北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

札幌に住むおやじが北海道を中心に鉄道旅の話題や無線の話題も織り交ぜてぼやきます。アマ無線のコールサインJA8HBO

カシオペアクルーズ乗務員訓練と試運転

2016年05月18日 | JR北海道 JR北


(運行終了も近い今年2月、室蘭本線鷲別・幌別付近にて)
3月に惜しまれながら運行を終えたカシオペアがツアー向けの臨時列車として6~8月に南北海道を駆け抜けることになり、その試運転と乗務員の訓練が行われました。
青函トンネルはEH800、五稜郭から札幌まではDF200という、両方ともJR貨物の機関車が牽引します。残念ながら見慣れたブルーの車体のDD51はJR北が廃車を決定してしまい函館運輸所の片隅に留置されています。
DF200とカシオペア・・・どんな雰囲気になるのか心配かつ楽しみを感じながら試運転を待ちました
 ちなみに来年17年の5月からは豪華クルーズトレイン「TRAIN SUITE 四季島」が走りますので、カシオペアの姿はこれが最後かもしれません。特に四季島は非電化区間はハイブリッド走行ですし、北海道は札幌ではなく登別までとなっていますので、DF200と客車E26を札幌で見るのは最初で最後かもしれません。
(マイナビニュースより四季島イメージグラフィック。一人95万円也。生まれ変わったら乗ってみたい)


先週辺りから試運転の時刻(スジ)の情報が乱れ飛びましたが14日辺りから、ほぼ同じような時刻の情報が入るようになり、15日に函館に来たときは、そのまま札幌かと色めき立ったのですが、それは大はずれで、18日に函館を発って札幌を往復し、本州に戻っていきました。

貨物用の機関車で客車を牽引することに不安を感じておりましたが、現役のJRの方から教えていただいたところ、客車のE26は電気指令式空気ブレーキなので効きがスムーズですし、牽引機関車が貨物用機でも旅客用機でも電気指令式ブレーキの指令と在来ブレーキの空気圧指令を相互に変換するブレーキ読替装置と呼ばれる特別な機器の搭載をして、ブレーキ管圧を変換・コントロールしているので、エアの圧力が正常に供給さえされていれば大丈夫と伺いました。なんか・・・難しい(*^_^*)
逆に言うと「はまなす」などの14系客車だと連結しても厳しかったということなのでしょうね。
引退はやむを得なかったのかもしれません。
 
さて、当日は朝からツイッターに画像が上がり始め、いよいよということで、私も自宅近くの公園脇に流れる琴似発寒川に架かる橋梁近くへ向かいました。
 カシオペアは、ほぼ予定時刻通りの11時36分に元気に(笑)通り過ぎていきました。
(青空の下、琴似のタワーマンションをバックにやってきました)



夕方の上りは近くの琴似駅に入り、ホームの端で6人ほどの方々と一緒にレンズを向けました。
(運転士さんはJRFとJR北で4名見えます)



(試運転の幕が見えます)


次は6月初旬の本番が楽しみですが、3回走るクルーズは到着が夕方16時30分頃になるので、また違った顔を見せてくれるでしょう。
カシオペアクルーズ便以外のツアー便は土曜日の11時15分に札幌に到着して、日曜の16時30分頃に札幌を発つという、3月までのカシオペアとほぼ変らない時刻で運行されると発表されています。
いずれにしても6月4日から8月8日までは週末に見ることが出来そうなので、都合のつく限りレンズを向けてみたいと思います。

すっかり楽しみが減った北海道の列車ですが、東日本がこのような形でてこ入れしてくれるとは嬉しいというか残念というか・・・。
 今のところ、当初の予想通りの利用率で推移している新幹線の開業効果も意外と早く息切れするかもしれませんから、何らかの手立てを打ってほしいものです。

話しが違いますが、新千歳空港の発着枠拡大に伴う観光客、特にインバウンドといわれる海外からの観光客が大幅に増加すると見込まれる中、新千歳空港から札幌までの移動手段の確保に対する、JRの他人事のような消極的な態度には驚くばかりです。
記者会見での「快速エアポート」の増便はできない、しないの一点張りには驚きました。理由は納得できるのですが、「できないことはできない、やらない」「リップサービスはしない」という最近の態度は、過去の経営陣の過ちから学んだつもりなのでしょうが、それですむような問題ではありません。仕方なく?何らかの手段は考えると答えたようですが・・・さて期待してよいものなのか。新幹線延伸時の札幌駅の問題と合わせて、利用者の姿が見えていないのでしょうか。
この件について、同じ記者会見でも島田社長は強気な態度を崩しませんでした。9月には札幌駅の問題は解決させたいようですが、ここで札幌市が折れると今後に与える影響も大きそうです。でも札幌市の都市計画もいまひとつだとは聞きますが・・

さて、以下はおまけです(●^o^●)

(珍しい735系です)

(配給(札幌運転所から苗穂運輸所への回送。このDE15は函館でSLの補機として活躍していました)

北海道新幹線開通後初の大型連休を終わって

2016年05月13日 | JR北海道 JR北

今回の写真は愛用のガラケーで撮った新幹線初乗りのときのもの。

北海道新幹線が、暫定的に函館近郊まで開通して、今後を占うための試金石でもある初めてのGWを迎えた。
 JR北海道によると連休期間の4月28日~5月8日、11日間で、主要な4路線の特急列車を利用した人数は約31万人。前年比では約17%増とのことだ。
 そのうち北海道新幹線は約11万人で、前年の在来線海峡線と比較して倍増した。
開通後1ヶ月余りというこの時期では開業効果が大きいのは当然のことだが、JRも胸をなでおろしていることだろう。
その他道内の在来路線は約20万人で昨年同期比4%の減少。道南方面は3%増と好調だったが、道北方面は8%の減、さらに道東釧路方面が6%減と振るわなかった。

