な人ですね。

最初の方にある彼と金之助との会話が、凄くおかしいのですが、このおかしい所で笑えなければ、その後の展開は辻褄が合わなくなってしまうという大事な役どころです。その後なんて気が付かず、単純に笑わせていただきました。

イギリス人は皆同じ顔に見えるというところから、その他のイギリス人を一手に引き受けたひとり11役の浅野和之には笑えました。

アニーの弟役に「薔薇とサムライ」でかなりのお気に入りの人になった浦井健治。その美声が聞けたのは一箇所だけで、しかもオマケのようなものだったのが、ちょっと残念だったかも知れません。

 

このお芝居、留学先の文豪の恋と言う事で、鴎外の「舞姫」なんかも連想してしまいます。だけどアニーの明るさが、よりいっそう切なさを増し、感動の余韻を残しました。

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相棒ten4話「ライフライン」

2011-11-11 15:50:50 | ドラマ(相棒)

そうすると・・・、保険金はどうなるの?

ッて言うのが、終わった後に真っ先に思った事。

「そりゃ、嘱託殺人だから、駄目だろう。」とだんな。

そうだよね。じゃあ、あの奥さんは、取立ての厳しかった借金先が闇金で、その借金からは逃れたものの、保険金は入らないんだ。
なんだか可哀想だな。夫が死んでもお金の事ばかり言っていた彼女。

尊がその事を責めるように右京に言うと、
「それだけ苦しめられてきたんでしょう。」と理解を示す。

でも保険金が入らなかったら、夫は死に損だなと思ってしまった私。

被害者も、その妻も可哀想。事件が解決され、闇金も摘発され、助かったと思う人もたくさんいただろう。でも後味が悪い。

・・・・・・。

だけど時間が空いたら、それは違うんじゃないかなと思いました。
イヤ、保険会社はヤンヤと言うでしょう。

でも「殺してくれ。」は気まぐれに言った独り言的なもの、もしくは単なる弱音だったかも知れないじゃないですか。
もちろん、このドラマを見ている限りではそうじゃない事は分かります。
でもこの事件が起きたときの事を語ることが出来るのは加害者のみなんですから、真実のニュアンスなんて幾らでも変わると思います。

裁判の時に心証の問題で、加害者側は頼まれた事を強調してくるに違いありませんが、被害者側としては、そこの部分は争いたい部分ではないかと思いました。

 

と上記の感想は、全くドラマ「相棒」には描かれていない部分ですが、そんな事を思わず考えてしまう内容だったように思います。

作者の意図する所とは違って。

 

今週のお話も、重い内容でした。

「・・・ライン」シリーズ、第二弾と言うところでしょうか。好きな方は、こういう物語を重厚とか深いと評価するのかも知れませんが、私はもう良いです。この良いですは結構ですと言う意味です。結構ですはo.kという意味ではありません・・・オイオイ

お話の展開は流石に上手いなと思いました。犯人はなんとなく分かったような気がしてしまいましたが、流れるようにラストまで、しかも思いがけない展開まで用意され物語も膨らみました。
だけどとにかく、好きじゃないのです。
正確に言うと「もう、好きじゃない。」と言うべきなのかもしれません。

シーズン9の時に、その理由は結構述べました。

2011年はみんなにとって、いろいろな立場で苦しい年ではなかったかと思います。そんな時代に苦しくて苦しくて、それゆえに起きてしまった社会の歪的な犯罪ドラマを「今は」望んでいないのです。

信じられない事だけど、毎日気持ちの悪いような犯罪は起きていて、その犯罪のほとんどはエゴだったりするわけです。やっぱり二人にはそのエゴと戦ってスカッとさせて貰いたいのですよね。

 

「相棒」スタッフのツイッターが、ラインシリーズでいろいろ案が出たと言っていました。「コーラスライン」はないなって言っていましたが、そのぐらいのぶっ飛んだものを是非お願いしたいものです。

 

