北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

札幌に住むおやじが北海道を中心に鉄道旅の話題や無線の話題も織り交ぜてぼやきます。アマ無線のコールサインJA8HBO

最近のラジカセの低品質さに驚いた

2017年12月21日 | JR北海道 JR北
先月、通販で東芝のTY-CDX9 N [SD/USB/CD ワイドFM対応]というラジカセを購入した。

長く使ったTEACのカセットデッキが不調になり、ネットでカセットデッキを検索したものの、TEACにCDブレーヤーと一体になった1機種しかなかった。ICの入手困難からドルビーも無く、オートリバースでもなかった。実物を見て、小さなピンチローラーに驚き、購買意欲は消えた。

結局は、どうせ仕事のBGM用なので、それなりの音が出ればよいしという事でUSBメモリーとSDカードの録再に対応したところが気に入った東芝のTY-CDX9を通販で購入した。

近くの量販店より2000円も安い10100円は買い得と考えただ。
現在、ONKYOのミニコンポで衛星ラジオのミュージックバードのクラシックチャンネルを聞いたり、USBメモリに録音している。
ただ、USBメモリとの相性が悪く録音を失敗することが多いので、本器には外部入力端子もついており予備にと思った次第。
メインシステムはは30㎝ウーハーのビクターの2ウェイSPとケンウッドのプリメインアンプだが、仕事中は聴かない。

さて、注文して2日ほどで大阪から荷物が届いた。
さっそく開封して古いソニーのラジカセ(嫁いだ娘のお下がりで15年以上前に買ったもの)のあった場所に設置。さっそくカセットテープを入れて試聴・・・・・・((+_+))
ピアノの音が濁ってがまるでオーボエのように聞こえるし、テープが回る動作音も大きい。
「あ~こなんものか」と落胆しながら、せめてUSBメモリーの録音と再生でも使えればと、外部入力に衛星ラジオのチューナーを接続して楽しんでいた。
しかし、ちょうど流れていたラフマニノフのピアノ曲の静かな部分で音が途切れる。
良く聞くと音と音の間でピアノの余韻が消えている。
録音のせいかなと思ったが、試しにウォークマンをつないでウォークマンのボリュームを下げていくと、ある時点で音が消える。
早速、販売会社に連絡すると初期不良という事で交換となった。

しかし、交換された商品も全く同じ症状が出る。やむを得ずメーカーサポートに電話して、いろいろと聞かれたり、操作をしてみたりしたが。、結局はこの状態が「正常仕様・所定仕様」という事だった。
要するにカラオケなどの利用を前提に作ってあるので、微細な音など再生できる代物では無かったのである。
おそらくは、アンプはデジタル処理でアナログ入力信号からデジタル信号への変換がうまくいっていないのだろうと思う。それはFMでも同様の症状だったので推測できる。

メーカーから一応はチェックするからSS(サービスステーション)に持ち込めと言う。自宅からSSまで片道30キロ。冬なので往復3時間はかかるし休日は休みだと言う。
あきれて、再度販売会社に連絡すると、たしかに持ち込み修理の商品だが対応に問題があるとして、返品、返金という事になり、運賃着払いで返送して数日後に口座に代金が振り込まれた。非常に快い対応だった。
通販会社は大阪の上新電機さん。さすがに関西はご商売に隙が無い。

音の揺れはともかく、小さな音の再生ができないなどと言うのは、音響機器としては大きな欠陥だろう、このような商品を平然と売り続けるメーカー。日本の技術力は間違いなく落ちている。
さらに言えば、消費者を軽く見ているし、消費者のレベルも落ちている。電気店で聞かれる「重低音」という名の「中低音」に満足している聴覚では、ろくなものは買えないし、簡単にメーカーに引っかかってしまう。
 実はながら聞き用の現用のONKYOのミニコンポも、購入当初はFMが聞こえず、訪問修理で直してもらっている。コストダウンと各社が部品供給と組み立てを委託しているのが中国というのが原因とは言いたくないが、日本メーカーの依頼する仕様と品質チェックに問題がありそうに思う。

まあ、とにかくカセットテープの音揺れは激しいものだった。あれがカセットテープだ、「昭和」だなどと若い世代には勘違いしないでほしい。
カセットテープの音質はあんなものではなく、本当に素晴らしいダイナミックレンジと暖かい響きを我々に提供していたのだ。
 カセットテープそのものは今後も市場から消えることは無いとされている。だからこそ、各メーカーはもう少し気合を入れた製品を世に出してほしい。
現在わが仕事場では二つのラジカセが活躍している、音の周波数レンジは狭いが、音揺れも許容範囲。楽しんで使っている。

