観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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「鬼が来た!」テリーの麻袋の青春

2006年09月01日 | 映画・ドラマ
 記念すべき中国映画第一作目は「鬼が来た!」。
 「いいの?」。「中国でこれあり?」の、なんとセックスシーンからの始まり。そして女性が素っ裸ときた。
 中華人民共和国のキャパシティに耐えられるのだろうか?
 第2次世界大戦が終結に向かっていた1945年の旧正月直前華北の寒村、掛甲台(コアチアタイ)村。深夜、「私」と名乗る男がやって来て、マー・ターサン(姜鴻波)に拳銃を突きつけ、麻袋を2つ押しつける。まずここで、姜鴻波が主役だなんて知らなかったものだから、「この男殺されっちゃうよー」とはらはらどきどき。帰りそうで帰らない「私」にちょっといらつく。姜鴻波も「芙蓉鎮」の時はいい男だったけど、歳取ったもんだ。
 麻袋の1つには日本兵・花屋小三郎(香川照之)が、もう1つには通訳の中国人・トン・ハンチェン(ユエン・ティン)が入れられていた。「私」は、それを晦日まで預かるよう脅し、供述書も取れと命じて去っていく。
 なんで麻袋なのか、なんでこやつら捕まったのか、なんでこんな寒村に預けるのか、なんで晦日なのか? 最後まで分からなかった難解な映画。
 ただ、香川照之の放送コードスレスレのよだれたらしまくりの迫真の演技と、寒村の貧乏くささと、そこのおやじたちの小汚さ、日本軍の嫌らしさ(小ずるいという意味)とかは、味わいたくもない臨場感でいっぱいだった。しかし、中国映画に出演しながらほとんどの衣装は麻袋でいいのかテリー香川。
 軍隊でのいじめとか、日本人のからいばり、村人虐殺シーンははっきり言って一番嫌いな部類。戦争ものは好きなのだが、軍隊ものは苦手なのだ。
 助命のために村人と話し合い、ついつい前に出て行き、「戻れ」と言われて一目散に後ずさりする場面とラストの姜鴻波の復讐シーンからの流れで逃げ回る場面は豊臣秀吉の香川照之だった。
 米軍役のエキストラだろう白人2人に、常にガム噛ませてたのがおかしかった。これが中国人の描くアメリカ人。
 首を斬られる姜鴻波の首筋に這う虫。それをりちぎにつまんで払う香川照之。こういうシーンが姜鴻波監督の見せ場なんだろうなー。しかし、姜鴻波監督、日本軍の軍服の下が褌だったってどうして知ってたのだろうか?
 結局、日本人は駄目だということを言いたかったのか…。そう、大海を知らず、小さな島国でいい気になって活きて来たものだから、田舎もん丸出しで、弱い者に強く、強い者には弱くの典型的な犯罪者タイプなのです。我らが同胞は。
 花屋の上官、酒塚隊長(澤田謙也)のマッチョすぎる躯、怖すぎる。
 

「世界の中心で、愛をさけぶ」何も世界の中心じゃなくても叫べるじゃん

2006年09月01日 | 映画・ドラマ
 朔太郎(大沢たかお)の婚約者・律子(柴咲コウ)が失跡するところから物語は始まる。律子の行き先が四国だと知り、あとを追う朔太郎だったが、そこは初恋の相手・アキ(長澤まさみ)との思い出が眠る場所でもあり、朔太郎はしだいにその思い出の中に迷い込んでしまう……。
 アキが不治の病であることが発覚し、アキのあこがれだったオーストラリアの神聖なる土地・ウルルに連れて行くため、病院を抜け出すが、アキは飛行機に乗ることなくロビーで倒れてしまう……。
 という純愛映画。なんだけど、婚約者がいながらも初恋の人を忘れられないものなのか? センチメンタルに思い出に浸ることはあるけど、だからって、思い出のために行くか? オーストラリアまで。
 婚約者も失踪するくらいなら破棄すればいいのに、婚約。
 と、いちゃもんつけたらドラマにはならないけどさ。
 高校生の朔太郎役の森山未來って、ちょっと危ない人みたいなキャラ(役ではなくて風貌が)なんだけど、確かに大沢たかおと似てる。
 ということは大沢たかおも一歩間違えば危ないキャラだったのか…。
 大沢たかおって絶対主役を張れる顔ではないと思うのだが、観る度に「かっこいい」のだから、やはり魅力があるのだろう。
 何も中心でなくても愛を叫ぶのなんかどこでも構いませんから。