kintyre's Diary 新館

野球(西武ファン)や映画観賞記等を書き綴っています。野球のオフ期には関心の高いニュース等も取り上げています。

映画『とらわれて夏』を観て

2014-05-04 22:53:48 | 映画・ドラマ、アクション

14-40.とらわれて夏
■原題:Labor Day
■製作年、国:2013年、アメリカ
■上映時間:111分
■料金:1,100円
■観賞日:5月1日、TOHOシネマズシャンテ(日比谷)



□監督・脚本・製作:ジェイソン・ライトマン
◆ジョシュ・ブローリン
◆ケイト・ウィンスレット
◆ガトリン・グリフィス
◆トビー・マグワイア
◆クラーク・グレッグ
◆ジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク
◆マイカ・モンロー
【ストーリー&感想】(ネタバレあり)
「ライ麦畑の迷路を抜けて」などで知られる作家、ジョイス・メイナードの原作を実写化したラブストーリー。ひょんなことから逃亡犯の男性をかくまうことになった女性が、彼と惹(ひ)かれ合った果てに重大な決断をする5日間を見つめていく。監督は『ヤング≒アダルト』などのジェイソン・ライトマン。ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリンら、実力派俳優が結集する。
アメリカ東部の静かな町。9月初めのレイバー・デイの週末を控えたある日。夫が自分のもとを去ったことが原因で心に傷を負ったシングルマザーのアデルと13歳の息子ヘンリーの前に突然、警察に追われる脱獄犯フランクが現れる。家へ連れて行くよう強要された2人は、そのまま自宅で彼を匿うことになる。危害を加えないと約束したフランクは、アデル親子と緊張状態を保ったまま過ごすうち、次第に家や車を修理し、料理をふるまい、ヘンリーに野球を教えるようになってゆく。いつしかフランクはヘンリーと打ち解け、アデルとはお互いに惹かれ合うように……。ともに過ごした時間の中で、ついに3人は人生を変える決断を下す。人生の晩夏にさしかかったシングルマザーと思春期の少年が体験した、運命の5日間の行方は……?

この作品、冒頭でいきなり脱走して負傷したフランクがスーパーで偶然目が合ったヘンリーに半ば強制的に母のアデルの車で家まで連れて行くようになり、訳の分からないまま匿う事になる。本来なら町の中を警らしている警官に脱獄犯フランクを引き渡すチャンスは、その後、何度もあったのに母子はそれをしなかった。
当初はフランクに対して恐れを抱いていたアデル、だが、ヘンリーはフランクの中にどこか父の残像を見ていた。野球を教えてもらったりパイ作りを一緒に手伝ったりしている内に匿っているという意識は薄れて行った。だが、やはりこの母子の変化を見抜いている人はおり、近所の仲良しだった主婦はフランクを指名手配中の脱獄犯ではないかと心の中で疑っている。
そして数日生活を共にしただけで母アデルは、もうフランクを匿っている脱獄犯とはみなさず、離婚して心の空白を埋めてくれる存在と認識し始める。この辺りの女性の微妙な心境の変化は男性には理解しづらいのだが、ケイト・ウィンスレットの演技は見事だった。
何時の間にか町中にフランクが匿われているとの情報が出回ってしまい、このままでは警察に拘束されるのは時間の問題になって来た。そこで母はヘンリーに命じて図書館でカナダのプリンス・エドワード島について調べさせる。どうやらカナダへの逃亡を企てるらしく、金融機関で預けている全財産を引き出そうと試みるも行員に散々怪しまれた末にヘンリーの機転で引き出しに成功する。

だが、やはりこの計画はとん挫する。警察はアデル母子の家にフランクが匿われていることを突き止めフランクと母子の逃亡は幻に終わった。これでエンディングなら単なる安物TVドラマだが、やはり映画は金を取って見せる興行であるしジョシュ・ブローリンとケイト・ウィンスレットが出演している意味も無い。

フランクは逃亡罪(脱走した)と誘拐罪(母子を監禁した)で懲役25年の刑に。アデルはフランクが収容されている刑務所へ手紙を書いたが移送されて行方知らずに、そして、親権も元夫に譲り孤独な生活に。一方のヘンリーは結婚してフランクに教わったパイ作りに励みパン屋を営む身に。そしてその店のことが雑誌に掲載され、それを出所後にフランクが記事を読んだことでヘンリーに手紙を書き、更に、母が未だに一人身であることを知らせる。そして、20年以上の歳月を経て母子と再会した。

まあ、そんな訳で何とロマンチックなエンディングでしょうか。こういうラストが用意されていたのですね。フランクもアデルも歳を取ったが、これからは二人で20数年前に夢見ていて果たせなかった二人だけの老後を幸せに過ごす事でしょうね。


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