15年以上前のSONYのラジカセはワイドFMも聴けて重宝だ


20年以上前のメーカー不明のシンガポール製のWラジカセは、先日電源が故障したが、半田ごてを久しぶりに持って修理。リッブルや音揺れも多少出てきたが、まだまだ現役。ただしラジオは危なくなってきているので最後は近いかも。


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鉄道の問題だけでなく、公共交通全体を語ろう

2017年12月20日 | JR北海道 JR北

JR北海道が、自社単独では存続と運行が難しく、さらに3年後には資金繰りの困難さから企業としての機能が停止すると発表して約1年が経った。
先日、JR北の再生推進会議の委員の一部が「有志による声明」という形で議論の推進を各方面に訴えると言う事態に至っている。
今後、1年という期限を区切って結論を出せという内容であった。
 私としては、同会議の委員が言うように、この1年を無駄に過ごしたとは思っていない。先日のシンポジウムでも言われていたが、各沿線自治体では住民の意識調査・動態調査などを始め、首長や国会議員その他の関係者、有識者や学識者を招いての各種会合が開かれていた。
そのすべてが報道されているわけでもなく、事の重大性から、目立った進展も当然に無いので、委員の方々は実に歯がゆく感じたのであろう。
  考えてみてもほしいが、一市町村ならともかく、広い北海道を多くの市町村に跨って走る2500㌔の二分の一の距離の路線に関した存続・維持の問題をわずか一年で検討、解決できるわけがないのは自明の理である。

JR北が言う上下分離は、財政状態が厳しいすべての自治体にとって、容易には受け入れることのできない提案であり、「はい、そうですか」と受け入れて、方向性を示すこができるわけはない。
 しかし、そのような中、ここへきてようやく具体的な動きが、少しづつ顕在化してきた。
まずは、根室線(花咲線)沿線で、上下分離へ向けた検討の動きである。
財源としては、若桜鉄道を参考にいわゆる過疎債を活用しようというものであり、会合の中でJR北の西野副社長から示された。
上下分離自体に難色を示す北海道の幹部からは、真っ向から否定する声も出たと言うが、根室市としては検討に入ったようだ。
 なお、過疎債は過疎地域自立促進特別措置法に基づいて発行される地方債で過疎地域に該当する市町村に限り発行が認められ、国からの地方交付税が増額されるため、元利償還の負担がは少なくなるというものである。
おそらくはJRが国交省から助言を受けた提案と思われるので実現性はある。北海道の189市町村のうち149市町村が過疎地域に指定されていることからすれば、一つの選択肢にはなる。


さらに、高橋道知事が鉄道運輸機構の特例業務勘定(いわゆる事業仕訳で明らかになった同機構の埋蔵金の一つで、国に返還され、機構経由で鉄道事業者に交付することになっている。JR北はすでに2800億円を貸与や基金積み増しの形で支援を受けている)を活用した支援の仕組みを策定するよう国に対して要請した。
ただし、これは上下分離ではなく、鉄道施設や車両への設備投資への支援を想定しており、JR北の提案とは大きな隔たりがある。
さらに各自治体にも財政負担の役割を持たせるという。
ただし、道を含む自治体が直接支援するのではなく、現存の北海道高速鉄道開発のような第三セクターに担わせることを念頭に路線維持の仕組みを詰めていくと言うものだ。
国からの支援が一時的なもので終わる懸念もあり、はたして、将来に渡って路線を維持できる継続性があるのかが問われる方策ではある。

 さて、ここにきて動きが出てきたとは言っても、ほとんどが「鉄道の存続のための施策」だけが中心となっているのは、必ずしも良い展開とは思えない。
果たして利用者の利便性を前面に出したものかどうかは不明であるが、今年度末までに出るであろう、道の総合交通政策検討会議の答申によって、北海道の公共交通の体系が示される。
それによって、すべての鉄道路線が残るわけではないことは明らかな中、夕張市を除いては、いまだに代替交通などの検討が全くなされていないことに不安を覚える。

今までの廃止路線では、存続に動いた人たちも廃線が決まった途端に潮が引くように消えてしまい、雲散霧消してしまったという。
残ったのは乗合タクシーと小型バス。
 たとえば、江差線廃線後のバスも廃線当初は便利になったと乗客でにぎわったが、利用客の減少が続いているそうだ。
やはり、ただ代替バスを走らせればよいと言うものではないことの教訓にはなっている。先日も留萌・増毛間の乗合タクシーにまばらな乗客しか乗らない様子が報道されていた。
 廃線が決まってから、あわてて代替交通の確保に動き出しても、行き当たりばったりの不完全な交通体系が残るだけであり持続性に不安が残る。
それでは、大きな犠牲を払って鉄道を廃止した意味が失われてしまうではないか。

