北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

札幌に住むおやじが北海道を中心に鉄道旅の話題や無線の話題も織り交ぜてぼやきます。アマ無線のコールサインJA8HBO

安全運行の確立と収支改善は切り離した論議を

2016年01月29日 | JR北海道 JR北
今日29日、JR北が区間ごとの営業収支を報告した。
道の地域公共交通検討会議(北海道運輸交通審議会小委員会)においてであった。
この会議は地域公共交通網の今後のあり方などを議論する場だ。先日の須田会長の講演会でのフライング発言は、この会議を無視してしまうことにもつながるものだった。
今後は不用意な発言を謹んで欲しい。
収支報告の内容は、簡単に言うと北海道の鉄道が全区間が赤字だと言うことたが、このことは分割民営化当時から「明確な事実」だったわけで、今更驚くことではない。
JR北の再建論議では、このことと、安全運行の確立の論議が関連付け、並行して同時に語られていることに違和感を感じている。
安全の問題の根底に収益問題があるからなのだろうが、この二つは分けて考えるべきか思うが如何だろうか。
利益が出れば安全運行はついてくるだろうか・・・そうでないことは東日本他の鉄道会社を見れば分かることだ。
なにか論議がすりかえられているような気がしてならない昨今だ。

北海道の鉄道は北海道民のものだ(東にかき回されるな)

2016年01月27日 | JR北海道 JR北
先日、第51回高速鉄道講演会という催しが開催されて、JR北海道の須田征男会長が「北海道新幹線開業に向けた取り組みについて」と言う演題で講演されたとのことだ。
出席されたジャーナリストの栗原景氏のツイッターによると、凡そ以下のような内容だっようだ。
北海道新幹線に関しては、前半は開業に向けてと青函トンネル貨物共用による苦労話。注目すべきは後半で、「JR北海道の再生に向けて」と言う話。
須田会長は「今後、十分な安全投資と修繕を行っていくと、年間約400億の損失が出て経営安定基金の運用益で補っても、政府支援の終わる20年度以降は年150億円程度の損失が出るということだ。まあ、既知の事実だ。
同社が昨年発表した「利用の少ない路線」での損失は、日高線を含めて年約85億円とのこと、同氏は「近々、全線区、札幌近郊についてはエリアごとの収支状況を示して、様々な線区について交通の在り方を議論する入口に差しかかっている。収支、乗降数を発表して、線区毎の適切な公共交通の在り方を検討会で議論」さらに「札幌近郊は路線毎ではなくエリア毎に収支を出す」としていて現実的に利益が出ているところを示すとか。
20年までに、新しい交通の在り方を具体化したいと考えているとも語った。
なかなか思い切った発言だ。そこまで勝手に言って良いのかな((+_+))。栗原景氏も同じ趣旨の発言をツイートされておられる(´・ω・`)。
昨年公表した10区間の廃駅や減便では、当然ながら収支改善には届かず、この際、全路線の収支・乗降数を公表して、さらなる路線廃止に理解を求めて、廃止路線を含めた具体策は2020年までに決める……とういうことだろう。

