観るも八卦のバトルロイヤル

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斬って斬って斬りまくる。
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仕事人の世界で通用するか!「隠し剣 鬼の爪」

2006年09月18日 | 映画・ドラマ
「たそがれ清兵衛」同様、藤沢周平の原作をもとに山田洋次監督がメガフォンをとった時代劇。なので、「必殺」とか「討ち入り」とか「合戦」なんかを想像してはいけない。時代劇で舞台は幕末でも、遥かなるなんたらかんたら…大地の風を感じるドラマなのだ。
 よって田中邦衛、小林稔侍、緒形拳が脇を固めていても決して血なまぐさくはない。
 あくまでも主軸は「愛に生きる侍と、彼を慕い続ける町娘の身分を超えた切ない恋」なのである。
 くどいようだが、「ご正道」とか「てめーら叩き斬ってやる」なんかを想像してはいけない。
 更にくどいようだが、「隠し剣 鬼の爪」というのが、限られた者だけに伝えられる秘密の必殺剣法だから、しゃっしゃっとマジックみたいに、刀の鍔から小刀を出して、心臓一撃のジミーな剣法でもそれで「なーんだ」と落胆してはいけない。
 あくまでも主軸は「愛に生きる侍と、彼を慕い続ける町娘の身分を超えた切ない恋」なのである。
 永瀬正敏と松たか子が互いに慕い合いながらも、身分の壁を乗り越えられずに、松嫁ぐ→凄く不幸な結婚→お決まりの病→永瀬が救う→若い男女が一緒に住んでいる事でバッシングを受ける→お決まりの別れ→しかし、地位や身分よりも大切なものが何かを悟る。
 江戸時代にもあった純愛ってやつさ。ふーん。
 永瀬の隠し剣の自主トレーニングは笑えたけれど、その一撃で倒れた緒形拳はさすがだー。