ちなみに視聴率は、17.0でしたね。

 

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「カイジ2」は見ましたよ♪

2011-11-10 11:04:35 | 映画

「カイジ2~人生奪回ゲーム~」の感想を書きました。
最初に、映画ブログ「近未来二番館」のお知らせです。
「カイジ2~人生奪回ゲーム~」の感想は→こちら

ついでのような書き方ですが、その前に「一命」の感想も書きました。その感想は→こちらです。

先日の、「お試しかっ!」も見ましたよ。
この番組、毎週見ているのに、その日の朝まで出演する事を知らなかったんですよ。
いつもどおりチャンネルを合わせた夫が、
「おやっ?藤原竜也が出るよ。これはファンとしては見ないわけには行かないね。」って私に言いました。

ここの所、夜の出演はほぼ全滅だったので、思いがけなくいつも見ている番組に出てくれたのは嬉しかったです。

だけど何で「帰れまten」だったかと言うと、ハウスのレトルト食品で、なんで今日はこれなのかとちょっと思ってしまいました。でも川越シェフがそのレトルト食品を使った応用も披露してくれて嬉しかったです。

全部メモして置けば良かったです。ほとんどが記憶の彼方に行ってしまったような気もしますが、ハヤシライスのレトルトを使って、煮混みハンバーグなんかいいなと思いました。

3時間で帰るって宣言したけれど、「帰れまten」はそうは甘くないですよね。後一品が開かなくて、かなりの時間延長。でも早い方だと思いました。カレーなんかの食べ比べも出来て、それはそれでおもしろかったかも知れませんね。

3時間のタイムトライアルは失敗だったけれど、しょっぱな1位を当てた所は花がありましたね。

この番組の後、凄くカレーが食べたくなってしまいました♪

 

映画のお話に戻りますが、
映画のカイジは面白かったですよ。原作を読んでいると、時々偉そうに言っていますが、私が読んだのはこの沼篇までです。だからこの後の原作のことは知らないので言えないのですが、読んだ沼篇までは本当に面白いですよ。と、ここで本の画像でも張っておこうと思ったら、なんと藤原竜也君が表紙に載っている「カイジ本」があるじゃないですか。

賭博破戒録カイジ 人喰いパチンコ1 1000倍台”沼”編 アンコール刊行!!! (講談社プラチナコミックス)
福本 伸行
講談社

amazonのカイジのコーナーをなんとなくカチカチやっていたら、下の「人生を逆転する名言集」なんていう本もありました。「カイジ」は結構セリフに惹かれるものがありますものね。「カイジ1」の時に、利根川は船に集まったクズの皆さんに言ったのに、観客まで引き込まれていたなんて事がありましたよね。

 

人生を逆転する名言集
福本伸行著・橋富 政彦・監修
竹書房

 

「カイジ2」の予告編を見るたびにワクワクしていました。そのワクワク感の大きな力になっていたのは音楽の力にもよるところがあったように思います。ワクワクさせる音楽って、映画には重要な要ですよね。

 

映画 カイジ2 人生奪回ゲーム オリジナル・サウンドトラック
バップ
バップ

 

最近、映画館で「おかえり、はやぶさ」の予告が入るようになりました。
この予告編もワクワクします。

今度は宇宙の映像にでしょうか。

ポスターも完成されたみたいで、その映画はファミリーで楽しめるものになりそうです。3Dなのでプラネタリウム状態になる模様。なんかそれ良いですね。

それの記事は→こちらに

 

「カイジ ~人生逆転ゲーム~」の感想は→こちら

「カイジー賭博黙示録」漫画の感想は→こちら


 

 

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The 入院 <お大事に♪>

2011-11-07 16:35:04 | 梢は歌う(日記)

その人の苦しみは、その人にしか分からない。
ただ、その事を一番知らなければならないのは、その本人だと思う。

 

The 入院<病院に朝が来て>

The 入院<昼間の時間はあっという間に過ぎていく>

The 入院 <そして長い夜が来る>

の続きです。

 

