北のとうさんの鉄道旅・アマチュア無線JA8HBO

札幌に住むおやじが北海道を中心に鉄道旅の話題や無線の話題も織り交ぜてぼやきます。アマ無線のコールサインJA8HBO

JR北事業見直しに対する道の報告書・宗谷・石北は存続へ

2017年01月30日 | JR北海道 JR北

JR北海道の「当社単独では維持することが困難な線区」の発表に伴って道が設置した「JR北海道の鉄道事業見直しに対応する鉄道ネットワークワーキングチーム(WT)の検討結果の概要が報道された。

WTの報告書は、議論の回数も少ない上に、交通ビジョンを検討する委員会の補完的な位置づけなので、あくまで今後の論議の叩き台を提供する内容となっている。
 具体的な路線名を挙げることはせず、北海道の鉄道路線を、各路線が果たすべき役割によって6つに区分した考え方を提示している。
早期に決着させてしまいたい高橋知事の意に沿った内容で道側が作成した原案を確認したに過ぎないのではないかと思わせる内容だ。
 鉄道は票にならないし、目立ったリーダーシップを取ろうとしない高橋知事。
人件費の削減を、道内の他企業の平均より給与水準が低いJRに求め、指摘されて後日取り消したり、JR北海道に対する関心のなさが目立つ知事ならではだ。
残念ながら、高橋知事によって北海道の開拓における先人の成果は捨て去られてしまうのであろう。
これは多選の弊害であることは間違いない。

WTは昨年11月に設置され、有識者や首長らが議論を続け、1月30日の会合で最終的な考えをまとめ、2月5日に高橋知事に答申し、同15日の道の地域公共交通検討会議に於いて報告書を提出する。
その後、見直し対象地域で、沿線市町村とJRなどの協議が本格化する。複数の自治体の思惑が複雑に絡んで、意見調整はかなり難航するだろう。


WTは各路線が果たすべき役割を以下のように区分した。
1札幌と中核都市等を結ぶ(重点的に存続を検討するべき)
  石北本線を指しているらしい
2国境周辺地域や北方領土隣接地域の振興
   宗谷線、花咲線(根室線)かと思われる
3広域観光
 富良野、釧網線であろうが、地元の負担は免れないか。
4広域物流
 室蘭本線の東線かと思われる 
5地域の生活路線
 採算の厳しい路線が多く、バス等への転換は免れないであろう
 札沼線非電化区間、留萌線、災害で不通の根室線一部、日高線
6札幌近郊の都市圏輸送
 収益の源泉として、一層の充実と拡充が望まれる


JRが主張する収支面による存廃基準とは、異なる基準としたい考えだ。。ただし報告書ではの路線がどれに当てはまるのかは明示はしていない。非常に曖昧で不完全な仕上がりとなっているのは心配されたとおりだ。
一部メディアは富良野線と釧網線は存続の順位が低いと報道をしているが憶測が先行するような報告書は期待外れだ。
路線名を明確にして、関係自治体から追及されることを嫌ったのだろう。これは高橋知事の支持なのかもしれない。八方美人知事らしい。就任当時の切れ味はすっかり影をひそめた感がある。

また、国に対して要望する支援策として、 JR貨物 からJR北海道に支払われる線路使用料の見直しや資金繰り対策を挙げている。
JRが提案した「上下分離方式」を巡っては「費用負担を自治体に求めることは現実的ではなく困難」だととしている。
さらに、民間資本などが鉄道施設を保有する形の上下分離を議論することに含みを持たせている。この場合の民間資本は北海道の経済界と自治体などによる第三セクターが考えられる。はたして出資する民間資本が現れるのかは疑問だが、富良野線などは収益を生み出す可能性があると思う・・・。 

2020には資金繰りができなくなると昨年の秋ごろから、ことあるごとに公言する経営陣だが、借入金は国からの借入であり、返済には一定の猶予があるはずだし、さらなる資金援助を要請するべきかと思う。
WTの報告書では経営安定基金の積み増しの要請をすることにも言及している
JR北海道は運行が止まってしまうというようなことを言うなど、利用者の不安あおることは厳に慎んでほしい。
JR北海道は四面楚歌が如く感じているようだが、北海道の利用者は味方であり応援していることを忘れないでほしい。

今後は、沿線市町村が国や道そしてRなどのステークホルダーが地域の交通網のあり方を議論するべきだと強く訴えている。
論議は相当の困難が予想されるが、資金繰りが云々というようにJRが様々な煽動行為で揺さぶってくるだろうが、あくまで利用者の利便性を第一に議論を進めてほしいものだ。

残り1月くらいで姿を消す、キハ183によるサロベツ(稚内)



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ポツンと一言・2020年が限界って根拠が変じゃない?

