森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

散文詩を考えていた。

2017-04-17 17:01:01 | 詩、小説

こんなに連投しても、読んでくださる方がいるかどうかは別の話ですね。特に次の話などは「皆様、どうぞ」と言うお話ではないかもしれません。だけど良かったら読んでね。

近頃ある事に気を取られると、もう一つの事を忘れると書きましたが、好きなラジオを聴くのを忘れてしまったそのある事って言うのが・・・・・なんか「なーんだ」とか言われそうなんだけれど、「散文詩」って人に教えるのが難しいよねって言う事なんです。

詩の形を教えるのに「自由詩」と「定型詩」と「散文詩」と言うのがあるのですが、前二つは良いとして、「散文詩」って説明が難しくないですか。

「普通の文章の形を成している中身は詩」ってやつですよ。

もしも私が説明を受ける側だったら、いや、する側であっても「じゃあ、詩の定義って何だろう。」ってなりませんか。

 

それにやっぱり教科書と言うのは、教える教材なんだから自由詩ばっかり載せていないで「文語定型詩」って言うのも「散文詩」って言うのも、例として載せて欲しいと思いますよ。

確か15年ぐらい前には「口語定型詩」と言うのが一度載っていたような気がします。「散文詩」は私が高校生の頃、自分の教科書で見たような気がします。

散文詩って言ったら、やっぱりボードレールかしら。

巴里の憂鬱 (新潮文庫)
三好 達治
新潮社

ついていけるかどうかは分からない事ですが、学ぶと言う意味では読んでみるのが良いのかも知れませんね。

 

なんか良く分かりもしないのに、ちょっと作ってみました。

何かを間違えているかもしれませんが、一応ね 💦

 

                   なにいろ

風が吹いてね、ピンクの色がパッと飛び散ると、その後に緑の世界が広がるんだよ。新緑の世界は次の世界を思わせる。

だから僕は、そこに未来が見えるような気がするんだ。それはきっと明るい未来なんだ。そんな気がするんだよ。

色は不思議だね。元気を思わせる菜の花の黄色が、僕には悲しく見えるんだ。きっとあの明るさに隠された影を感じてしまうからなんだろうか。

ねえ、君。君はどう思う。すると彼女は、もうピンクの口紅は似合わなくなってしまった。私にはピンク色が悲しい色なのと言ったんだ。

時間と言う風が吹いて来て、彼女の中からピンクを奪ってしまったなら、次にはどんな色が広がるのだろうか。

彼女の未来は何色なのか。返す言葉も見つからなくてふたりでとぼとぼと歩く道。

空は真っ青だ。何も考えるなと空に言われているような気がするぐらい真っ青だ。

だから僕は言ったんだ。

最後は二人で真っ白になればいいじゃないってね。

 

 

※  さあ、5時です。ごはんを作ってバイトのお時間。足が痛いので引きずって行きます。

たぶんまた夜に出てきます。

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夜のコスモス

2016-10-08 01:00:01 | 詩、小説

一生懸命やった努力が、ちっとも報われたように思えない時、

そんな時はいくらだってあるものさ。

 

ちょっと誰かに愚痴ってみたくて

言い訳の言葉を重ねて

余計に惨めな気持ちにもなったりするもんだ。

 

仕事の帰り道、

虫たちの声が美しく澄んでいるので

思わず耳を澄ましゆっくりと歩きたくなる公園の傍らを過ぎる時

コスモスたちのシルエットが目に映る。

 

凛と天に伸びたその姿は

なんて美しいのだろう。

光に代わって闇の時間になろうとも

同じように咲いている夜のコスモス。

 

ただひたすらひたむきに鳴いている虫たちは

私はここにいるのだと

共に生きるものへのメッセージを歌っているんだろう。

 

ああ、お前たち

ありがとう。

 

堂々と生きて行こう。

そんな平易な言葉が浮かんできたよ。

 