本当に必要な鉄道路線か、別の交通手段で良いのか、そうならばバスなのか、デマンドタクシーなのかライドシェアなのか、北海道民が一丸となって考える時が来ていると思う。国も地域公共交通活性化再生法でそれを求めている。
知事や地元選出国会議員を頼ったり責める前に、自らが考える時だ。新聞やテレビで報道された内容や、シンポジウムで識者が語ったことに反発して、反論ばかりしていても何も進まない。

今回、過疎債や特例業務勘定を活用すると言う案が出ているが、「国民のお金」を使う事なのだから、北海道民として公共交通を維持するという明確な意思表示をしなければ国民の理解を得ることはできないだろう。
 
このJR北海道の問題に札幌圏の住民が少し、無関心なのではないか。先日の札幌のフォーラムは、道が用意した会場の関係もあろうが、網走の会合と同程度の350人の参加であったし、多くは「自治体関係者か公共交通関係者」とみられる様子で、とても「オール北海道」などとは言えない。参加の申し込みを開催前に打ち切ったというのは、当初から参加人数を少なく見積もっていたのは間違いない。当日、コンベンションセンターや教育文化会館などは空いていた。
本来、多くの「一般市民」が事前申し込みなしで自由に参加できる会場を確保すべきであったのではないか。
また、開催の広報が期日が迫ってからであったことにも併せて疑問が残る。
やはり知事のアリバイ造りだったのか・・・・・。

さて、札幌市民の話に戻る。JR北海道が万一立ち行かなくなった時はもちろんだが、地方あっての札幌経済だと言うことを忘れていはいけない。
真冬に稚内、網走に車で出張するのか。バスの予約が取れなかったら出張はしなくて良いのか。
そして年間230万人にもなるインバウンド観光客の半数は、札幌から道内各地に向かう時は鉄道で移動している実態があることも忘れてはならない。
ジャパンレールパスは昨年度10万枚の需要があったそうだ

私は鉄道廃止論者ではない。江差線などは廃止すべきでなかったと今でも考えている。高台の駅からのアクセスに無関心だった地元自治体に責任があったと思うと無念の極みである。
営業マンのころ中度も走った江差までの国道は必ずしも優しい道ではない。
とは言っても、残念だが、現在の北海道のすべての路線が存続することは非現実的であると私は考えている。

以上、一部内容は何度かのフォーラムやシンポジウムで講演を伺えた名大の加藤先生、北大の岸先生のお話を引用させていただいたことを、心からの感謝を込めてお断りしておく。



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札幌で開かれた「道民みんなで創る公共交通ネットワークシステムフォーラム」

2017年12月19日 | JR北海道 JR北
先般のブログでは「北海道運輸交通審議会」には期待できないとの意見を投稿したところだ。
その理由の一つが、一部大学の先生の方々「だけ」によって結論が集約されていくことへの疑念だった。
さて、疑念を少しは払拭できるのか、さる12月17日に札幌で開かれた「
道民みんなで創る公共交通ネットワークシステム」と題したシンフォーラムに参加してみた
粉雪が舞う中、会場のホテルには約400人が集まり「各方面の識者の方々」のお話を伺うことができた。
本当の意味のフォーラムではなく、2時間足らずという限られた時間なので、会場の参加者と壇上のパネリストとの意見交換は無かったのが残念ではあったが、小生の脳みそにはちょうど良い分量で、今後の意見発信のための材料を得ることはできた。


コーディネーターと基調講演は北海道大学の岸准教授で、現在の北海道の交通問題にの状況を把握している唯一の研究者でもあり、北海道主催のシンポとしては、当然の選任あっただろう。

まずは話題提供者として長瀬道医師会会長・森道バス協会会長(函館バス)・今井道ハイヤー協会副会長(東邦交通)・中島札幌エアラインズアソシエーション副会長(日航・北海道地区支配人)が壇上に立ち、各業界の現状をお話になった。
特に、バス業界は運転手不足と高齢化についての懸念や、ヤマト運輸との貨客混載の実施。乗合バスの6割が赤字で国からの補助金を受けている実態などを話された。



