対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

2つの線分が消えた理由8

2021-12-24 | 楕円幻想
理由5で、「「円周距離」と「直径距離」は、端緒での「正割」と「半径」を一般化したものである。」と書いた。読み直していて、これは一方的で一面的な表現である、修正しようと思った。正割と半径が起点ではなく、面積法則で解決の方向を見出した円周距離と直径距離が背景にあって、円周距離と直径距離の関係が正割と半径の関係に着目させたということを追加しようとしたのである。これが面積法則と楕円発見との端的な関連を表すものと思われたのである。

ところが、さらに考えていると、「正割」と「半径」を起点とする見方は違う意義があるように思えてきた。40章の図において円周距離と直径距離の関係は明らかだが、ケプラーはそのタームを使っていない。56章の末尾ではじめて「直径距離」が出ているのである。そして57章、59章で「円周距離と直径距離」の関係は明確になっている。
56章の「目覚め」のときは、タームとしては「円周距離」も「直径距離」もなかった。ケプラーは言葉にならない深いレベルで考えていたのだろう。「円周距離と直径距離」は「正割と半径」に着目させた。他方で「正割と半径」を一般化したものが「円周距離と直径距離」という側面もあったのである。

これを56章ではじめて「直径距離」が出て来る理由としておこう。

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