まだ観光シーズンというには程遠い時期の上に、連休期間前半に季節はずれの吹雪となり、後半は雨に見舞われるなど悪天候も災いした。
さらに道東自動車道の延伸の影響も大きいが、私としては、諸悪条件の中では善戦したと感じる。
 また、新千歳空港の乗降客は31万人・同5%増と新幹線の開業は全く影響していないようだ。
さらに報道によれば函館空港も大型連休中、北海道新幹線を利用して道内を訪れ、帰りは空路を選ぶ観光客などで混雑が続いたということだ。
このことはとりあえずは新幹線を「お試し」してみた観光客や帰省客は多かったということなのだろう。
 
以上のような次第だが釧路方面はこの数年間を見ても利用客の減少が続いているのが気になるところだ。
人口減少や道東自動車道の阿寒延伸と減速運転により都市間バスとの時間的優位性がほとんどなくなってきていることも大きいものと思われる。
首が折れるかと思うほどで、車掌が歩くにも難儀するような揺れのひどい283に好んで乗る人はいないかも。といったら言いすぎだが、何とかできないか。

来年春に行われるダイヤ改正では、オホーツク、サロベツのみならず、Sおおぞら、Sとかちの見直しも必至かと思われる状況かも知れない。
 新幹線が札幌延伸する前に、札幌からの都市間交通の姿がすっかり様変わりしてしまうのかも。要するに不便になってしまうということだ。
経営資本は札幌近郊と新幹線に集中するとのJR北海道の方針の下、地方ローカル線から駅員と駅、普通列車がさらに減少し、優等列車も姿を消すという未来が現実のものとなってきたように感じる。
また、JR北海道は札幌近郊への集中投資を謳いながらも、新千歳空港の発着枠拡大に伴う「快速エアポート」の増便はしないと言明した。
普通列車を快速化すれば千歳・恵庭の乗客に迷惑をかけるということだが・・・そのまま受け取ることはできない。今の同社は「できないことはテコでもできないしない」「決めたことは、どんなに批判されても進める」のが社是となっているからだ。聞く耳持たぬということなのだろう(´・ω・`)
「全てはローマに通ず」ならぬ「全ては新幹線に通ず」という様相で、14年後、新幹線が札幌に延伸したときの北海道の鉄道は、現在とはさぞ様変わりしていることだろう。その結果がどのような北海道を作っているのか、明るい姿は想像できない。札幌で新幹線を降りた乗客はホーム近くに新設された(想像)高速バスターミナルへ急ぎ、都市間バスか、高架道路の整備された丘珠空港へのシャトルバスに急ぐのかもしれない。これは北海道の経済界が描くビジョンである。経済界はJRなど相手にしていないのだ。
 
 数年前、様々な問題が顕在化したとき、JR北海道に新幹線も在来線も運営する力があるのかは疑問だと言われた。新幹線は東日本に運行させるのも一つの考え方としてはあったはずだし政府も検討したのではないか。
しかし、それよりもいずれは国の主導でJR北海道を東日本に吸収合併させるのが現実的と考えたのかもしれない。

これは小生の憶測で根拠はないと断っておく。でも世の中何があるか分からない。三菱自動車を日産自動車が吸収する時代だ。
さらにJR北海道が外資を受け入れる可能性もないでもないと某氏が著書で書いている。

北海道に新幹線が走るのは多くの北海道民の夢ではあったが、このままでは新幹線のために多くの在来線が公共交通としての役割を果たさなくなる心配がある。JR東日本も、JR九州も整備新幹線の経営にはてこずっている現実を見ると、JR北海道にとって経営改善の救世主となるなどとはとても思えない。
 ところで、新幹線の札幌駅問題で、JR北海道と鉄道・運輸機構、札幌市との間で軋轢が生じている。
かつて新幹線札幌延伸が現実的になっていたにも関わらず、駅前に大型商業ビルを建設してしまい、結果的に新幹線ホームを設置するスペースがなくなってしまった。
大型商業ビルを自ら建てておきながら、まるで他人事のように、場所がないから現在の駅は難色を示し、西だ、東だ、地下だと言っている。作ってしまったものは仕方がないし、それなりにJR北海道の経営には貢献しているのだから、まさかビルを削るわけにも行かず、交渉は難航するものと思われる。
商業ビルの建設を推進した坂本氏も故人となり、旧経営陣の影を消し去りたいのかと思いたくなるような、現在の経営陣の動きである。
地下鉄の下に地下ホームというのは難工事が予想されるし、上は強度的に難しく、西側はビルの移転を伴うので、おそらくは東側にホームを新設するような形で落ち着くのではないかと予測するが、子供がわがまま勝手を言い出すような形ではなく、丁寧に提案するということなら札幌市も妥協してくれるのではないかと思う。
ただし、利用客はおおきな不便を強いられるだろうし、ここでも利用者が視界にない現在のJR北海道が見える。

このような手法は東日本を見習っているようだとも聞くが、JR北海道は北海道民の足を守ってきたことを忘れないでもらいたいし自負してもいいはずだ。

以上、また何か書こうと思うが、今回はこれにて筆を置く。盲目的に新幹線をありがたがるのではなく、しっかりと距離を置いて見つめて利用していこう。1200兆円の公債残高のある日本には無駄な公共投資はできないのだ。
旭川延伸などは無理な話だろう。
断っておくが私は北海道新幹線無用論者ではない。開通を楽しみにしていたオヤジである。ただ、新幹線の陰で在来線がないがしろにされ、一部鉄道ファンが軽々に廃止を論ずることに苛立ちを覚えているだけだ。