さらに、高橋知事・菊谷北海道市長会長・堰八観光振興機構会長(道銀会長)・島田JR北海道社長がパネラーとして壇上に上がり、岸准教授がテーマを提供しながら、各自の主張を展開された。
正直なところ島田社長より西野副社長の方が、本音のお話が聞けたのではないかと思う。会場ですれ違ったが、きれいに整髪された社長と異なり、すっかり白くなった頭とお疲れの表情が印象的だった。
因みに観光関係の話題もかなり多く出されたが、中で記憶に残ったのが、北海道への観光客の入り込みは600万人弱で頭打ちになっている中で、その内訳をみるとインバウンド観光客が230万人を占めるという。さらにその半数は道内の移動にJRを利用しているそうだ。
因みに昨年度のJRのジャパンレールパスの販売枚数は10万枚近い。

先日のJR北・再生推進委員会の「有志」による声明に対して知事と菊谷市長が不満を露わにしていたのが印象的であった。
たしかに委員会からすれば一年は長く感じるのかもしれない。ただ、これだけの距離の鉄道路線について一気に議論を進めるには長い期間とは思えない。委員の皆さんには住民が見えていないのは確かだ。
両氏が反論を述べたのは理解できるし、各自治体は何もしていなかったわけではなかった。
ただ、この事態に及ぶまで沿線自治体はJRへの関心があまりに低かったと言うのは間違いないところではある。


 翌18日に両氏は上京して、石井国交相に対し鉄道運輸機構の特例業務勘定を利用するという支援の要請をしたとのことだ。
フォーラムでは、その内容について知事が説明をしていたが、知事の無作為を批判する声に応えるように、懸命の説明ではあった。
おそらくは国交省の鉄道局や政府関係者・政権との根回しに時間を費やしていたのではないかと信じたい。

ただし、無条件で国の支援を仰ぐのではなく、本当に将来に渡って、私の孫、ひ孫の世代まで維持できるような交通体系を構築すべく議論を交わした上で支援を仰ぐべきであり、一時しのぎのようなことになってはいけない。

常識的に考えて、鉄道路線が今のままで残る、残すと言うのは非現実的である。設備、車両の更新と、鉄道の特性が生かせる再度の高速化への挑戦を前提にした上で、残すべき路線は残し、各地域においてはバスや乗合タクシーと融合した交通体系なども早急に構築すべきだろう。
駅を降りたらバスも何もないのでは、まさに元の木阿弥である。

当面は1月から3月に出るという道の総合交通政策検討会議の答申を基に議論を重ねて一定の方針を示し、国に支援を再度具体的に要請することになるかと思う。
最初に述べたこの答申についてであるが、やはり道内の有識者の意見が必ずしも反映していないのではないかという疑念は、今回のシンポジウムでも拭い去ることはできなかった。
ただ、道民の議論のたたき台にはなるのは間違いないが。
残念ながら、フォーラムというか講演会自体が、知事のアリバイ造りに利用された印象を持ったのは間違いない・・・・。

さて、むやみに国に支援を要請するのではなく、北海道民すべてが我が事として議論を重ねなければならない。次の知事選挙に向けた政争の具にするなどという呑気なことは言っている時間はない。


 最後に、私としての路線合理化への考えだが、留萌線と札沼線はバス転換がベストであるのは間違いないし、日高線は大狩部の被災の際の地元自治体の対応からして、本音では必要とは考えていないのは明らかなので、DMVなどと夢を語る前にやはり別の交通機関を考えるべきだろう。
根室線の富良野・落合間のうち幾寅・落合間は今までの利用状況からしても、すでに必要性は失われていたものと考える。石勝線の迂回路と言う意見もあるが、現在の石勝線の防災と設備増強に資金を回す方が、よほど効率的かと考える。富良野・幾寅は通院、通学の生活路線であろうからできれば残したい。
さらに宗谷北線と花咲線は政治的な判断が望まれるうえに、存続するにしても設備の更新が必須である。
石北線の存続は言わずもがなである。日本の食糧問題にかかわるのだ。
設備・施設の更新、さらにJRFへの負担要請が求められる。


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北見で開催された公共交通フォーラムについて

2017年12月01日 | JR北海道 JR北


表題の写真は北見の北方にある丸瀬布に静態保存されているSL雨宮号。

11月27日北見市で、JR北海道の路線見直しをテーマにした道新フォーラム「地域住民の足をどう守るか」(北海道新聞社主催)開かれた。
主に北海道新聞と朝日新聞が報じた内容をご紹介し、私の考えも適宜添えたいと思う。
北見駅から徒歩10分くらいのところにある会場のホテルには、平日にもかかわらず市民や自治体の関係者約150人が集まり熱く盛り上がった。
そして、地域交通再構築については、地域住民が主体的になるべきだとの声が出た。