天に向かって咲くコスモスと

地で歌う虫たちの声を聴きながら

夜道を歩いて帰ります。

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日記、

2016-10-01 00:49:26 | 詩、小説

朝起きて、そしてまた夜がやってくる。

その繰り返しはまるで海の波のようじゃないか。

 

若い時にはその繰り返しが単調だと罪のようにも感じたりもするもんだ。

だけど人生の下り坂をとっととと下り始めてみると

その単調な繰り返しが愛おしい。

 

誰が波の音を罪の音だと言うのか。

変わらずにさす日の光を退屈だと言うのだろうか。

 

だけど本当は

同じように繰り返されているように感じる毎日に

同じ日はないのだ。

 

今日と言う日をちゃんと見たのか。

今日と言う日をちゃんと聞けたのか。

今日と言う日をちゃんと感じる事が出来たのか。

 

夜の静かと言う音に

耳を澄ましなら

私は目をつむって考えているところ。

 

 

 ※            ※          ※

さすがに昨日は疲れました。妹の家の引っ越しのお手伝いに行ったからです。動いている時は良いのですが、座るとね・・・・・。

その前の日はバイト先の雇い主様とのお食事会。

疲れたり緊張もしたりしますが、楽しい毎日です。

         

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TREES

2015-11-28 14:01:22 | 詩、小説

TREES

街には枯葉が舞っている頃
君はコートの襟を立てて  凍えながら歩いている

君は泣きながら
ベッドで体丸めて眠りに付く

 

想いを飛ばして
僕達に会いにおいで

僕達は変わらずに
ここにいるよ

 

砂粒のように舞う人々のざわめきは
心にぶつかっては削っていく

街には人間が溢れかえっていると言うのに
誰もが通り過ぎていくだけ

ひとりだ、ひとりだ、たった一人だ
そう街は歌う
君の心を伴奏にして

 

想いを飛ばして
僕達に会いにおいで

僕達は変わらずに
ここにいるよ

 

凛と背筋を伸ばしてさ
かいなを天に向けて
日の光を浴びながら
ここにいる

風に吹かれて
ここにいる

積もる雪の重さに耐えながら
ここにいる

 

 二十歳の頃、書いた詩です。

 

エッセイではありませんが、押してくださると嬉しく思います。いつもありがとう。

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なぜそんな昔の記事を載せたかには、少々意味があるのですが、それは次の記事で「ああ、そうか。」と分かる事になっています。

と言っても、別に社会的に意味のあることではなく、あくまで私的文章で大したことはないので、このような思わせぶりで申し訳なく思います^^

 

 

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ベンチ

2015-11-25 00:34:20 | 詩、小説

 

ちょっと失礼

そこ空いていますか

 

そんな挨拶などないままに

いつの間にか

私の隣に座って

そしてまた

いつの間にか去って行く

 

ちょっと失礼

そこ空いていますか

 

いいえと言ったら

ポツンと一人

どうぞと言ったら

お友達になれたかも

 

いろんな人がやって来て

いろんな人が去って行く

 

私はずっとここにいて

過ぎていく季節を

眺めてる

 

 

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雨の雫

2015-11-22 13:15:33 | 詩、小説

 

雨の雫は空から落ちてくる小さな球体

加速して針のように変化する

 

突然の雨に

街が攻撃されている

 

寂しい人に突き刺さる

悲しい人にも突き刺さる

 

寂しい人は寂しさが増し

悲しい人には悲しみが増す

 

静かな雨の攻撃

 

ああ、遠くで風の音がしているな。

 

 

 

 

 

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気まぐれに

2015-10-05 23:54:26 | 詩、小説

さやさやと木々は歌う

さらさらと枯葉が舞っている

 

気まぐれに

通り過ぎる風が

私に問う

 

あなたの秋の準備はいかが。

 

さやさやと木々は歌う

さらさらと枯葉が舞っている

 

気まぐれに

過ぎていく雲は

私に問う

 

その道はどこまで続いているの。

 

