北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

札幌に住むおやじが北海道を中心に鉄道旅の話題や無線の話題も織り交ぜてぼやきます。アマ無線のコールサインJA8HBO

最近撮り貯めた写真・SLニセコと711系赤電車

2014年10月28日 | 日記・エッセイ・コラム
10月の中ごろからは登別(温泉ではありません)の母の通院介助もありますし、仕事も忙しいので、一日散歩切符も少しの間、我慢です。
でも、知人から譲り受けたフジのfinepix・s8200(通称ネオ一眼)を使いこなしたくて折を見てはいろいろと写してきました。

母の家に行く時は、高速道路を途中で降りて経費を節約していますが、国道36号線と室蘭本線が並行していることを利用しない手はありません。
母のところでは風呂に入り難いので、いつも行き帰りに虎杖浜温泉に入るのですが、近くの虎杖浜駅で「パチリ」が習慣になりました。   

毎朝の散歩のついでに、家の前を通る赤電車を取るのも習慣です。岩見沢発札幌行きの144M列車が札幌から手稲まで回送される姿を見ることができる立地は実に恵まれています。
     
今年で最後といわれるSLニセコ号を見物に、車で40分ほど走って小樽市蘭島駅付近まで行くのも、手軽な気晴らしドライブです。3週連続通ってしまいました。家内は呆れていました。
本音では、切符を買ってキハで蘭島駅に行きたいところですが、週末といえども顧問先を訪ねることもあり丸一日休めませんから、不本意ながら車を使います。
Faicebookにニセコ号の写真をアップしたところ、鉄道に乗れとコメントされましたが、事情を知らないとはいえ、私にとっては忸怩たるものがありました。
根っからの乗り鉄の私に放つ言葉としては不適切なのですがね(笑)
      

朝日新聞 JR北海道・島田社長 単独インタビューに思う

2014年10月21日 | うんちく・小ネタ


10月18日の朝日新聞朝刊の北海道版に「JR北海道・島田社長 単独インタビュ」と題した記事が載った。私見も交えて要点を紹介したい。
島田氏は東大経済学部を卒業後、1980年に当時の国鉄に入社。JR北では人事課長、営業部長を経てJR北海道ホテルズ社長から今年4月にJR北海道の社長に就任した。
技術畑ではないということだ。営業部長も経験しているが、私としては事務系の方とお見受けする。倒産しそうな会社は、最後は経理事務屋が強くなると、昔聞いたことがあるが、その通りなのか

では、インタビューの概要から
1.就任から半年が過ぎた印象
安全な鉄道会社に再生する基盤作りを5年で終わらせるためのメニューを洗いなおす日々だった。「疾風に勁草を知る」の気概を持てと社員に言ってきた。(困難にあって初めてその人の意志の強さが分かるという意味)
2.一連の問題はなぜ起きたのか
安全投資に対する真剣な姿勢が経営陣に足りなかった。倒産していても不思議ではない事態にもかかわらず対処療法で終わらせていた。
3.特急の減便減速の解除の目処は
明言できない。安全を支える技術力を再生するために必要な技術者も40代(ベテランという意味か)が少なく、大量退職する(50代後半の社員のことか)技術者の穴を中途採用で埋めるにも1~2年では難しい
4.新型特急の開発中止による社員の士気の低下をどう維持するのか
安全問題から導入は出来る状況ではなかった。ただ、鉄道マンとしての誇りや働きがいを持ってもらえる会社にしたい。日本航空に学びたい。
5.労働組合の問題
会社再生への思いは同じ。経営陣が気がつかない問題提起もある。耳を傾けて会社の責任で実行する。開かれた労使関係にする。
6.人口減少社会での鉄道の姿
新幹線を武器として観光による交流人口を増やす。ただし札幌延伸までは効果は得られない。工期短縮が望ましい。
7.安全投資と修繕のための5カ年計画の見通しは
過去の計画を相当上回る投資額となる。全事業をこれまで通り維持するのは困難なうえに資産の売却も視野に入ってくる。ただし人員削減は安全問題からもするべきではない。
8.7割を超える不採算路線の問題
具体的な計画は無い。札幌圏での利益を他の路線に廻しているが、本来は新型車両や快適な駅舎の形で札幌圏の利用客に還元すべきだ。それすらも出来ないときは、しっかり議論していく必要が出てくる。


残念だが、非常に抽象的な内容といわざるを得ない。
大げさでもなく、倒産寸前の企業のトップとしては、氏には荷が重いのかもしれない。
やはり、強引にでも、他の企業から人材をリクルートするべきだったのかもしれない。
JR東日本からのお二人に期待する向きもあったが、経営破たんに近い修羅場のご経験が無いことから、残念だが多くは期待できないようだ。
このまま、資金がないからあれも出来ない、これも出来ないだけでは、利用客は離れ、社員の士気も下がる一方だろう。
具体的な計画は年末までに策定される5ヵ年計画を待つことになるが、当面は守りの姿勢ということだろうか。
不採算路線については遠まわしながら、「しっかりと議論」という表現で廃線を匂わしていると、私は感じた。

