《ネタバレ、しています》
昨年はいったいどうしたのか「必殺仕事人2017」はありませんでした。いろいろと事情があるのでしょうね。
でも昨年、撮影現場の目撃情報は出ていたのですよ。ちゃんと昨年から撮っていたのです。
だから野際陽子さんのシーンがちゃんと存在していたのですね。
先日の「DOCTORS~最強の名医~」の時には卓のおばさんであり院長のたまき役でしたが、国民の幸福度の高いブータンで診療所を開き、そこを終の棲家にすると言う設定で写真だけの出演。
いずれもしみじみとするものがありました。
そして今回は、なんと中村主水の藤田まことさんもCGにてですが、渡辺小五郎の東山さんとの絡みもあったので嬉しかったです。
しかも今回は依頼人。
なんというか、やっぱりそれは「らしくない行動」で、彼は彼岸の向こう側からやって来たように感じてしまいました。小五郎の為に。
「人は鬼にもなれるけれど、鬼は人にはなれない。」って、名言ですね。
だから善男善女は、決して鬼にはなってはいけないのですよ。もう人間には戻れなくなってしまいますものね。
今回のテーマは、子供を使っての自爆テロ。
でも結局、それを操っている者の目的はお金だったわけですよ。最初からそうだろうなって感じはしましたが。
しかし今回、シナリオが「なんか雑」って感じがしませんでしたか。
ライターさんが変わったのかと、検索してしまいました。同じでした。必殺はいつもこんなものだったかもしれません。
一年間、丁寧に作り上げられたシナリオのドラマを見続けてきたものだから、余計にそれを感じてしまったのかも知れません。
だけど私はやっぱりちょっと推理しちゃいます。
後半の雑さを考えると、きっと裏ではバタバタするモノがあったんだろうなって。
(真実は分かりません。)
何処がと言われたら、気になったところだけ言うと、一番は主水からの依頼料をみんなに渡すシーンがなかったこと。彼らは先に壬生の幻楼の所に行っちゃってるじゃないですか。
依頼料がなくて仕置きしたら、ただの人殺しでしょ。いや、何言ったって本当はただの人殺しなんだけれど、小五郎の理屈があったじゃないですか。
アレッって思いました。
乗り込んだ先でも、子供に顔を見られて
「漢字の一つでも覚えろ。あともっと遊べ。」ってセリフは良いのだけれど、ダメでしょ。顔を見られちゃ。
すずらんと対峙しても、「今日はひとりしか・…」って言うじゃない。
ああ、すずらんは幻楼に殺されるのねって分かっちゃいますよね。
「うそっ」って呟くように言うすずらんのセリフは良かったけれど、最後に舟に手をぬぅって伸ばすシーンは、もっと怨念がおんねんぐらいの迫力でやってもらいたかったなあ。
やっぱり小五郎は主水の立ち位置の人なんだから、途中でバタバタと出会っちゃダメよね。
闇に紛れてすぅーっと現れなくちゃ。それで、なんだかちょっと寂しい男感が漂って、それで相手が油断して
「この金ちょっと持って行っていいから、見逃してくれよ。」なんて気安く言っちゃうのよね。
まるで気のないと言う感じではない小五郎の様子に、更に気を許して
「俺だって、前に一度子供を助けた事があるんだ。」なんて、蜘蛛の糸のような事を言っちゃうのよね。
こういう流れだったら良かったのにな。
光と影。
陰影。
そこに美学のようなものを感じさせてくれるから、「必殺」は好きなのに・・・。
そしてもう、あれは何 !?
三人がかりで雀蓮への仕置き。
たぶんあそこ、ジョークとして笑う所なのかも知れません。
でも笑えない、私。
恐ろしすぎますよ。
おりんちゃんの野原での最後のシーンのセリフは良かったです。生まれた時も死ぬ時もひとりのっぱらで…みたいなセリフでしたよね。だけど園遊会からすぐ後ろに追手がいたのに、どうやってそこまで逃げてきたのかしら。結構気になりました。
祝言まで上げて二人は夫婦などと言われ、その妻の最後を見てもマインドコントロールが覚めないリュウに、ちょっとイラつきました。
でもそのリュウのと自分の分との墓を作り、リュウ救出のために出向く涼次はカッコ良かったですね。
それから…ってまだあるのかと言われそうですが、
橋の所から欄干の間を抜けて、光が川の中に反射するじゃないですか。
これは初めて思ったのですが、明るすぎるのではないかと。
私はこのドラマの、この時代にはあり得ない明るさが好きなんです。
光あるところには、必ず影が出来る…それを映像の中で美しく見せてくれるでしょう。
それが今回はイマイチッぽくて。
などと文句ばっかり言っているようですが、実は二時間楽しみました。(人殺しのお話ですがね。)
好きだからいろいろ出てしまったような気がするのです。
でもまっ、良いのか、「必殺」なんだから。
あっ、そうそう。←最近この書き方多いね、私。
小五郎の過去がちょっと分かって、そこも良かったですね。
両親を亡くした庄屋の息子が、どうやって武士の世界に潜り込めたのか、逆にさらにその後に興味が沸きました。次回は、そこの所もよろしくです。