 基調講演は、「鉄路を看取った男」との異名を持つ??(ご本人が札幌のシンポで紹介されたのでご紹介します(笑)言い得て妙かと思う)鉄道路線見直し問題のプロ、加藤博和・名大院教授が道内の現状について語り、「自分たちの鉄道という自覚が薄い。今は違うやり方ができるチャンス。そう考えないと国も支援ができない」と指摘した。
その上で利用促進策に熱心に取り組む道外の鉄道会社や、自治体に鉄道施設を保有してもらう「上下分離」などの事例を紹介。「鉄道網を自らの手に取り戻し、取捨選択し、生かすことで地域に役立つ公共交通網の再生ができる」と述べ、地域住民による積極的な議論を促した。

 続くパネル討論では加藤氏、辻北見市長、長南:石北沿線ふるさとネットワーク事務局長、島田JR北社長が登壇して、三浦道新経済部長がコーディネーターが務めた。
 辻市長は「石北線は札幌、旭川、北見と中核都市を結ぶ幹線であり、道東と札幌圏を結ぶ広域観光ルート、多くの農産物を運ぶ物流も支える重要路線」と強調し、路線見直しに関して「簡単に容認できない」と語気を強めた。
長南事務局長は「JRが突然に時間が無い、資金が無いと言いながらあわてて結論を出そうとするのはおかしいとし、JRと地域の協議が膠着(こうちゃく)している原因は、国の支援策が見えないからだ」と指摘した。

 これに対し、島田氏は「単なる赤字補填(ほてん)では持続可能なものにならない。問題の本質は、利用者が減少した公共交通を地域の実情に合わせて、10年、20年続けられる仕組みを、どう構築していくかが課題」と述べ、今後も地域と共に公共交通のあり方を巡る議論を進めていく考えを示した。
加藤教授が言われる通り、石北線に限らず、北海道全体で「自らの鉄道」という感覚が薄いと言うのは全く同感である。
ツイッター上でJR問題をメディアが報じると、一時的には鉄道ファンが反応するが、長くは続かない。さらにメディアが政府やJRを批判すると、彼らはメディアを批判する。
JRは一生懸命だと言いたいのだろうが、努力だけで認められないのが社会というもので、結果を出さなければならない。
批判するだけでなく、自らの考えを出してほしいものだと思うがいかがか。  
 まあ、いずれにしても北海道民の本音が見えてこないのだが、おそらくは「あきらめ」が全てではないかと思う。株価が上昇し、有効求人倍率も過去最高と言いながらも、北海道は今一つ景気の良さが感じられない。
 いつかは「お国が」何とかしてくれると他力本願の境地にあるのだろう。

現在の政権というか、これからの日本政府・国というのは国民には必要最低限のことしかしないのだという事を受け入れなければならない。
だからと言ってすべてあきらめるのではなくて、自ら声を出して政府を振り向かせ、こちらを向いてもらって、「ここにはこんな公共交通が必要です」と訴えるう必要があるのだ。

何もしなくても国が振り向いてくれる時代は終わったのだ。
とは言いながら、北海道に突然、市民運動の輪が広がるとも思えないし、日本人の気質からは考えられない。矛盾をするようだが、国と道が地域住民の議論主導するべきなのだ。

ましてや、30年前の分割民営化時の経営安定基金の運用利息の大幅な減少を「予想されたことで、JRが対処すべき事だった」などと他人事のように語る石井国交大臣のお考えは、明らかに認識を違えている。
沿線自治体と住民は現実を見据えて要求を明確にしつつ、国と道はできる限りの支援を検討するのが、今最も大切なことだろう。

追記
 真偽は分からないが、島田社長が遠軽駅(表題写真の丸瀬布の近く)がスイッチバックになっていることに対して、改良を示唆したとの話が伝わった。JR貨物への線路利用料見直しと併せて国に要望するならともかく、上下分離と絡ませて地元自治体に費用負担を依頼したいとの思いがあるのであれば、かなり引っかかるものがある。名寄本線と石北本線との分岐のためにスイッチバックになったわけであり、改良するのであれば、自分たちの力で行われているべきである。今頃、どさくさに紛れて言い出すのであれば「懲りていない」という事になる。ましてや、このことを存続問題に絡めようとするなら噴飯ものであろう((+_+))

さて、登別の母の家の近くで見送った2枚。
今年最後の北海道へのJR東日本の四季島とJR北海道を代表するキハ40の写真を載せて、今回のブログを締める。






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