私が抱いた感想は「首都を営業圏内に持つJR東日本が、全知全能の神の様に振舞い、自らも実現できないようなお題目を唱えながら、好き勝手に地方の鉄道を実験台にして骨抜きにしようとしている」と言うことだ。
お国から賜った錦の御旗(葵の紋の印籠かな)をかざしながら、北海道の交通網を我が物顔に蹂躙しようとしている姿が見える。
北海道の交通の在り方・交通ビジョンは北海道民の手で明らかにするべきかと思うし、現に北海道庁を中心として各種団体や識者で構成された検討会議が組織されておりJR北も構成員となっている。その会議も論議は道半ばどころか端緒についたばかりにも関わらず、構成員でもあり大きな影響力のある一私企業の経営幹部が我田引水的な発言を気軽(失礼)に語る段階ではない。
それも、会議ではなく外堀を埋めるように道外での会合においてだ。私は実に不快に感じた。
どこかの総理大臣のよううだ。
 私は、日高線の復旧問題に右往左往するだけの頼りない北海道の行政を横目に見ながら、JR東日本からの派遣組が、様々にやりたい放題に動いていると感じる。
北海道独自のサービスであった悠游旅倶楽部を廃止させ「大人の休日倶楽部」と言う名のクレジットカードに誘導するのは、その象徴的なものだし、各種フリーきっぷは消えうせてしまった。
 このままでは、北海道の鉄道は、新幹線と札幌近郊の(黒字の)電化路線だけ残した鉄道会社になってしまうのではないか。おそらくはその時点で北海道旅客鉄道は整理され東日本に吸収されてしまうだろう。
北海道民がそれでも良いというのなら、それもありだが、私は自分が生きているうちは自分の目でそのような状態は見たくはない。
このような北海道の鉄道が抱える問題を、若い鉄道ファンは、一部を除いては語ろうとしない。逆に私などがツィッターで論議すること自体を揶揄して、相変わらず車両型式云々の目先の話だけに夢中になっている。
このような若者に言いたいが、このままでは君たちの趣味の対象は消え去ってしまうのだよ・・・と。
北海道の交通ビジョンも君たちが考えることなのだよ。もっと視野を広げてほしいものだ

新幹線開通の陰で遅遅として進まない日高本線の復旧論議

2016年01月23日 | JR北海道 JR北
初めに・・・
日高線について、JR北海道は本気で復旧させようとしている。にもかかわらず北海道と沿線自治体の連携が悪く、復旧への熱意が伝わってこない。そのため、被災当初よりJR側が頑なな態度になっているように感じる。
さらに行政の足下を見るように見積額を増額させている。
これ以上、JR北にいる東日本からの腰掛派遣組に牛耳られないように事を急ぐべきだろう。

私は恵庭市(千歳の北隣の街)の学校で非常勤講師をしているが、私の担当する科目の講義に、1年以上も一部区間運休している日高本線の鵡川駅から通っている女子学生がいる。
鵡川までは開通しているから問題はなさそうに考えられるかもしれないが、実際は大幅に便数が減らされているため、苫小牧駅での乗り換えの待ち時間が、彼女には大きな負担となっている。
朝は自宅を6時半に出てJR鵡川駅から苫小牧行きに乗り、学校には9時過ぎに滑り込む。16時40分の学校の終業後、17時頃に学校を出て最寄駅から苫小牧行きに乗り、苫小牧で1時間近い待ち時間を過ごしてから鵡川行きに乗る。帰宅は20時頃になるという、まるで首都圏のサラリーマンのような生活を続けている。
地元では、日高本線が復旧するとは、誰も思っていないそうで、半ばあきらめているとの事だった。
彼女曰く
「学生しか乗らないからね」
「新幹線にお金がかかるから仕方ないよね」
この言葉、JR他の関係者に聞かせたいものだ。

多くの若者が、高校や大学、専門学校進学のために日高本線沿線から離れて一人暮らしを余儀なくされているか、この春からそのように予定しているそうだ。子供たちへの仕送りができない親を持つ場合はどうするのか。進学をあきらめることになるのだろうか・・・(+o+)。


かなり、引用が長いが、今年に入ってからの日高本線の復旧をめぐる様々な報道(北海道新聞を中心に)を時系列に沿って見ていきたいと思う。

1.道運輸局・川勝敏弘局長は8日の記者会見で、日高線の復旧に向け(JRが)沿線自治体による財政支援を求めていることについて「路線を持続的に運行する仕組みの一つと考えられる」と述べ、協議を見守る考えを示した。

2.JR北の島田修社長は14日の定例記者会見で、昨年9月、高波により盛り土が流出した2カ所の復旧工事に約8億円かかると発表。
昨年1月の被災箇所と合わせた総額は約38億円となる。

3.JR北が、高波被害の復旧費として新たに約8億円がかかるとの試算を出した14日、日高管内では、変わらぬ復旧要望の声が上がった一方で、運行再開後の見通しが立たない中での高額費用負担に慎重な考えも示された。