※     ※      ※   

考えてみると、今回の入院体験は平凡の中に隠れているドラマ性に満ちた内容だったように思います。書いていませんが、思わず泣いてしまった老夫婦の会話や、内科の先生の暴言も含めて、なかなかの物語が作れるような体験でした。その発想で行くと、実はその物語をさらに面白くしてくださった方が「妖怪小銭数えお婆」様だったように思います。イヤ、この人がいなければ物語としては成り立ちませんよ、きっと。

今更ながら、この体験記、小説風に書けば良かったかしら。登場人物は実在の人物ではありませんとかすっ呆けながら・・・

※    ※      ※

部屋を移った時に、軽い病気ではない人たちなのに、なんとなく明るい雰囲気が漂っていたその大部屋で、その人は一人本当に重症なのかと私は思ってしまいました。
なぜなら少しだけ空いているカーテンの隙間から見えてしまう彼女の姿は常に寝っぱなし。お隣だし、静かにしなくちゃなと思いました。でも、明日退院すると言う人は遠慮するでもなく大きな声で話すし、看護婦さんたちにも緊張した雰囲気もないし。だいたい緊張するほどの病状ならこんな大部屋にはいない筈。
看護師さんたちの検温の時には
「なんか調子が悪いの。」と訴えていて、一人回復に向かう途中の苦しみに耐えているのかと思いました。

その人の苦しみは、その人にしか分からないのです。
やっぱり静かにしていてあげようと思いました。

親しくなった退院する人がその日の朝、彼女に声を掛けていました。

なんたってカーテン一枚の壁ですので、なんでも丸聞こえです。
激励の励ましかと思って聞いていたら、どうも言葉もキツイ・・・
これは激励のお叱り・・・か。
「あなたの方が先に退院すると思っていたのよ。こんな風に寝っぱなしじゃ、ますます起きてられなくなるのよ。毎日少しずつ歩いて・・・」などなど。

私は本を読みながら、この人たちは一緒に励ましあった戦友みたいな者なのかなと思いました。

だけどその次に言った彼女の言葉を聞いて、思わず読んでいた本から目が離れてしまいました。

彼女はいきなり「おめでとう。じゃあね。」と言ったのです。

どう言う返事なの。これでは、煩いな、さっさと消えなよと言ってるようなものじゃないのか。思ったとおり、声を掛けていた人は次の言葉が繋げません。諦めて退場です。

なんだか苦手な人の予感・・・。

その後、その人の息子と言う人がやって来て・・・・

 

カーテン1枚の壁では丸聞こえと言いましたが、もちろん私と夫の漫才トークも丸聞こえです。それで良いのです。聞かれて困る事や見舞いに来てくれた姉妹とのお気楽トークでも聞かせたくない事はそこで話してはいけないのがルールです。聞きたくなくても聞こえてしまうのですから。(ちなみに何故姉妹トークを聞かせられないかと言うと、お互いの体重暴露とか、最近綺麗になったねと言う家族馬鹿トークとか、私が作った点滴コントの実演とか・・・)

それでも私、他の人の家族が来た時には部屋を出て電話を掛けに行ったり、ヘッドホンをしてテレビを見たり寝てしまったりしていました。ただでさえいろいろな所でお話を拾ってしまう私なのに、特に苦手そうな隣の方に興味がなかったので、聞きたくなかったというのが本音です。でもヘッドホンをしてテレビを見ていたのに聞こえてしまいました。最初の1分。その後お昼寝をして、余りのバタバタした雰囲気に目覚めて残り2分。

でもワタクシ、分かってしまいました。なんたって、途中から見ても5分でそれまでのストーリーが、もしくは犯人まで分かってしまう二時間サスペンス育ちですから。(どんな育ち?)

