
先日、ひょんなことから「ワルソー・コンチェルト」(リチャード・アディンセル作曲、ロイ・ダグラス編曲)が話題になりました。翌日、すぐに、このブログ用に以下の文章をメモ書きしたのですが、いろいろと手の離せない仕事があって、仕上げと写真のUPに手間取ってしまい、本日の公開となりました。
じつは、私、この妙に思い入れたっぷりのベタな音楽が耳に残ってしまって、いろいろ調べてみたことがあるのです。ですから、目に付いたときには購入するようにもしてきましたが、ビアンカ盤は見落としていました。この曲の録音としては、かなり初期のものだと思います。
「ワルソー・コンチェルト」は、昔読んだことのある解説(岡俊雄さんだったと記憶しています)によれば、『危険な月光』という日本未公開映画の挿入曲だということです。その映画のビデオというかレーザーディスクというか、あるいはVHD、DVDと、新しいメディアが出てくるたびにチェックしているのですが、私は未だに観たことがありません。したがって、サウンド・トラックの音も耳にしていません。ネット情報では弾いているのはイギリスのピアニスト、ルイス・ケントナーだそうですが、画面クレジットを見ていないので鵜呑みにはできませんし、伴奏のオケと指揮者もわかりません。
この曲を始めて耳にしたLPはコンサートホールの10インチ盤ですが、誰の演奏だったか、どこかに紛れてしまっていて、思い出せません。アントルモンだったかも知れません。また、私が所有しているCDは、下記の3点です。この映画について、あるいは他の録音について、何か情報がありましたら、お教えください。
●イサドール・グッドマン(ピアノ)
パトリック・トーマス指揮メルボルン交響楽団
独DGG 1981年録音 演奏時間:8分03秒
●クリスチーナ・オルティス(ピアノ)
モーシェ・アツモン指揮ロイヤル・フィルハーモニー
英DECCA 1984年録音 演奏時間:9分08秒
●ゲオルク・ライデル又はジョージ・ライダー(ピアノ)
アントン・ナヌート指揮リューブリアナ放送交響楽団
蘭Selcor(Grand Gala) 1990年頃録音 演奏時間:8分36秒
オルティス盤(冒頭写真)のしなやかな抒情味は、なかなか魅力的です。
その他の盤も、ご参考までに写真を掲出します。

右側のナヌートのものは、CD初期の廉価盤ワゴンセール物で、当時「石丸電気」が直輸入盤として日本語帯を巻いて販売していたものです。原盤ソースは違うはずですが、それは「ナヌート・マニア」にお任せしましょう。
ちなみに、オルティス盤のカップリング内容がなかなか面白いので、ご紹介します。
いずれもガーシュインの作品ですが、演奏者が変わっています。
●「キューバ」序曲
ロリン・マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団
●「ラプソディ・イン・ブルー」
●「パリのアメリカ人」
スタンリー・ブラック指揮とピアノ
ロンドン・フェスティヴァル管弦楽団
●「《アイ・ガット・リズム》変奏曲」
ダヴィッド・パークハウス(ピアノ)
バーナード・ハーマン指揮
ロンドン・フェスティヴァル・レコーディング・アンサンブル
マゼールは有名な録音ですが、こんなところで、スタンリー・ブラックやバーナード・ハーマンといった映画音楽畑、ポップス・コンサート系の演奏家のガーシュイン録音が手に入るとは、思ってもいませんでした。ちょっと興味深い演奏です。思わぬ副産物でした。
もちろんワルソー・コンチェルトとの関連は知らなかったのでタイトル・バックで流れてきたのには大変驚きました。記憶が定かではないのですが、確か主人公はポーランドの空軍パイロット兼コンサート・ピアニストで、後に英国へ亡命し空軍に参加するという内容。
冒頭英国の病院の一室で(記憶喪失症の患者である)主人公が窓辺に立って外を眺めている場面から始まる、一種の回想物です。途中の亡命前に軍服姿でオケをバックに演奏会場で聴衆を前にこのコンチェルをほぼ全曲を通して弾く場面が非常に感動的です。実際にはケントナーが担当している、というのは多くの資料からも間違いのないところでしょう。ただ、画面には名前が出てなかったような・・・・。
さてこの映画のDVDは数年前に英国から発売されていますが、わざわざ取り寄せるまでもなく、日本のアマゾンから入手可能です。2,000円前後(数店からの出品あり)で、また送料は350円くらいです。当方は日本語以上に英語が不得手なので、ずうっと購入を躊躇しております。
次に現在2枚のワルソー・コンチェルトのCDが手元にあります。
(1)D・アド二独奏 K・オルウイン/ボーンマス響(英CFP)
(2)マーティン・ジョーンズ独奏 指揮者同上/ロイヤル・バレエ・シンフォニア(英ASV)
2枚ともステレオ盤(後者はデジタル録音)。
最後にコンサート・ホールから発売のステレオ盤について。日本盤25センチのレコード番号SM-202でよろしいということであれば、
ピアノ独奏はジョルジュ・ヴァンサン、伴奏はフレッド・ヘンドリック指揮のコンサート・ホール・プロムナード管です、尚組み合わせはビアンカ独奏のガーシュウィン/アイ・ガット・リズム変奏曲とアントルモン独奏のラプソディー・イン・ブルー。