4.小竹国昭・新冠町長は「費用がどんどん膨らめば、JRが復旧に慎重になる可能性がある」と危惧しながらも「協議を再開したい思いは変わらない」と強調。坂下一幸・様似町長は「自治体が復旧費を負担できないという姿勢は変わらない」と話した。

5.JR北は18日、日高線鵡川―様似間について、道が海岸を保全するための離岸堤を一部被災箇所の沖に整備することを、復旧の条件とする方針を固めた。JRは近く道に意向を伝える。総額38億円の復旧工事の費用分担に加え、道が数億円規模の離岸堤整備を受け入れるかどうかが、復旧に向けた協議の焦点。 

6.JRの島田修社長は記者会見で、海岸保全事業はJRのような民間企業ではなく、道など行政機関が行うべきだとの認識を示していた。

7.昨年1月と9月の被災箇所の復旧工事費は総額38億円で、道と国、JRが3分の1ずつ負担する案が浮上している。JRは復旧後の運行維持経費についても「(膨大な赤字路線の経費を)当社単独では負担しきれない」(島田社長)と沿線自治体に一定の財政負担を求めている。

8.JR北海道と道、国土交通省北海道運輸局は21日、JR日高線検討会議を札幌市内で開いた。JRと道は海岸を保全するための離岸堤の整備が必要とする認識で一致。
JR内部では早期の離岸堤設置を道に引き続き求める方針で、整備を中長期的な課題と位置付けている道の思惑とはずれが生じており、曲折が予想される。
だが、JRは線路を守る高波対策は緊急の課題と位置付け、復旧後の安全運行に整備は不可欠とする。
しかし、会議で道との決裂を避け、今後の話し合いの余地を残すため、復旧への条件にしなかったとみられる。同社幹部は「離岸堤着工のめどが立たなければ、復旧工事は始められない。道の対応次第」といい、今後条件として求める可能性があるとしている。

9.高橋はるみ知事は20日の記者会見で、道内の他地域でも海岸整備の要望が多いことや、多額の事業費が予想されることを挙げ「全道的な枠の中でやっていくことにならざるを得ない」と述べた。道議会に離岸堤整備に関する予算案を提出して可決されるためには、与党会派を中心にした合意形成に時間がかかりそうだ。

10.日高町村会長の小竹国昭新冠町長は「復旧に必要とされる整備がJR北海道から次々と出てきて、先送りにならないか疑心暗鬼になる」と述べ、JRに復旧への条件を明確化するよう求めている。

・・・・・引用終わり。

総額38億円にも上る復旧費用に離岸堤などの海岸保全の費用をあわせると40億円を越える事になった日高本線の復旧。このまま、さらに時間が過ぎれば塩害や風雨で軌道や信号や駅の施設に様々な問題が生じてきて、さらに費用がかさむことも考えられる。
北海道、JR、国が各々3分の1づつ負担すると言うのは、すでにコンセンサスができているようだが、離岸堤や波消しブロックなど、海岸保全工事の費用負担の問題が生じてきた。これは知事の今後のイニシアチブの問題であろうし、来年度から道の公共事業の削減を緩和すると明言しているわけだからタイミングは良いのではないか。
ただ、他の地域とのバランス云々と言う発言を聞くと、知事自身は鉄道の復旧には、熱心ではないと感じるのは私だけだろうか。
また、復旧後の費用負担の問題は自治体の首長、特に様似町長が、いまだに鉄道運用は国か鉄道会社が行うという古い感覚なのが心配されるところだ。

さて、結局は利用者の中心である若者と高齢者を犠牲にしていると言うことなのだ。
JRはともかく、為政者には地方から若者が消えていくことへの危機感があまり感じられない。若者を元気にとか、地方創生とか、お題目を唱えながら今現在中心となっている年齢層の生活さえ守られれば良いと考えているのかなと受け取らざるを得ない。

私は、単純に日高線を復旧しろとは言わない。
早急に、日高沿線の交通体系の有り方を今後どうするのかを議論して欲しいということだ。
結果としてパスが望ましいのであれば、安心して通勤通学や生活に利用できる便利なバスダイヤを組んで運行して欲しい。
苫小牧駅でJRに接続する中型バスを走らせるのも良いだろう。若い世代は鉄道にはこだわらない。
とにかく、早急に結論を出して欲しいのだ。