この人は、きっと大変な理由で入院したのだと思います。でもそこは治ってしまっているのです。「しまっている」と言うのは変ですが、この人から言わせれば、まさにそうなのですよ。そこの部分に自分で気がついていないのです。治っているので退院間近です。でも寝っぱなしなのでリハビリが上手くできていなくて、退院しても生活が大変そうです。それで周りが焦っているのです。

 

だから寝っぱなしのその人に気を使って、静かにしようとする人はいなかったと言う訳なのですね。

その後リハビリの先生がその部屋を訪れました。優しく世間話などをして心もほぐします。そこで彼女が鼻にかかった声でいろいろ話すのです。そこでさっき来た息子の年齢とかが分かりました。今思うと、なんだか歳も私に近かったのかも。もっと年配の人のイメージでずっといましたから。

この人の真夜中のナースコールには、本当に泣かされました。叫ぶし大騒ぎするし、看護師の話は聞いていないし、隣近所の気遣いなんか皆無だし。

だけど小説風と言う形を取っていないので、息子さんの会話・リハビリの先生との会話などを詳しく書く事は出来ないなと微妙な兼ね合いを思案している中、大切な事を思い出しました。そうでした。この人を弾劾しようと思って書き始めたのではなかったのです。この人から学ぶことがあったので、そこを書こうと思ったのでした。それは特にこの人が真夜中に大騒ぎをした「眩暈について」です。

本当はこの人にも教えてあげたかったのですが直に「じゃあね。」と言われそうなので、言えなかった眩暈のお話。

でもこの「眩暈について」も「病院とパソコン」と言うテーマと共に、「次回」と言うか「そのうち」に持ち越しにしたいかなと思いました。自分の経験も含めてちゃんと書いておきたいと思ったからです。その時又、この隣の奥様登場は止むを得ない事ですね。

 

しかし病院では、本当に余り寝る事はできませんでした。

夜は就寝が早すぎて眠れないし、朝は4時半ぐらいに普通に起きてしまうし、いつもどおりお昼寝は15分位で目が覚めちゃうし。夜、ようやく眠った頃看護師さんの見回りとかお隣さんのナースコールで起こされちゃうし・・・

だけど私自身も突然の坐骨神経通なるものに悩まされました。真夜中に一人で足を摩っているのもつまらなくて、隣のオバサン、なんか叫ばないかな~と耳を澄ませばスゥスゥと言う寝息ばかりが聞こえてきて、上手くいかないものだなあと思ったものです。

 

とにかく私の入院体験記、彼女の話をスルーするわけには行きません。

 

退院前日、神経痛の痛み止めが効いていて足もO.K、腹部のわずらわしさ(ちょっとそれなりの事はあったのですよ)も治って、今日ぐらいゆっくりしようと、早めにテレビも消して目を瞑りました。でもやっぱり10時じゃ眠れませんよね。10時半11時と時間が過ぎて、ようやくウトウトしかかった時に、ジャリッと音がしたのです。

「ハッ!」と驚いて目が覚めてしまいました。

なあに?

妖怪小豆砥ぎとか・・?

そうではありませんでした。お隣のオバサンが、ジャラジャラと小銭を数えている音だったのです。

実は彼女も退院前日。

そう、同じ日に退院だったのですよ。でも彼女は昼間はいつもどおりに寝っぱなし。いろいろやる事があると思うのだけれどなと思っていたのです。

今から明日の準備なの?

だって12時回ってるよ。しかも、なぜ、なぜに今、小銭を音を立てて数えなくちゃならないわけ!?

ジャラジャラ、ジャラジャラ、・・・・

―あああ、もおおぉぉぉ、やっっだあ!!

この妖怪小銭数えお婆め!―

と言うわけで、この名前が誕生したのですよ。

でもまあ良いや、どうでも・・・。

と言うわけで、睡眠二回戦。

「いたああいいい!」と言う真夜中の叫び。

うわっ、何事?