さやさやと木々は歌う

さらさらと枯葉が舞っている

 

 

10月4日5日と日光にお出掛けしていました。たった二日のお出掛けでも、かなりの充電タイムになりました。

明日からしばらく、そのご報告をしたいと思います。

 

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『僕の秘密』

2014-07-10 23:33:27 | 詩、小説

「ねえ、ママ。あのねえ。」と涼太が言った。

 

「なあに。」と、優しげに微笑んで私は答える。

だけど声は冷たい氷のようだと感じていた。微笑みも作られたようなこわばった顔だと思った。

 

 

 

  しとしとと雨が降っていた。狭いアパートの一室で三歳の子供とずっと二人でいるのが憂鬱だった。夫の文繁はいつも帰りが遅い。

 

 

―仕事だよ。付き合いだよ。男には必要だろ。―

結局彼は、なんだかんだといって独身の頃と大して変わらない生活を送っている。

 

―変わったさ。お前達を食わせているじゃないか。―

 

食わせてもらっているんだ、私たちは・・・

 

  確かに彼は自分が稼いできたお金の一部を私に渡す。それはほんの一部。彼は豊かで、私は同じ家の中にいながら結婚するまでは感じたことのなかった貧しさと言う事 を経験させられている。何だか、彼といると自分がなんの力もない能無しのように思えてくる。どうして、あんな男を愛したの。今も愛していると言うの。いつも私は自分に問いかけている。

 

文繁は私を鎖で繋いだと思っているのだ。子供と言う鎖。

女は産んだ子供を無条件で愛する生き物なのだと、男たちは勘違いをしているのだ。その勘違いが、様々な悲劇を生んでいることもあると言うのに。

 

その男を愛していなかったら、その男の子供も憎く感じる時もある。そんな気持ちを文繁は、たぶん理解できないに違いない。文繁ばかりではない。他の多くの男達や幸せな母達、または何事も理性が優先する利口な女達だって同じ事だ。

 

私の心はしとしと降る雨に閉じ込められた何かの塊みたいだ。黒く醜い塊だ。

 

「涼太。」と、私は呼びかける。

「パパねえ、今日も遅くなってお泊りだって。だから、夜ご飯はコンビニのお弁当にしよう。」

「うん、いいよ。僕、お弁当好きだし。」

 

そして二人で雨の中を歩いてコンビニへ買い物に出かけた。文繁は、今日はマージャンの約束があると言っていた。帰りは遅くなるのでカプセルホテルに泊まるのだ。

―そんなものばっかり買ったりしているから、やった金がなくなるんだ。俺は知らないよ。―

傍にいない冷たい男の声が聞こえてくる。

やっぱり私は、何かに縛られているんだろうか。

 

少し行くと、いつものコンビニへの道の途中、ガードマンの初老の男が立っていた。

「今日はこの道、歩行者も通れないんです。すみませんが、回ってください。」

そう男は言って、涼太に小さく手を振った。

 

  コンビニは目と鼻の先だったのに、めんどくさいなと思いながら、通ったことのない道を回った。この道は空き地だった所を切り開いて作ったところだ。たぶん 調整地だったのだろう。そこは道以外は空き地のままだったり駐車場になっていたり、家庭菜園になっていたりしていた。この道はそれらの所に行くために作られた私道なのだろう。

 

  雨の中で他に人もいなかった。車なども入ってきそうもない道だった。レインコートを涼太は着ていたので、私は手を離した。手から放たれた風船のように、涼太は小走りに意味もなく走った。小雨が 涼太のレインコートを濡らしていく。畑のナスや空き地のハルジオンの花の上、ひっそりと一台だけ止まっている白い車の上に、雨は降り注いでいた。

 

私はそんな風景を見ながら、ぼんやり思っている。

 

―子供なんて殺すの簡単だなあ。道路をさっさと先に渡って、さあ、早くおいでって言えばいいんだから。

 

雨は降り注いでいく。私の心の中を冷やして、凍らせていく。

 

