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ならゆりあの「論語らいぶ」の試演が、イオンモールで行われました。

2013年11月19日 15時45分44秒 | 「論語」をめぐって
 先日、11月17日の日曜日に、東久留米のイオンモールのイベントホールで、「ゆりあと読もう はじめての論語」発売記念イベントが行われました。先月、小学館から発売された新刊本のキャンペーンとして全国展開を予定している「ゆりあの論語らいぶ」の試演となるものです。(どのような本かは、10月8日のブログ上にてご報告済みですので、詳細は、そちらをご参照ください。)
 一ヵ月以上前から、何度も立ち稽古を重ねてきた甲斐があって、ゆりあも元気に公演でき、「歌って踊って、論語を広める」という試みとしては、まずまずのスタートだったと思っています。ゆりあのために作られたオリジナル・ソング『ロンゴの歌』も好評でした。とてもメッセージ力のある歌詞は、このイベントのディレクター・横山光則氏によるものです。聴きながら、完成度を高めてきちんとしたレコーディングに漕ぎ付けたい、と思いました。

 冒頭のイベントの様子を写した写真は、小学館本の冒頭に掲載した『論語・里仁篇』の一章をゆりあが解説している場面です。

 子曰く
 徳は孤ならず
 必ず隣あり

です。これに私が付した現代語訳は、

 先生が言ったこと。
 正しい事をしている人は、
 ひとりぼっちではありません。
 必ず、どこかに仲間がいます。

です。イベント当日は、ゆりあ自身で、さらに子ども向けにやさしく説いていました。
 何はともあれ、新しい展開に向けての第一歩が始まりました。次の展開も、このブログ上でご報告したいと思っています。

 この写真は、気恥ずかしいことですが、私とゆりあとのツーショットです。



 
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《BBC-RADIO クラシックス》シリーズで未発売に終わった(?)「第100集」の謎

2013年11月07日 13時19分38秒 | BBC-RADIOクラシックス


 前回、この場所で言及した「BBC-RADIO クラシックス」での欠番問題の続きです。以下に、「欧州での規格番号」→「日本クラウン盤の規格番号」(アルバム巻数)を表記します。ご存知の方も多いと思いますが、欧州の末尾の枝番は「-2」が1枚ものCDの意味で、「-7」が2枚組CDを表しています。

「15656-9180-2」→「CRCB6090」(80)
「15656-9181-7」→「CRCB6108~9」(97)
「15656-9182-2」→ 発売されず?
「15656-9183-2」→「CRCB6091」(81)
「15656-9184-2」→「CRCB6092」(82)
「15656-9185-2」→「CRCB6093」(83)
「15656-9186-2」→「CRCB6094」(84)
「15656-9187-7」→「CRCB6095~6」(85)
「15656-9188-2」→「CRCB6097」(86)
「15656-9189-2」→「CRCB6098」(87)
「15656-9190-2」→「CRCB6099」(88)
「15656-9191-2」→「CRCB6105」(94)
「15656-9192-2」→「CRCB6100」(89)
「15656-9193-2」→「CRCB6106」(95)
「15656-9194-2」→「CRCB6110」(98)
「15656-9195-2」→「CRCB6107」(96)
「15656-9196-2」→「CRCB6101」(90)
「15656-9197-2」→「CRCB6102」(91)
「15656-9198-2」→「CRCB6103」(92)
「15656-9199-2」→「CRCB6104」(93)
「15656-9200-2」→「CRCB6111」(99)

 「80集」までは欧州盤と同じ順序で発売されていた日本盤が、欧州での発売が遅れた「15656-9181-7」(内容は「マルコム・アーノルド自作指揮作品集」)と、次の一枚を飛ばして順送りにリリースされていることがわかります。その後も、いくつか順序が入れ替わりますが、これも、欧州での発売が遅れていて、日本へのマスターが到着していなかったためだったと思います。恣意的に発売順を入れ替えたものではないはずです。
 ちなみに、第88集以降のラインナップを記すと、以下になります。

「アサートン指揮のティペット」
「バルビローリ指揮のブルックナー8番」
「ロジェストヴェンスキー指揮のシュニトケ」
「タヴナー作品」
「ハウエルズ作品」
「ブリス作品」
「プロムス、ラスト・ナイト精選集」
「ラッブラ作品」
「ロースソーン作品」
「マルコム・アーノルド自作指揮集」
「イダ・ヘンデルのエルガー協奏曲」
「ユース・オーケストラ名演集」