ああ、隣の妖怪か。その時はオバサンから妖怪に昇格。この人はいつも大きな声。まるで昼間のように。

人が痛いと言ってるのに、同情はないのかって。ないよ、そんなもん。ここは病院で、みんな痛いし苦しくて、みんな不安で怖くて憂鬱で、だけどみんな頑張っているんだよ。叫ぶな、煩い。

腰が痛いんだってサ。

呼び出された看護師さんは、本当に何もすることが出来なくて、摩ってあげながら慰めるだけ。しかもこの人の声にあわせて、看護師さんも普通の声。これも、おかしいよ。

おばあちゃんたちの「お姉さん、トイレに行かせて。」と言う発言とは違うのだから、「音」として捉えることもできないし、
「ハアハア、く、苦しい。息が出来ないわ。」とか言うのじゃないんだから、病状によっては声を落とせよって、私、本当にそう思いました。

看護師さんが、少し横にならないで起きていようと言いました。そう、原因は分かってるんですよ。眩暈の時も腰痛も、みんなが起きて起きてと繰り返して言ってるのに、この人はぜんぜん言う事を聞かないんだもの。

もう退院だよ。帰ったら少し散歩しようねと看護婦さんが言っています。昼間と同じ大きい声で・・・くっ、

 

そして私は3時半から一睡も出来ず。
朝が来た時、本当に嬉しかったです。だけど目はショボショボ、頭の脳天はクラクラ。やたら早く顔を洗っていたら、看護師さんが検温に来ました。だけどこの人は今日退院で、問題ないなと思ったのか、私はパス。なんか気に入らない。

「変わりないですか?」と看護師さんが洗面所に立っている私についでのように聞きました。

大島弓子の漫画風に描けば・・・

「寝不足よ!この妖怪銭数えお婆が夜中に小銭数えるし、その後叫ぶし、ぜんぜん寝ていないわ!」と叫ぶ絵。だけど、顔では澄まして
「別に」と応える絵。

まあ、そのままです。

 

本当はこの人、退院時にも大騒ぎの続きがあります。でもそこは私には関係ない所なので書くわけにもいかないのですよね。

 

最後のジャラジャラには本当に腹が立ったけれど、上に書いたとおり「THE 入院」と言うドラマだったら、彼女が準主役です。いなかったらドラマが成り立ちません。書かなかった部分も含めて面白い人だったのです、・・・今思うと。

 

「家政婦のミタ」ではなく「家政婦は見た」並みの気持ちに思わずなっていた私は、その後の展開が気になってはいたものの、まさかその展開を見届けるわけにもいかず、病院から退場です。

心の中で「お大事に」と言いました。と、その時子供の時に聞いたひとつ前の記事で書いた、あの話を思い出したのです。

「お大事にと言うと、病気を大事にするやつがいる。」と言うアレ。

私はふと、お医者様でも草津の湯でも治せないのは恋の病ばかりではなく、その人の『心根』なるものではないのかなと思いました。

 

家に帰って、お昼寝と言うわけにはいかず、むしろ私、張り切ってしまいました。お掃除して、ご飯を作って、そんな何でもない事が楽しくて。そして夜はぐっすり眠りました。

そうなるんじゃないかなと予想していた通り、足がちぎれるように痛かった坐骨神経痛はあっという間に治ってしまいました。

やっぱり~、おウチが一番一番・・・・♪

 

※     ※     ※

この記事の中で「考えてみると」「今思うと」と言う言葉を使っていますが、本当は病院にいるときからわかっていたことがあるのです。あの人は家に帰っても一人。優しい息子さんがいて、その子の会話から近くに来てくれる日も近いような感じです。でも今は一人で、原因が何処にあるかは自分でも気が付いていなくても、調子がなんとなく悪くて腰も痛くて、そして気力もないのです。ここにいれば、そして辛さを訴えていれば、みんなが親切です。上げ膳据え膳だし、帰りたくないよね。

友達になったって、煩そうな顔をされちゃいそうだから言わなかったと思うけれど、

「ふん!」って強気で生きていこうよ!!