 

「ねえ、ママ。あのねえ。」と涼太が言った。

「なあに。」私は答える、凍りついた心とこわばった顔で。

「あのさ、あのね。」

「だから何。」

「僕の秘密、教えてあげようか。」

なんだ、くだらない。

「うん、教えて。ママ、知りたいな。」

私は優しい声で、だけどイライラしながら嘘をついた。

「あのね、ママ。僕ねえ・・・」

私は涼太が言いやすいようにしゃがんであげた。

すると涼太は嬉しそうに笑って、だけど決意したように私の肩を掴んでいった。

「ママ、僕は世界で一番ママが好きなんだ。ママのこと考えると僕、嬉しくなっちゃうの。」

 

 

 その時重い雨雲が流されてきたのだろうか。急に雨粒が大きくなり、バラバラバラと音を立てて落ちてきた。

 

「濡 れちゃうよ。」と言って、私はレインコートを着ている涼太に傘を差し出し、その肩を抱き寄せた。レインコートの水滴が私を濡らす。だけれども、冷たいコー トの内側から伝わってくる、子供の熱い体温が、調べとなって、ゆっくりと私の中に流れ込んでくるのを、私は感じていた。 

 

    

 

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2007年7月26日の作品、手直ししましたが再掲です。

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微笑みの悪夢

2014-06-24 14:54:44 | 詩、小説

此処のところ、広島・山口の旅行の記録を書いているのですが、忘れてしまうと思うので今日は夢の話です。

いつも書くことなんだけれど、「なんだ、夢の話か。」って思わないでね。

夢の話って話している本人には面白いかもしれないけれど、聞いている方はちょっと我慢だって事が多いのは知ってます。それでも書くの起承転結のある自分の夢のストーリーが好きだからなんです。

だけれど今朝の夢はそんなものではありません。ダラダラしています。ダラダラしているけれど・・・・・

 

遠くでさわやかな音楽が聞こえてきたな・・・・・・。

あっ、目覚ましか。でも私、起きたくない。だってこの続きを見ていたいんだもの。

猫が近くに寄ってきた気配がするな。でもママはまだ起きたくないの。だって面白いんだもの。

私は夢の中でクスクス、ニヤニヤしっぱなし。目が覚める直前まで微笑んでいたのでした。

だけれど意識が完全に現実の門を開けてしまったので、仕方がないなと思って夢が残像となってまだ瞼に残っていると言うのにムクリと起きました。

と、その時気が付いたのです。

やだ、これ。

面白いと思って笑っていたけれど、悪夢じゃないの。

怖い!!

そう思ったのです。

 

長い夢でした。姑と一緒にバスに乗ったり窓のカーテンを閉めようとして他の乗客に嫌味を言われたりその後もいろいろと続くのですが、メインの部分と関係がないので省略。

私は姑と別れて、お芝居を観るために友達と待ち合わせの劇場にやって来ました。

初めて来たこぢんまりとした劇場で、どこが入り口か分かりづらく、ここかしらと来てみたところはどうも裏口だったようです。だけどそこにはかなりの人がそのドアの前に立っていました。

それで私はそこに居た人に近づいていき聞きました。

「入り待ちですか?」

するとそこに居た中年の女性は、ぶっきらぼうに

「そう。だけどあなたが思ってる人じゃないわよ。」

あなたの、つまり私が思った人というのは多分天海祐希さんです。

「主役じゃない人の入り待ちなんだ。」と私は思いました。でもなんだかソワソワしているみんなの様子に、もうすぐ来るんだわ、じゃあ私もさり気なく待っていようかなと思ったのです。なんたってミーハーですから。

