「我が家の歴史<第三夜>」の感想は書こうと思ったのに、書けませんでした。
ドラマ全体の感想は今更という感じですが、書きかけてあったので、ある視点からはちょっと書き留めておこうと思います。ある視点と言うのは、やっぱり彼の部分ですよ、彼。
でも、ちょっとだけ感想などを。
この「我が家の歴史」は泣くほどではないけれど瞳だけが潤った、そんな感じのドラマだったと思います。
だけどそれは、失礼ながらこのドラマ自体が素晴らしいとか、感動したと言うものではないような気がするのですね。
ただこのドラマには、何かどこかのシーンで自分の中「我が家」と被るものがあって懐かしく感じたのです。。
だからと言って、それは自分の人生ではなく、ドラマのHPにもありましたが、私たちの親の時代の物語だったと思います。今の若い人たちにとっては、そこに描かれているのは、祖母や祖父の時代の物語です。
父や母たちの生きた時代は、こんな感じだったんだろうなと思ったりもしたのです。
ただ彼らの事を「普通の人たちの普通の暮らし」と言うのはどうなのとはちょっと思ってしまったわけですが。そしてこの人たちの生活は、絶対に普通とは言いがたいだろうとは思うのですが、なぜか彼らを見ていると、劇中にも出てきましたが、長谷川町子の「サザエさん」を連想してしまうのでした
ただ、このヒロインの二号さん設定のお話には、実は多くの記憶が蘇ってきたのです。子供の頃の曖昧な近所の記憶。かすかな霞のような何か。
ちょっと鼻をすすって匂いをかいで見たくなる、そんなドラマだったと思います。
でもまあ、このドラマは、ある意味お祭りでした。これでもかとチョイ役で出演する主役級の役者さんたちに三谷さんのポジションみたいなものを感じました。
その役者さんたちが彩る昭和初期史は確かに楽しかったのですが、何せその方たちにあまり思い入れがないのが、私的には残念でした。
その中で、・・・って、いよいよ本題です。(しかも、本題の方が短そう)
やっぱり手塚治虫氏のシーンの楽しさは、単に藤原竜也君が演じているからだけではなかったように思います。
出てきた人の中で、一番思い入れのある人。
ワクワクしました。
第二夜のサファイヤ姫のコスプレシーンは、いわばサービスでしょうか。
でも、可愛いし、楽しかったですね。
だけど一番良かったシーンは、自分の部屋で映写機を回して「ダンボ」を見ているところです。
ジーンとしました。
ああ、彼が見ているのは「ダンボ」であって「ダンボ」ではなくて、それは未来だったんだと、私は思いましたよ。
私たちは、彼が(この彼は、手塚氏の事)見た夢を食べて大人になったのです。このシーンの藤原君の演技は、凄く手塚氏を学んだものだったと思います。
房子が、ちょっと何か言われたからと言ってさっさと彼のアシスタントを辞めて、もう彼との絡みが終わってしまった事は唐突過ぎて残念でしたが、いつまでも絡んでいたら、違う物語になってしまうので仕方がありません。
だけどナレーションで、その後の手塚氏が日本のアニメの黎明期を作った事に触れて欲しかったです。せっかく
「君はライオンの子供のような顔をしている。」なんて前振りのようなセリフもあったのですから。
そしてその時の映像は、もちろんジャングル大帝。痛んだような白黒のフィルムで、レオが海を渡っていくシーンなどを映して欲しかったな。全くもうセンスないんだから、と、偉そうに思ってしまったのでした。
房子に対しての凡人と天才の間みたいな説教は短めにして、そんなシーンをねじ込んで欲しかったですね。
でもこんな風に、私が手塚治虫氏のシーンで感じた事を、違う人のシーンでいろいろ感じた人も多かったのではないでしょうか。
「リボンの騎士」が好きだった母が、私たちに漫画を教えてくれました。「W3」や「どろろ」を子供に教えてあげたのは、私です。そんな彼らの部屋は本で埋まっています。そして、彼らの部屋を埋めている本の作者たちの中には、やはり手塚氏に影響を受けた人、または影響を受けた人から影響を受けた人が多数いると思います。
一人の人の見る夢の先には、それはひとりだけではない夢の連鎖があると、このドラマのメインではない部分でしたが、そう思いました。
ところで、
HPの「
プロデューサー、ここだけの話」の中に
「一方で、日々お会いする役者さん達は普段のドラマに比べると僅かな出番のハズなのに役作りに必死でした。方言、人物の考証、時代考証、ほんの数秒のシーンのために、です。今回のキャストは正しく日本の第一線の方々です。第一線だからもう少し余裕があってもいいようなものの、失礼ながら、時に滑稽に見えるほどの一途さでした。やがて、この人達は必死だからこそ第一線にいるのだと気づきました。」
とありました。
これって竜也君の事かなぁなんて思ってしまったのは、親ばかならぬ、ファンバカだからでしょうね。
今日の、と言うか、昨日の「アイリス」の吹き替えはどうだったのでしょうか。我が家では、どんなに見たくても韓流ドラマを水曜9時に見るなんて出来ない事なので、姉に録画を依頼しました。
実家に帰る楽しみも増えました。