 

 

いつか病気の事も書く日が来るかもしれません。癌ではないので安心してください。この体験記も一応終わりです。でも、又入院と言う体験をしてしまう可能性もなきしもあらず。「体験記2」がないように努力している所です。
最後まで読んでくださってありがとうございます。

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The 入院 <そして長い夜が来る>

2011-11-06 08:35:09 | 梢は歌う(日記)

The 入院<病院に朝が来て>

The 入院<昼間の時間はあっという間に過ぎていく>

の続きです。

※       ※       ※   

友人に
「入院生活はどうだった?」と聞かれたら、普通は真っ先に、
「6日間絶食だった。でも点滴で栄養剤を入れているので、不思議なほど飢餓感がなかったのよ。しかもその栄養剤が良すぎて、余り痩せもしなかったのよね、がっかりな事に。」と、この事を言いそうなものです。

そうなんです。先生は最初3日、お食事はナシと言ったのですが、その後の採血での結果が良くなくて、結局6日間も食事がなかったのです。

こんな経験は初めてだったので、驚きはしましたが、上にも書いた通り辛くもなかったのです。しかも食べていないのだから痩せるだろうと思っていましたが、大した事はなかったのですよ。逆に体重を増やす人も居るそうです。恐るべし、栄養剤ですね。
私の場合は2キロは痩せましたよ。でもその半分は検査日前の検査食のお陰なんじゃないかなと思います。

でも病院に居て、食べていないから痩せると理由が分かっているのは、私的にも安心でした。その前から、何の努力もしていないのに、100,200と減り始めていたのです。

太っているんだから、痩せれば嬉しいだろうと言うものではないのですね。

「何の努力もしていないのに」と言う所が、怖いしイヤなのですよね。

入院の前と後で5kほど痩せたような気がします。今年のダイエット目標は思いがけずクリアしてしまいました。名付けて「病気ダイエット」。あんまりかっこ良くはない。

夫殿は時々、気合を入れてダイエットしない私に嫌味っぽいことを言うことがありました。と言っても大した事ではないのですが、彼は彼なりに私の健康を気遣ってくれているのです。分かっているのだけれど、子供と同じで上手く言っていない事をヤンヤと言われると、非常にうっとおしく感じるものなのです。

「るさいな  どうせ病気になって死んでいく時に痩せるんだから それまでほっとっいて

「いいや、ママの場合は怪しい。病気になっても痩せないでそのままブヒーと死んでいくような気がする。」

もちろん、死に至る病ではありませんが、夫殿よ、病気でちゃんと痩せたぞよ。

<注:だからと言って、悲しい事にdebuを廃業したわけではない>

 

 

だけど「入院生活はどうだった。」と聞かれると、この6日間の絶食&病気ダイエットの話よりも、思わず私は「妖怪小銭数えお婆」の話をどうしてもしてしまいます。

もちろんそんな妖怪はいません。私が名付けたのです。「まったく、もう」と言う意味を込めて。

 

子供の時に、ある人が
「世の中には病気の時に『お大事に』と言うと、一生懸命に病気を大事にするやつがいる。」と言ったのを聞きました。
この人は、上手い事を言うなと思いました。でもそれが具体的にどういう状態を指すのかはよく分かっていなかったと思います。

ところが大人になってみると、自分の病気を大事にして常に調子が悪いと訴えている人がいることを知りました。
こんな風に書くと、その人は本当に調子が悪いのだから、そんな風に言ってはいけないと思う人もいると思います。でもこれは本当に、私が痛い目にあった過去の出来事です。何故痛い目にあうのかと言えば、負のオーラは伝染するのです。簡単には語れません。

 