するとそんな私の気持ちが伝わったのか、先ほどの女性が

「あらっ、ダメよ。ここで待つことが出来るのは招待状を貰った特別な人だけなのよ。」と言いました。

招待状がないと出来ない入り待ちなんて凄いなと思いながら、そこを立ち去ろうとしました。人の群れから離れて歩き出すと、後ろから

「待って!」と鋭い声がしました。

振り向くと、ガードレールに寄りそう様に立っていたのは、真っ青なワンピースを着た女性でした。髪はセミロングで綺麗に内巻きにセットされていました。

その女性は、バッグから何か紙切れを出すと、さっと私に差し出しました。

驚いてそれを受け取ると、近くに居た若い女性が

「かっこいい、シャッチョッ!!」と言いました。

それでこの青いワンピースの女性が、この劇場のオーナーですごすご行こうとする私に招待状をくれたのが分かりました。

そして、

「私は他の用があるから、これで失礼するわ。」とその女性は颯爽と立ち去って行きました。

まだ全然若いのに、シアターのオーナーなんてかっこいいよなと、私は感動しましたが、受け取った招待状は白い封筒に入っているわけでもなくA4の紙にその半分に切った紙をホッチキスで添付したお知らせのようなものでした。

俳優さんのスケジュールやみんなの感想が書いてあるようでしたが、面倒なのでちゃんとは読みませんでした。ただA4の紙の半分の方に書かれた言葉は印象的でした。

「☓☓☓☓☓さんは、私達にとって特別な大事な女優さんです。みんなで彼女が喜ぶように盛り立てていきましょう。そしてそれによって私達も幸せになりましょう。」

私はその言葉に、何か特別な愛のようなものを感じたのかもしれません。

 

その時ざわめきが起きました。

見ると往来の向こうから黄色いドレスを着た華やかな女性が歌いながらやって来ました。その人を見て、ああ、あの人だったのかと思いました。あの人はこんなに人気があったのかとちょっと驚きました。

しかし派手な登場の仕方です。舞台衣装まで着けて歌いながら来るなんて、これじゃあ招待状なんかいらないじゃないと思いました。誰だって彼女と彼女のパーフォマンスを見ることは容易なことです。

彼女の歌っている歌は英語で知らない曲でした。だけれど私の周りに居た人たちはみんな彼女に合わせて嬉しそうに歌っていました。この人たちに紛れて、まったくわからないのでは悪いかなと思って、私は目を泳がせながら口パクで歌っているふりをしました。

すると近づいてきたその女優さんは、凄く優しい顔をして

「みなさま、お幸せですか。」と聞きました。

「はーい」「はーい」とみんなが言いました。

 

誰かを好きでいるということは幸せなことだなと、私は思いました。

 

「あちらで」と、彼女が優雅に手で指し示しながら言いました。

彼女の指差す方向で、みんなで写真撮影をしましょうと言ったのです。

 

実はその時、私は待ち合わせの友達が気になっていて写真はいいかなと思っていたのでした。ところが彼女が指し示した手の方向には、なんと彼女がいるではありませんか。と言っても、友人はこちらを向いているわけではなかったのですが、そこにいる人の横顔を見ててっきり彼女だと思って、飛んでいきました。

「あの」と肩に手をかけると、まったく別な人だと分かりました。

「あっ」と思ったけれど、後の祭りです。写真を撮るための列に押し出されてしまいました。

ちょっと友人には待ってて貰おう。

あまりない折角の経験だし。

と私は思いました。

 

この女優さんのファンの人達は凄く優しい人たちばかりでした。そして派手な人も多かったです。なぜなら主役の彼女を食ってしまうのではないかと思うような派手なコスプレで、真っ赤な中世風のドレスを着ていたりするんです。

 

写真を撮る時のひな壇の順番の時にも、何故か私の前の人だけ背の高い人で、ちょっと顔が隠れちゃうなと思っていたら、前の人が気がついて席を変わってくれたりしたのです。なんだかみんな知らない人ばかりなのに、居心地のいいグループだと思いました。だけれど、ふと隣を見ると、ざっくりと私の横から誰もいなくなっていました。がらっと空いた席に、どうしたんだろうと不安に思っていると、ざわざわとやじうまの人たちがやって来て、そしてその人たちが楽しそうに笑い出しました。

