北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

札幌に住むおやじが北海道を中心に鉄道旅の話題や無線の話題も織り交ぜてぼやきます。アマ無線のコールサインJA8HBO

朝日新聞 JR北海道・島田社長 単独インタビューに思う

2014年10月21日 | うんちく・小ネタ


10月18日の朝日新聞朝刊の北海道版に「JR北海道・島田社長 単独インタビュ」と題した記事が載った。私見も交えて要点を紹介したい。
島田氏は東大経済学部を卒業後、1980年に当時の国鉄に入社。JR北では人事課長、営業部長を経てJR北海道ホテルズ社長から今年4月にJR北海道の社長に就任した。
技術畑ではないということだ。営業部長も経験しているが、私としては事務系の方とお見受けする。倒産しそうな会社は、最後は経理事務屋が強くなると、昔聞いたことがあるが、その通りなのか

では、インタビューの概要から
1.就任から半年が過ぎた印象
安全な鉄道会社に再生する基盤作りを5年で終わらせるためのメニューを洗いなおす日々だった。「疾風に勁草を知る」の気概を持てと社員に言ってきた。(困難にあって初めてその人の意志の強さが分かるという意味)
2.一連の問題はなぜ起きたのか
安全投資に対する真剣な姿勢が経営陣に足りなかった。倒産していても不思議ではない事態にもかかわらず対処療法で終わらせていた。
3.特急の減便減速の解除の目処は
明言できない。安全を支える技術力を再生するために必要な技術者も40代(ベテランという意味か)が少なく、大量退職する(50代後半の社員のことか)技術者の穴を中途採用で埋めるにも1~2年では難しい
4.新型特急の開発中止による社員の士気の低下をどう維持するのか
安全問題から導入は出来る状況ではなかった。ただ、鉄道マンとしての誇りや働きがいを持ってもらえる会社にしたい。日本航空に学びたい。
5.労働組合の問題
会社再生への思いは同じ。経営陣が気がつかない問題提起もある。耳を傾けて会社の責任で実行する。開かれた労使関係にする。
6.人口減少社会での鉄道の姿
新幹線を武器として観光による交流人口を増やす。ただし札幌延伸までは効果は得られない。工期短縮が望ましい。
7.安全投資と修繕のための5カ年計画の見通しは
過去の計画を相当上回る投資額となる。全事業をこれまで通り維持するのは困難なうえに資産の売却も視野に入ってくる。ただし人員削減は安全問題からもするべきではない。
8.7割を超える不採算路線の問題
具体的な計画は無い。札幌圏での利益を他の路線に廻しているが、本来は新型車両や快適な駅舎の形で札幌圏の利用客に還元すべきだ。それすらも出来ないときは、しっかり議論していく必要が出てくる。


残念だが、非常に抽象的な内容といわざるを得ない。
大げさでもなく、倒産寸前の企業のトップとしては、氏には荷が重いのかもしれない。
やはり、強引にでも、他の企業から人材をリクルートするべきだったのかもしれない。
JR東日本からのお二人に期待する向きもあったが、経営破たんに近い修羅場のご経験が無いことから、残念だが多くは期待できないようだ。
このまま、資金がないからあれも出来ない、これも出来ないだけでは、利用客は離れ、社員の士気も下がる一方だろう。
具体的な計画は年末までに策定される5ヵ年計画を待つことになるが、当面は守りの姿勢ということだろうか。
不採算路線については遠まわしながら、「しっかりと議論」という表現で廃線を匂わしていると、私は感じた。

肝心の札幌圏の維持が出来ないようでは本末転倒ということになる。国が現状程度の支援の域を出ないのであれば、大胆な廃線はやむを得ないことだろう。それは新幹線の札幌延伸を待たずに議論し実行すべきなのかもしれない。