肝心の札幌圏の維持が出来ないようでは本末転倒ということになる。国が現状程度の支援の域を出ないのであれば、大胆な廃線はやむを得ないことだろう。それは新幹線の札幌延伸を待たずに議論し実行すべきなのかもしれない。

紅葉の山線を走るSLニセコ号に惜別乗車

2014年10月14日 | 旅行記
   
2000年から運行されてきたSLニセコ号は、新型のATSの搭載が難しく、また、道新幹線の開業準備を優先させるためにも今年度を最後にSL函館大沼号、SLはこだてクリスマスファンタジー号とともに運行取り止めの方向で検討されていると報道されています。
最近、私が聞いた話では、山線のレールの規格を現在よりレベルダウンさせる方向とのことなので、重量のあるSLの走行は物理的に不可能となります。
したがって、今年度で廃止というのは決定のようです。
  
さて、10月11日は鉄道ファンの若い仲間と共にSLニセコを乗る・撮るの二手に分かれて楽しみました。
グループで最高齢の私は撮影が苦手なので往復を乗車しました。
朝、8時31分札幌を発車して、DE15(DL:ディーゼル機関車)に牽引された列車は小樽までDLニセコ号状態で走ります。
小樽到着後、DLは後ろに連結されて蘭越まではSL・C11-207を補助する形になります。このSLも、ボイラーが老朽化で相当に力が落ちていますし、万一故障や石炭の補給の問題もありますから、これはやむを得ないのでしょう。
蘭越からはDLが先頭で、そのまま逆向きで倶知安まで戻ります。
倶知安ではSLとDLの位置を交換してニセコまで乗客を迎えに走ります。
その後は往路とほぼ同じ形で、逆向きになったSLが先頭になって小樽まで帰ります。

当日は多少雲がありましたが、紅葉も見ごろで羊蹄山の山頂も白くなっていたりして、撮影には悪い条件でなかっただろうと思います。
撮影部隊の写真を見ると、実に見事なものです。
倶知安ではお祭りも開かれていたり、ホームには「ジャガ太くん」もお出迎え。イベント列車らしい楽しさが満載でした。車内では一日車掌さんが終点小樽近くでベルを鳴らして歩いたり、女性添乗員から沿線の紹介があったり楽しさ満載です。
  
最後ということで指定席は最終の11月3日の分まで売り切れているようですが、倶知安と蘭越間は指定席無しで乗車できますし、復路は小樽で下車する人が多く、小樽→札幌は指定席が取れるかもしれません。ただし、SLというよりDL先頭になってしまうのが残念です。
それでも旧型客車の旅の雰囲気は楽しむことが出来ます。

旅のグルメには無頓着な私ですが、今回は同行の方が余市でアップルパイをご馳走してくれたり、昼食に入ったニセコ駅のカフェでは美味しいカレーにありつけました。

残り7回運行されますが、もう一度自由席区間だけでも乗ってみたいと画策する私です(笑) 
           









残り5ヶ月ほどになった711系国鉄型電車の晴れ姿

2014年10月08日 | 日記・エッセイ・コラム

トップの写真はツアーに参加した知人の高校生が撮影してくれたものです。<m(__)m>厚く御礼します。
「711系国鉄型電車で行く道央縦断の旅」と銘打ったツアーが10月5.6日に行われました。
日曜、月曜で室蘭での一泊という日程、さらに約3万円という料金のためか申し込みの出足は鈍かったのですが、同時に道北で行われた「スターライト利尻」のツアーと合わせて大手メディアで報じられてから急速に申し込みが増えて、最終的には募集定員に達しての催行となったようです。

いまさらになりますが、711系国鉄型電車は今年度を持って運用から外れます。すでに8月30日のダイヤ変更以後、運用便は半減し、岩見沢・滝川・旭川間で6往復が運用されているだけになりました。
現在、札幌圏で見られるのは朝と夜の岩見沢回送を兼ねた便の2便だけとなっています。
かつて14編成あった車両も、現在運用されている7編成までに減りました。2編成を中2日で1日運用し、予備が1編成で7編成と言う勘定です。
今回のツアーに使用された車両は5年ほど前に国鉄色に塗り戻された2編成の片方のS110編成でした。
もう片方のS114も2日目の帰途に滝川駅ホームで並ぶと言うエンターテインメントもありました。
この2編成は、現在導入が進められている新ATS装置を装備していないため、近く休車扱いとなるようです。

写真は拙宅近くの函館本線踏み切り付近と札沼線八軒駅付近の市街地の高架、さらに同新川駅でのものです。
札沼線を通過することは、おそらくこれで最後になりますし、いままで撮影したことが無かったので、記念にと思って出かけました。
先客の10名ほどのファンの方々とホームの片隅で楽しく撮影させていただきました。
新川駅から新琴似方向は高速道路の高架をさらに高架で跨ぐので、相当な勾配です。
電化前は、朝のラッシュ時にキハ141の6両編成が勾配の途中で停止寸前になったものだと運転士さんから伺ったことがあります。
         