最初、寝たきりばかりのおばあさんたちしかいない病室しか空いていませんでしたのでその部屋に入りました。
すると翌朝、看護師さんに
「この部屋でごめんね。」とさりげなく謝られてしまいました。
謝られて私はちょっと驚きましたが、たぶんこの部屋は夜中が煩いので、そのことを言っているんだなと推理しました。何が煩いのかと言うと、真夜中のオムツ替えやトイレのお手伝いで聞こえてくる声です。真夜中の4分の1はそんな声が聞こえていたような気がします。そしてその後はすっかり目が覚めてしまったりもしたのですが、スマホで音楽とかを聴いて、又うとうと寝始めると、又明け方同じような事が繰り返されるのでした。

確かに目は覚めてしまいました。でもここはホテルではないのですから、そう言うお世話の声、トイレに行きたいから手伝って欲しいと言う声は、当然の「音」であり、私にしてみれば風の音と同じです。全く気になりませんでした。

 

だけど午後から部屋が変わりました。

お部屋が変わったら、確かに良いことがありました。話すお友達が出来たのです。
一人は明日退院していくと言う人で、彼女の体験談にはしみじみするものがありました。

3ヶ月の長きに渡っての入院生活で、かなり良くなった時に勧められて姪の結婚式出席の為に一時帰宅をしたのだそうです。その時一人暮らしの部屋の時間は止まっていたと感じたと言うもの。
「時間が止まるって言うのは、こういうことを言うんだって思ったの。」

壁にかかっていた7月のカレンダーがそのままで、季節は秋だと言うのにその部屋の中だけは夏のまま。

その方は手術の後1ヶ月お食事がなかったのだとか。その話も、私には驚きでした。

そんな彼女も明日退院で、入院生活に不慣れな私は、疑問に思っていた看護師さんには聞き辛いことなどを、いろいろ彼女に教えて貰いました。たった一日の友人でしたが、住所交換なんかもさせていただきました。

私は前向きで頑張っている人が好きなのです。

彼女が退院していって入って来た方は、私と同じ年。おしゃべりも弾みました。
実は彼女の治療は抗がん剤の点滴治療で、ちょっと辛い内容でした。
昼間は気も紛れる事もあったのですが
「夜が長いよね。」と言う私の言葉の意味が、彼女は凄く分かっている人だと思いました。

長い夜、その時みんな一人ひとりに戻って自分と自分の病気と、その苦しみと向き合わなければならないのです。

実際に彼女のうめき声が聞こえてきました。

だけどどうしてあげる事も出来ないのです。でも苦しさのピークが過ぎた頃には、一緒に院内散歩を楽しみました。ご一緒なので、後1周頑張ろうかなどと言い合って、以前からの友人みたいでしたよ。

 

こんな風に良い出会いがあったのは幸いな事だと思います。
kiriyさん、気さくな人だからと思うでしょう。でも本来はそう言う人ではないんです。何とはなしに猫型と言うか、心を許してる人たちとは長く付き合うけれど、初対面&行きずりの人は苦手な方なんです。だけどもしかしたら、私も歳を取って少しずつ変わってきているのかも知れません。昨年の山形旅行一人旅の時に、意外と見知らぬ人と話すチャンスがあり、そんな風に感じたのです。

 

だけど、そんな私が声も掛けなかった方が先の述べた「妖怪小銭数えお婆」と言う失礼なお名前を差し上げてしまった人なのです。

ただでさえ長い夜を更に長くしてくださった彼女。

ちょっとこの記事自体も長くなってしまったので、次回に続きます。

 

<最近、買い物ついでに『一命』を見に行ったり、昨日も初日に『カイジ2』を見に行ったり、wowowで『ベッジ・パードン』を見たりで書きたい感想が溜まりまくりです。こういう時はいつもざっくり書けなかったとなるのが今までの私。でも3作とも傑作でタイミングがずれても、そのうちアップする予定です。日常生活では驚く事に編み物なんて始めました。網目ぐちゃぐちゃ。だって何年ぶり?結構自己満足で楽しんでいます。ハロウィーンの時には、卒業していった子供が二人、高校の制服で訪ねてきたりとか、退院早々、お仕事が1件増えたとか、私の毎日は『THE 日常』。>

 

 

 

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