何が起きてるのかとよく見ると、そのやじうまの中の人混みから、どういうからくりに成っているのか人がスゥっと浮かび上がり、そのひな壇にくるくるっと回ってストンと着地するのです。着地したかと思うとぱっと消えてしまい、また別の人が同じことをするのです。スゥ、くるくる、パッです。

スゥ・くるくる・パッと、それが延々と続きます。その人たちはさっきまで私の横に並んでいた人たちだったのです。そして皆、顔は無表情なのに手を大きく広げたり、頬に可愛らしく手を当てたり、それなりにパフォーマンスをしていくので、次の人はどうするんだろうと飽きないのです。

写真はどうするんだろう。友達は怒っているかしら。そんなことを思いながら私は楽しくてずっと見ていたいような気分になっていました。だけれど心の片隅では、まさか私の順番は回ってはこないわよねと不安にも思っていたのです。だけれどこれは用意周到に準備されたイベントだったのだとようやく気がつきました。なぜなら彼女たちはいつそんな時間があったのか、皆黒い服に着替えていたのです。さっき席を譲ってくれた人が順番が来たらしく、そっと人混みの中に行くのが見えました。私は小さく手を振って「頑張って」と合図をしました。彼女は真面目な顔をして小さく頷きました。

 

遠くで心地よい音楽が聞こえてきました。

温かい体温が私の皮膚の近くに近寄ってきました。柔らかい猫の毛の感触が頬に触れました。

 

そして私は、仕方がないなと思いながら目を覚ましたのです。

ムクリと起き上がって、あっと私は気が付きました。

 

あの女優さん・・・・

もう既に亡くなっている女優さんだったのでした。

 

 

※      ※       ※

体調がちょっと悪い時に見るのは悪夢ー。

でも夢の中に何かメッセージがあるのかなと考えたりするのは、私だけじゃないと思います。

だけど私は暗黒の中世に生まれたら、色付きの夢を見たということで魔女裁判にかけられちゃうかもね。

 

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ひみつの鍵

2014-04-20 17:15:08 | 詩、小説

真夜中族の私ですがルートくんが5時半起きで仕事に行くようになって、生活が変わるかというと、就寝時間ではなく睡眠時間が変わってしまいました。

睡眠時間激減。平均4時間。近頃夢を見ると言うか、夢を覚えていないのはその時間に原因があると思います。

前からいつも言ってることですが、子供の時から自分の見る夢が好きでした。それは自分にとってだけかもしれませんが面白いからです。子供の時はスパイ物からSF、時には切ない恋物語もあったかもです。

ところが昨日は真夜中の睡眠時間が3時間。これは良くないとルートくんを送り出して、しばらく起きていて眠くなってきた頃に二度寝しました。眠くなってきた時間というのは、夫は既に起きていて朝ドラなんか見てピグのゲームのアレヤコレヤで遊んだ後。買い物に行くちょっと前の時間です。

テレビなんかがついてると眠ることが出来ない私ですが、流石に疲れていたのかすぅっと夢の世界に入って行きました。

なんだぁ、夢の話かと思われてもしかたがないことですが、昨日の私はその夢が凄く気になってかなり一日を気を付けて暮らしました。

 

※        ※        ※

 

―なんとなく不満だわ。

夫とともに実家に帰っていた私は彼を見てそう思いました。

―何がっていうのじゃないわ。「なんとなく」不満よ。

私は彼をリビングに残し、自分の部屋があった所に引きこもってしまいました。(この自分の部屋があった所というのは、もう既に存在しない離れで、この家の話をすると違う話になってしまうのですが、この場所が出てくると大概ホラーとかろくなものではありません。)