 なお、最後の99集「ユース・オーケストラ名演集」の巻数表記(帯・背文字)が、順序入れ替えでの混乱の余波で、「98」と誤記されて発売されてしまいました。つまり「98」が2種出来てしまったわけです。
 しかし、こうして、99集までは発売されたわけですが、その間、数ヶ月、数回にわたって、イギリスの原盤供給元に対して、一枚の飛び番号についての問い合わせを繰り返したのですが、未定、未発売としか返答が得られないままでした。おそらく、許諾に関する交渉が不調のまま推移していたのだろうと思いますが、結局、全100巻の予定が、99巻で終わってしまったのです。
 この欠番は、ずっと気になっていましたので、私はその後、個人的に、この番号で海外からの取り寄せを何度か試みたのですが、該当商品なし、として返ってくるばかりで、その内、忘れてしまいました。どなたか、この後日談をご存知の方がいらっしゃったら、コメント欄に書き込みをお願いいたします。


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《BBC-RADIO クラシックス》全100点の解説を終えての総まとめ

2013年11月06日 14時57分35秒 | BBC-RADIOクラシックス


 1995年の秋から1998年の春までの約3年間にわたって全100点のCDが発売されたシリーズに《BBC-RADIOクラシックス》というものがありました。イギリスのBBC放送局のライブラリーから編成されたもので、曲目構成、演奏者の顔ぶれともに、とても個性的でユニークなシリーズで、各種ディスコグラフィの編者として著名なジョン・ハントが大きく関わった企画でした。
 私はその日本盤で、全点の演奏についての解説を担当しましたが、それは私にとって、第二次大戦後のイギリスの音楽状況の流れをトータル的に考えるという、またとない機会ともなりました。その時の原稿を、ひとつひとつ不定期に当ブログに再掲載してきましたが、先日のブログへの再掲載が99点目となりました。以下の本日掲載分は、そのアルバムに付されたものです。

