対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

カタランの三角形4

2020-01-24 | パスカルの三角形
カタラン数の変数は1つ(n)だが、カタランの三角形の一般項(数列)を求める場合、変数は2つ(nとm)必要になる。変数mは0≦m≦nの変域をもつ。

カタラン数を導くとき、n×nの碁盤目状の経路を考えたが、ここではn×mの碁盤目状の経路を想定して、最短経路を求めよう。


上の図で、P から Q への最短経路の総数(n×mの碁盤) は、(n+m)!/n!m!通りある。ここから範囲外の経路を除く。
範囲外へ初めて出る点を R とする。P→R の経路(緑色)を赤い線で折り返すと、P'→R (橙色)となる。P→R→Q (緑色)の経路はP'→R→Q (橙色)の経路と 1 対 1 に対応する。P'→R→Q の経路数は、(n+1)×(m-1)の碁盤に着目して、(n+m)!/(n+1)!(m-1)!となる。したがって、求める最短経路数は、(n+m)!/n!m!-(n+m)!/(n+1)!(m-1)!となる。これを計算する。

(n+m)!/n!m!-(n+m)!/(n+1)!(m-1)!
=((n+1)(n+m)!- m(n+m)!)/(n+1)!m!
=((n+1-m)(n+m)!)/(n+1)!m!

これをCn,mとしよう。
すなわち、
Cn,m=((n+1-m)(n+m)!)/(n+1)!m!
である。これがカタランの三角形の一般項になる。

nが与えられたときのmは、0≦m≦nの範囲を動く。(n+1-m)の因子は項数を制約する因子となっている。
n=3で、具体的にみておこう。このときmは0≦m≦3で、4つの数列ができる。
C3,0=4・3! /4!・0!=1
C3,1=3・4! /4!・1!=3
C3,2=2・5! /4!・2!=5
C3,3=1・6! /4!・3!=5

m=nのときは、
Cn,n=((n+1-n)(n+n)!)/(n+1)!n!
=1・(2n) ! /(n+1) ! n !
=(2n) ! /(n+1) ! n !
=1/(n+1)・( 2n) ! /n! n!
=1/(n+1)・2nCn
となり、カタラン数となる。

いま、縦方向に0≦n , 横方向に0≦m をとろう。0≦m≦nで、
Cn,m=((n+1-m)(n+m)!)/(n+1)!m!
を計算していくと、カタランの三角形になる。
最初から順序よく計算しなくても、直接、任意の細胞(C)の数を求めることができる。例、C7,4=4・11! /8!・4!=165。
1111111111111111111111111
11
122
1355
1491414
1514284242
16204890132132
172775165297429429
1835110275572100114301430
11119144154
42910012002343248624862






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