幻の新型特急・JR北海道の「キハ285」甲種輸送

2014年10月02日 | うんちく・小ネタ
  
JR北海道が、2006年から25億円の巨費を投じて開発していた新型特急の開発を中止し、ほぼ完成していた試作車は2016年度を目途に線路等の検査車両への転用を検討すると発表してから1ヶ月近く経ちました。
車両は川崎重工業並びに鉄道総合研究所と共同で協力で開発ししてきましたが、8月頃には川崎重工の工場内でほぼ完成した姿が目撃されていました。
開発は中止したものの、完成した?試作車の納車は行われ、9月26日に出庫、同28日には甲種輸送で北海道まで輸送されました。
(甲種輸送→被輸送車両自体の車輪を用いて走行し、JR貨物の機関車の牽引で、貨物列車扱いで輸送する方法)

この車両はディーゼルエンジンを電気モーターでアシストして走るモーターアシスト(MA)方式のハイブリッド走行機構を持ち、省エネルギーとCO2などの排気ガスの低減を実現した画期的な車両です。
さらにカーブの通過性能と乗り心地を向上させるために、空気バネ車体傾斜と振り子式の二つによる「ハイブリッド車体傾斜システム」を搭載しているという、いままでの鉄道車両には見られない新機軸の新型車両です。
振り子式の欠点であり、乗り心地を損なう原因である動作時の床面の移動量を大幅に縮小しながら、空気バネを併用することによって車体傾斜角度は283系より多い8度となるため、曲線通過速度が+50Km/hとなり、所要時間の短縮が期待できます。

ただ、これだけのシステムとなると、導入時の費用も当然に高額となるだけでなく、曲線部分の線路には厳格な保守整備が求められ、なおかつ使用時の整備コストと整備部門への負担は大なるものがあります。

現在、JR北海道は石勝線での炎上事故、大沼での脱線事故等をきっかけに保線、車両整備、運用などで多くの問題点が顕在化し、まさに「再建途上」の状態です。
「再建」のためには多額の資金の投資が必要ですが、まだ資金の確保の目処も立ったとはいえない状態だと、社長が社内での「再生会議」で発言したとの報道もありました。

このような中で、現状新型車両は経営的には重荷となるばかりでメリットは少ないと判断したのはやむを得ないと思います。
ただ現在、特急に相当数を使用している183系は名車の誉れは高いものの経年劣化は隠しようも無く、延命措置によって何とか運行させている状態です。
そのため、予定していた新型車両の大量導入の代わりに、現在運行している特急用車両の中で最も新しく、かつ安定した運行を実現している261系を、今後160両増備していくとの方針が打ち出されました。
結果、いずれ北海道の非電化区間を走る特急は261系に281・283系の高年式車という時代が近い将来訪れるわけです。
今回、開発を中途で断念したハイブリッド走行システムは省資源とCO2等の排出削減には大きな役割を果たす技術です。JR東日本が一部実用化しているシリーズ式は、リゾート列車や、話題づくり的に短距離のローカル線での運用にとどまっており、増車の話も聞きません。
電気式ディーゼルにバッテリーを付加したようなお手軽ハイブリッドでは、用途も限られるからでしょうか。

今回の開発中止は、役員を派遣している冒険嫌いのJR東日本の意図も強く働いたものと考えるのは、私の邪推でしょうね(笑)。

JR北海道には、今回の新特急車両の開発によって得られた技術的な成果を生かして欲しいものです。
そして、さらなる新車両の開発のためにも、検測車として使用する試作車の新システムから得られる様々なデータを収集活用して欲しいものです。

特に、普通列車で多用されているキハ40等の旧式気動車の後継車の開発は焦眉の急となっています。
今回得られた開発の成果を役立てる場面はけっして少なくないと考えます。

私は、現在のJR北海道の特急車両の中では261系が最も好きですから大歓迎です。
ただし、それは車体傾斜装置が装備・活用されているとの前提の上です。
一部報道と巷間ささやかれている車体傾斜装置の廃止は反対です。現在、261系の同装置は作動を停止されています。そのため、スーパーとかちにいたっては所要時間が10分近くも増加するという弊害を生んでいます。
車体傾斜装置に空気を圧送する装置の不具合の問題との話も漏れ聞きますが、JR北の公式な発表は線路と装置の保守の関係で安全確保のためだとしており、齟齬を感じます。安全・安全とお題目を唱えれば、社会がすべて許してくれる、待ってくれると信じ込んでいる様子も伺えます。
私は安全をないがしろにしろと言うつもりは毛頭ありません。ただ、この会社には、なんでも秘密にしたがり、取り繕うような閉鎖的な社風を強く感じるのです。
その一方で、列車の運行情報を一部の鉄道ファンにたれ流すなど、一貫性も感じられません。
社員全体に広がる親方日の丸意識と、自分は関係ないという風土も感じます。
駅で談笑するなとは、言いませんが、近くを利用客が通ったときに、口を閉ざしてしまうような話題はやめて欲しいものです。

今回の甲種輸送は、偶然に室蘭近郊の登別の母の家に行く用事と重なり、東室蘭のJR貨物ターミナルで待機している姿を撮影できました。