「機嫌を直してよ。」と夫が私の部屋にやって来ました。

振り向くと、そこにはすこぶる若い子供のような彼がいました。

目を吊り上げてガミガミ言うのかと思っていたら、不思議なことに私は、

「なんにも機嫌なんか悪くないの。いつもありがとうって思ってるわ。ちょっと疲れちゃったから、こっちに来て休んでいただけよ。」など嘘をつくのでした。私は夢の中の自分が良く理解できません。違うキャラを演じているのかも知れません。

「えっ、そうなのか。なんか君は本当に不愉快な顔をしていたよ。だから僕は凄く気になってしまったんだ。知らないうちにいっぱい傷つけてきたんだなと思ってさ。」

それを聞いて、私は首を振って彼の頭を優しく撫ぜながら

「ううん。ありがとう、本当に。」と今度は嘘ではなく言いました。

 

私の優しい言葉に夫はいい気になったようで、帰りに羽田空港に立ち寄って買い物をしたいと言いました。

羽田空港と言っても飛行機は関係ないのでした。空港内にあるお店の一つに用があるらしいのです。

ところが羽田空港は私が知っているピカピカのターミナルではありませんでした。どこかレトロな雰囲気が漂っていました。だけど良いのです。夫がこれだけ若いということは、それだけ時代が昔ってことなのですから。

その外れに、凄く小さな本屋がありました。本屋と言っても本は並んでいないのです。会社の受付のようにカウンターが有り客はそこで本の名前を言って買い求めるみたいで、専門書のお店のようです。

夫はそこに入って行くと

「『ひみつの鍵』はありますか。」と聞きました。中年の男性のお店の人はけんもほろろに

「そんなものはないですよ。」と返事をしました。

「そんなわけないだろ。ダイレクトメールが届いたんだから。」と夫が強い口調で言い返すと

「な~んだ、最初にそれを言ってくださいよ。」と物腰も丁寧になって、隣の部屋に入っていき書棚からではなく金庫からその本を出してきました。

私は興味もなかったので、ひとりで通路で待っていたのですがその様子はそこからでも見えました。そして夫が戻ってきて

「3万2千円だ。」と言いました。

私はビックリして、あることを思い出しました。昨日買い物に行って、最後のお札をぴったり出してしまったのです。お財布は小銭ばかりで空のはずです。

それでもバッグから取り出してみると、お財布はレシートでパンパンにふくれあがっていました。その中に乱暴にお札が紛れていました。

―そうか。空っぽになってしまったから補充しておいたんだ私。

と、解釈しました。

お金を3万2千円、彼に渡すと財布の中には二千円ほど残りました。これは高速代に取っておかなければなりません。

「あっ、パパ。それ内税なのかしら。本は確か外税表示よね。まして今は8%に上がったんだから外税よね。じゃあ、お金が足りないわ。カードで買ってくれないかな。」←時々今が混ざる。しかもリアル・・・。

お店の人に確認した彼は振り向いて言いました。

「カード、使えないって。だけど値段はこのままだって。」

ああ、良かったと思ったものの、新たな疑問が。

このような高額なものを相談もないなんて。そうすると立て替えたものの、これは彼が払うべきものなのか、それとも仕事で使いみたいなので家計から出すべきものなのか・・・・・・

 

すると彼はいつの間にか会社に電話を入れていました。

「これで会社を救えるんだから領収書で落ちますよね。えーっ、ですよね。頼みますよ!!!」

―会社の経費で落ちるんだわ。しかも会社を救うって一体何なのあの本は・・・。

「で、俺の机の上の・・・そうそう・・・封筒の中の汚いメモ、ゴミじゃないですから。それの三枚目、わざと焼いて焦がした後になっているページがあるでしょ・・。そそそ。そこです。そこを指でなぞると数字が指で読めるんです。パスワードなんですよ、それ。読んでください。えっ?何?分からないって?困るなあ。も一回やってくださいよ。」