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■《BBC-RADIO クラシックス》の残したもの

 この『イギリス国立青少年管弦楽団結成50周年記念アルバム』として発売されたCDは、イギリスでは《BBC-RADIO クラシックス》シリーズの100点目を飾るものとして宣伝・発売された。これが99集なのは、未だにイギリスでのCD番号15656ー9182ー2が発売されないままだからだ。(99点の内2点は2枚組だが、日英ともそれぞれ1点で数えている。)原盤供給先の英カールトン社に問い合わせても十分な解答が得られないので、何が発売中止になってしまったかは不明だ。いずれ発売されるかもしれないが、現在のところ、予定がたっていないということなので、当シリーズは、ひとまず完結ということになった。
 そこで、この《BBC-RADIO クラシックス》シリーズすべてのライナー・ノートを担当してきた者として、これまでを簡単に振り返ってみたい。1995年12月新譜以来、2年余にわたった当シリーズだが、私の知る限り、このように1放送局が膨大なライブラリーを駆使して、これほどのアルバムを一挙に発売した例はないと思う。
 たとえば、日本でも『カール・ベーム/ウィーン・フィル』や『イタリア歌劇団来日公演』のNHK放送音源、『東京交響楽団/世紀の巨匠ジャパン・ライヴ』のTBS音源などのCD化シリーズ。単発ではマタチッチ、マーク、ストコフスキー、ミュンシュといった指揮者のものが思い浮ぶ。ソリストでは『渡辺茂夫/神童』『田中希代子/不滅の遺産』などが話題になった。だが、それらはいずれも、特定のアーティストなりテーマで集められたもので、《BBC-RADIO クラシックス》のように、数十年にわたる一国の音楽状況が捉らえられるようなものではなかった。私は、当シリーズの意義として、そのことをまず強調したい。
 イギリスは西洋音楽の演奏では、ヨーロッパでも特殊な位置を占めている。ドイツ・オーストリア圏やイタリア、フランスといった主流の音楽を、他国の音楽として、自分たちのなかで消化してきた。それはヘンデルやハイドンをロンドンに迎えた頃から変わっていないが、異国の文化伝統と出会いながら独自の音楽を培ってきたイギリスの、音楽文化の面白さを、そのまま伝える貴重なドキュメントが、このBBC-RADIO のシリーズなのだ。
 当シリーズを「玉石混淆だ」と表現した人がレコード業界の関係者には何人かいた。それらの発言の陰にある真意は結局のところ、人気の高いアーティストのライヴ盤が初登場したことを喜んでいるだけで、それ以外には興味がない、ということだ。これは、たとえば『バルビローリ/BBCライヴ』といったシリーズを望むということだと思うが、それでは、このシリーズのほんとうの面白さは生きてこない。
 私は、そうした発言を耳にするたびに、このシリーズは、意外なものを聴くほど面白いのだと強調したが、それは、当シリーズを丹念に聴いてきた方ならば、おわかりいただけると思う。モーツァルトとヤナーチェクばかりが話題になるマッケラスのマーラーからは、彼がヤナーチェクに出会うきっかけともなったプラハでの勉学の成果が感じられるし、レッパードのフランス音楽では、バロック音楽のスペシャリストの個性的なドビュッシーを聴くことができた。ウィンナ・ワルツのボスコフスキーが、ロンドンのオーケストラの持ち味にすっかり従ってしまうのは、このシリーズでなければ聴けない滑稽な真実なのだ。
 多くの亡命者を受入れてきたのも、イギリスの音楽界だが、ボヘミアからやってきてロンドンのオペレッタ劇場の職についたタウスキーや、ポーランドの作曲家=指揮者パヌフニクなどが、祖国ゆかりの音楽を新天地イギリスで指揮している演奏には、有名アーティストばかりを聴いていては得られない魅力があった。
 ハンガリーのピアニスト、アニー・フィッシャーの貴重な放送録音や、ダリウス・ミヨーの自作自演、ストコフスキー最後のコンサート、バルビローリ/ハルレの最後のロンドン公演、ソ連との関係が険悪になった時期のロストロポーヴィチ夫人を交えたショスタコーヴィチ作品の演奏会、ポーランドの政情不安に呼応したポーランド音楽の夕べなど、ドキュメントとして第一級のものも数多い。
 ホーレンシュタイン、マルケヴィッチ、ザンデルリンク、ケルテスなどのライヴは、彼らのスタジオ録音では表われていない面を赤裸々に聴かせてくれて、ケルテスの場合には、この指揮者がウィーン・フィルにこよなく愛された理由の一端を聴いた思いがしたものだ。
 ロシアの俊英ロジェストヴェンスキーがロンドンっ子をサッカー競技場のように燃えさせたレニングラード・フィルを引き連れてのチャイコフスキー「第4交響曲」の記録から、やがて、BBC響の主席指揮者となって、自国の音楽の紹介と、イギリス音楽への理解とに挑戦を続けた数年間の苦闘は、個々に聴いていただけでは得られない興味深い示唆に富んでいた。
 もちろん、ロンドン名物のプロムスでの録音も数多く含まれていて、そこではボールト、サージェント、グローヴズ、プリッチャードといったイギリス紳士と目される巨匠たちが、生命力にあふれた音楽を演奏している普段着姿を聴くことができた。軽音楽系と言ってもよいロバート・ファーノン、アシュリー・ローレンスといった指揮者のコンサートの楽しさからは、イギリス音楽界の層の厚さと、音楽の喜びを享受する率直さを感じた。
 彼らやエドワード・ダウンズ、ヴァーノン・ハンドリー、ジェームズ・ロッホラン、そして自作自演のアーサー・ブリス、マルコム・アーノルドなどからは、イギリスの作曲家の魅力あふれる秘曲をずいぶん聴かせてもらった。系統立った構成で厳選されたアルバムに仕上がっていたので、初めて聴く作品ながら耳に馴染みやすく、「こんないい曲がなぜ知られていなかったのだろう」と思うこともしばしばだった。これらの作品をこのようにまとめて聴ける機会は、もう二度と訪れないかもしれない。
 《BBC-RADIO クラシックス》シリーズは、個々のアルバム自体の力もそれぞれに持っているが、それを補って余りあるのが、「総体」として捉らえられたものの持つ意味だったと思う。スタジオや最近のライヴまがいの正式なセッションで録音された音楽が「公式記録」だとすれば、演奏会をそのまま記録した放送音源などのいわゆるライヴ物は、言わば「非公式記録」というべきものだろう。そうしたものは、様々な記録を重ね合わせると、「公式記録」以上に、真実の姿に辿りつくことができるが、単独では、大きな誤解や錯覚をも生みかねない。私たちが、《BBC-RADIO クラシックス》シリーズから得たものは大きかったと思う。演奏家とレコード会社との契約問題など、様々な難関があるようだが、このシリーズが再開されることを切に望んでいる。(1998.4.21 執筆)

《このブログへの再掲載に際しての付記》
 最初の段階では、イギリスでの発売が規格番号順だったので、日本でも、まったく同じ順序で発売されていたのですが、80枚目あたりからイギリスでの発売順が乱れ始め、その影響もあって、日本での発売順とで、かなり錯綜するようになっていったという記憶があります。
 最後の一枚を待っている間に、それらを比較検討して、日本での発売元「日本クラウン」の担当ディレクター氏にレポートを送り、「欠番」を指摘しての問い合わせをお願いした際のメモ書きが保管されていたので、近いうちに、このブログ上に掲載します。たしか、この「欠番」は、私も個人的にその後、2~3年にわたって追い続けたはずですが、欠番のままだったと思います。どなたか、新事実をご存知の方がおられたら、ご連絡ください。


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