2017年01月26日 | JR北海道 JR北


北海道で本当の意味で都市間輸送と言えるのは、札幌と函館・旭川・帯広をを結ぶ3路線だけです。あとは貨物と観光のために存在するようなもの。
ここがこれからの北海道の鉄道のポイントになるのではないかと思います。
北海道開拓での鉄道は貨物輸送のために敷設されてきたのです。
原点に戻って考えればわかりやすい。
今はそれに観光が加わっただけです

ところで、「北海道のJR全線、3年後には運行不可能 「JR北海道試算」報道の衝撃」という記事がネット上を駆け巡って大騒ぎでした。

国からの支援金を、数年で使い果たしてしまうとか、返済が始まるとかで2020年が限界だという話です。

たしかに、一般の会社なら資金ショートは予測できますが、JR北海道はかなり特殊な会社であり、6000億円以上の基金という積立金のある「債権超過」の優秀な会社です。国が一部でも取り崩しを認めれば、一気に解決なのです。(なかば呆れながら(笑))

まあ、前回のブログで書いたように、上下分離ができないのなら、札幌近郊と一部都市間路線と言える区間を残して、こじんまりとした鉄道会社として再スタートが望ましいと思います。東に新幹線は譲渡しましょう



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厳冬期の札幌から雑感。鉄道衰退とトランプ大統領誕生

2017年01月24日 | JR北海道 JR北

しばらく、ブログの更新をしていませんでした

今月末に北海道の鉄道の将来像の提言が北海道知事の諮問機関から出るので、それを待っています。

先日、いすみ鉄道の社長のブログで、JR北海道を批判するととれるような意見が掲載されました。
多くの方は否定的に受け止めたようですが、私は示唆に富んだ素晴らしい内容だと拝読しました。JR北海道可愛さに贔屓の引き倒しをしている鉄道ファンが多いですね。JR北の過去の栄光もありますが、冷静に見る必要もあります。ブログでは分割でリスクが少ない結果となった本州3社に対する厳しい意見もありましたので、本州の方は受け入れられない面もあったでしょう。

また、必ずしも鉄道事業に熱心ではないと勘違いされるJR九州を絶賛することにも批判される理由があるのでしょうか。
私としては、社長のおっしゃる通りJR北海道の営業は、必ずしもうまくいっていないことには賛同しています。
特にここ数年は「何もできない、何もしない」の一点張りで尻すぼみ状態であることは否定できません。本来の用途を離れている旭山動物園号の運用は異常としか受け取れません。
ほとんどが鉄道には素人ばかりの第三者再生会議に振り回されて、合理化命の島田社長以下現経営陣は、もう限界でしょう。
 平素はほとんど捨ててしまった函館本線山線を特急ニセコが今月いっぱい短期間走っていますが、案の上、需要は多くはありません。
ニセコ付近での平素からの地道な営業活動をおろそかにしていながら、クレジットカード顧客専用のフリー切符の期間合わせてに、臨時列車を走らせたからと言って観光客が鉄道を利用するとは限りません。
ニセコの観光客にとって、鉄道はすでに選択肢から外れてしまっているのです。それは平素から種を蒔かないJR北海道の自らの責任です。

話が飛びますが、アメリカでトランプ新大統領が誕生しました。

既存の政治家(クリントン)では資本主義の果実が廻って来ないと考えたアメリカ人の下流労働者(下流に落ちてしまった)が、この人なら果実を分けてくれると考えてトランプ氏を選んだのです。
しかし、トランプとの主張する内容には疑問符が付く内容が多い、実現は不可能だとメディアは報道を続けていました。しかし、あまりに下流に落ちた労働者はそうしたメディアに接する機会もないのです。テレビもインターネットも見ることのできない階層が増えてきているのです。
そうしてトランプ氏を選出してしまった。
この流れはいずれ、EUそして日本にも必ずやってきます。しかし選んだ政治家も結果は出せず、結局は失望する。
そう、今の資本主義というシステムではもう経済発展など夢物語なのです。
みんなで豊かになる時代は終わったという事です。
ちなみに、以上は慶応大学の政治思想史の先生のお話です。

北海道には、高度成長期の名残を感じさせるたくさんの種類の気動車が走る時代がありました。しかし、北海道の鉄道=夢の時代は終わったのです。
もう、無い物ねだりをしても仕方ありません。
旧態依然とした国会議員やそれにすがる知事、そして沿線自治体の首長に期待ができないのです。

北海道は農業と観光で地道に暮らしていくべきです。鉄道は最低限の路線を農産物輸送と観光のために残せばよいでしょう。
北海道では鉄道ファンは成立しない時代になったのです。ほとんど同じ型式の車両だけが走る。SLなんて公園展示するだけです。撮り鉄も消えていきます。新幹線はトンネルの中で、走る姿はほとんど見ることができないのです。そして50年もしたら新幹線の廃線が始まるでしょう

我々は、そのことを受け入れましょう。
諦める時代に入ったのです。成長なんて過去の話です


2015年、釧路駅に侵入するSL冬の湿原号

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