復旧するにしても、完全復旧までは、現在の苫小牧・鵡川間のダイヤでは利用者には不便なだけなので、早急に見直すべきだろう。
この際、思い切って苫小牧・鵡川も運休して、小型の代行バスを高頻度で運行するべきかもしれない。
復旧は静内か、浦河までが現実的だろう。様似町民が選んだ首長は必要と感じていないようだから
復旧後も単純に「キハ」がまばらに走るような形ではなく、新しい交通体系(車両)での復旧ができなければ、単に多額の赤字を垂れ流すだけだと考える。
15年後に生まれるかもしれない函館・小樽間の第3セクターの参考、お手本になるような地方鉄道を構築する機会でもあるとも考える。
そのような大きなプランを描ける人材がいるのかは疑問だが、ここは転換点と考えるべきだ。
 さらに廃線するにしても鵡川まで残して不便なダイヤで運行しても意味がないから、すっきり全線廃線で良いだろう。
この場合、BRTなどという時間にルーズな交通機関は論外だ。東北では一時の高い評価は声を潜めているようだし、山田線の復旧は鉄路と言うことになった。
一部、バスファンを兼ねる鉄道ファンには興味本位でBRTを賞賛する向きがあるが、自分が毎日使うことを考えてみて欲しい。









キハ261系新塗色

2016年01月18日 | JR北海道 JR北
9日に帯広に行ってきましたが、ホームでスーパーとかちの新塗色の中間車両を見かけましたした。
先頭車両は趣味の悪さ全開ですがこのキハ260-1305の横帯はなかなか素敵です。
先頭車のイラストには横のラインは描かれていますが先日、川崎重工から新潟トランシスに輸送された車両にはありませんでした。苗穂で入れたものでしょうか??








盛り上がらない新幹線への雑感

2016年01月04日 | JR北海道 JR北
JRHの島田社長と高橋知事のそれぞれの仕事始めの挨拶は新幹線・新幹線だったのは当然かもしれません。
島田社長に関しては当然の挨拶としても、知事に関しては、盛り上がりが一部に限られていることへの焦りを感じているからではないかと皮肉りたくなります。整備新幹線は必要と言うよりも政治的色彩が強いでしょうからね。

昨年、講習の仕事で、2ヶ月ほどスーパーカムイで美唄市に通うことがありました。毎朝、駅に迎えに来てくれた美唄の商工関係者が言っていたのは、岩見沢から旭川にかけての沿線からビジネスで札幌に出るときは、バスではなく「JR」が第一選択肢で、特に冬は「絶大な信頼」を置いていますということでした。
昨年暮れ、その思いに応える事が出来なかったのは、新幹線対応があるにしても、許されないことなのです。新幹線効果は北海道にとっては未知数であり、たとえあるとしても、それは一定の時間が経ってからなのです。特に、この沿線にとっては・・・・。
JRHは今回の事故・トラブルは重く受け止めて欲しいと考えます。

函館市民の多くは立派な改築された函館駅舎を見て新幹線が現在の函館駅に来るものだと思っていました。
ところが実際には、はるか北の旧大野町を経由して行ってしまうのです。
盛り上がらないのは当然です。青森に行くにも高い料金を払わされたうえに、乗換えを考えると現在とほとんど同じ所要時間では釈然としないでしょう。隣の青森に行くのに、何で電車を乗り換える必要があるのか・・・・と。
 ただ、道南の市民たちも利用していくうちに便利なものだと感じるようにはなるでしょう。
ただし、大野での乗り換えは高齢者にはかなりの負担なのは間違いありません。エレベータとエスカレーターをつけさえすればバリアフリーではないのです。
この新幹線、青函の交流よりも北関東からの観光客に期待したいものです。中国人観光客は将来にわたってこのままの数が期待できるとは思えないのですから。
函館には国内の高所得層をターゲットにした宿泊施設が必要です。セレブが散策できる素敵な町なみがそこにありますよ。