観るも八卦のバトルロイヤル

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戦国の世を制したのは内館牧子だった。「毛利元就」

2006年09月25日 | 映画・ドラマ
 少年期は森田剛。「悪そうなガキ」ぶり炸裂。森田、眉毛剃らない方がいいのに。今より可愛いぞ。脇毛がないのはジャニーズの伝統だから仕方ない。
 元服後、一気に中村橋之助へとバトンタッチ。「急に温厚」を絵で描いたような人になっちゃった元就。
 その中村橋之助が眉毛が目の倍くらいのぶっとさで、鼻がひょうたんみたいで、「全然駄目」。お口ポカーン(どこかの横綱婦人がよくこう言われてたよね)で「なぜにこの人が主役」状態が続いたが、晩年の元就を演じていたら、「歌舞伎役者の底力」を感じた。「やっぱ上手い」。老け役になったらいい味出していた。晩年なんか、やり過ぎ感もあったけど、なんとなく水戸黄門。橋之助の将来は黄門様だー。宮本信子とのカップルに違和感なし。
 しかし、いつの間にか主役が松坂慶子になっちゃった。杉(松坂)亡き後は岩崎ひろみが準主役的位置につけた。
 「松坂慶子って、こんなに可愛らしかったんだ」。周りがどんどん年を取っても世代交代しても松坂慶子と葉月里緒菜だけは年を取らないのだが、まあいい女ということで大目に見よう。
 しかし、この劇中の杉(松坂)みたいな女性って奔放でちょっと我がままで、思い込みが激しいけど、ここぞという時には力を発し、人の心も良く分かる。こういうのを「いい女」って言うんだろうなと観ていた。
 葉月里緒菜のほかにも、富田靖子、大塚寧々とか若手女優陣も奮戦していたが、松坂慶子さんの圧勝だ。きれいで、可愛い。
 男性陣は、中村橋之助を筆頭に、鼻水、よだれの連続連続。陣内孝則も鼻水演技。あのハンサムさんの代名詞とさえなっていた草刈正雄も鼻水と共に死んでしまった。
 だれもが、唾をパシパシ飛ばし、最初なんか水しぶきかと思ったぞ。鼻水タラリの熱演。そんなに白熱してたんだ撮影現場。は、分かるけど、フィルム止めりゃいいじゃん。
 「ごくせん2」なんか亀梨の鼻水を500万円かけてCGで消したんだって。
 で、当の毛利元就。なんか嫌な奴。腹黒くてずる賢い人だったんだろうな。お腹の中真っ黒でレントゲンが撮れなかっただろうな。しかし、主役は主役。いかに素晴らしい人物に仕立てるか…。脚本の内館牧子さんの手腕あっぱれ。それに、尼子家ってほかのドラマでも悪役にされることが多いけど、今回の「毛利元就」では、どの家もそれなりに抱える問題があったり苦悩があったり、戦国大名の見せる人間臭さや家族とのあり方などが現されていて、「内館女史上手い」を実感させられた。
 戦国の世を制したのは内館牧子だった。
 劇中、ことあるごとに「勝ち、負け」で物事を判断するあたりは私と一緒。
 最終回、これ無い方が良かった。「極楽か地獄か」問答とかさ、死んだ人がお迎えに着ちゃったりとかさ、やはり大河なんだから、ハードボイルドに終わらせてほしかった。