「えっ? ダメ?」

お店の人はカウンターの中にも三人ぐらいいて、皆、夫のほうをじぃっと見ていました。みんなニヤニヤしています。

ハッとしてもう一度見返すと、誰一人笑っていなくて、みんな能面のように無表情なのでした。

―パパ、ダメよ。そんな本に手を出しちゃ。

私は心の中でそう思いました。

するとその本を持っていた男が、私の心を読んだかのように

「この本を手に入れることが出来るなんてラッキーですね。代われるものならば、その権利を譲って欲しいものですよ。」

そして

「『ひみつの鍵』は秘密の鍵ですよ。」とすごくゆっくりと言いました。

夫はイライラしながら、

「どうやってもダメなんですか。あああ、困ったな。」と電話口で言っていました。

「パパ、それはパパの指紋にだけ反応するんじゃないの?指紋認証ってやつよ。一回出直しましょ。」

すると男は言いました。

「次はないですよ。」

 

―そんな本には手を出しちゃダメ。

やっぱり私はそう思っていました。だけど、

―「ひみつの鍵」は秘密の鍵・・・・。

ふと私がその本を手にとって私自身がその本を開く。そんな妄想に一瞬のうちに囚われてしまったのも確かだったのです。

 

それで私は言いました。

「パパ、私ここで待ってるから、パパは帰ってそのメモを取りに行って。戻ってくるのは大変だから電話でそのパスワードを私に伝えてくれればいいわ。本は私が持って帰ってあげるから。」

お店の人は皆ニヤリと笑って頷きました。

「じゃあ、そうしてくれる。助かったなあ。」と夫が言うので

「出来るだけ早くね。」と私は優しく言って小さく手を振りました。

 

だけどその時、行きかけた彼が何かに気がついたようにふと振り返りました。その眉間には、ありありと不安の色が伺えました。

「だけど、ママー。」

 

※        ※         ※

 

「だけどママ、そろそろ起きないと、買い物に行く時間が遅くなっちゃうよ。」と夫が声を掛けてきました。

私は目を開けないで

「ああ、もうちょっとで「ひみつの鍵」という本が私の手に入るところだったのにな。」と言いました。

「夢の話?」

「そうよ。3万二千円。」

「高ッケー!!」

「うん、消費税8%はおまけだって。でも内容的には超格安だな、きっと。」

「細かいな。だけどどんな秘密なんだ。」

「そこが秘密なのよ。しかもパパが出すかママが出すのか夢の中で悩んでした、私。」

「ママが出してください。俺いらないから、そんな本。」

「ですよね~。でもこの何気ない夢、悪夢だったような気がするんだ。良からぬものが近づいてくるって言うかさ。取り敢えず財布の中のレシートは全部捨てよう。」

むっくり起きて財布を開けると、レシートは全部捨ててあったのです。

―そうか、昨日捨てたんだった。

そしてやっぱり空っぽ。

補充しないと買い物には行けません。丼会計なので、こっちがなくなればあっちのように封筒にお金を入れてあるのですが、用意してあった封筒を開けたら、中から3万二千円が・・・・。

今日はその封筒のお金を遣うのは止めておこうと思いました。

その夢にはなんにも意味は無いのかもしれません。ただ気になっていたことだけが物語のように並んだだけかも。

 

もしもこの先延々と、人類が滅びずにこの地球に栄えていることが出来たら、かなりの秘密の謎は究明されると思います。だけど100年たっても1000年たっても、一万年たっても、人は、いや命あるものはどこから来てどこに去っていくのか、解き明かされない宇宙の秘密なのではないでしょうか。

もしもその謎を解き明かせるチャンスが有るとしたら、それはその経験をする時かもしれないと子供の時は思っていました。今はそうは思いません。きっと何もわからないままこの世から去っていくのです。だけど子供の時に、そう思っていたからこそこの「ひみつの鍵」という夢の物語は悪夢に感じたのでした。

 

 

ほんの微かに脚色あり。

しかも指でなぞって、その人だけが書いてある文字を読める「指紋認証ってやつよ」って、そんなものはまだないよね。

でも、私がここでそう思ったということは、いつかそういう時代は来るってことかな。

 

 

 

 

 

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