怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

中野信子「キレる!」脳科学から見た「メカニズム」「対処法」「活用術」

2020-06-27 11:50:54 | 
歳をとったせいか頑固になって怒りっぽくなったような気もするが、この本によると老化現象として前頭前野の機能が低下すると脳内で怒りの感情を抑制するブレーキがしっかり働くなってしまうようです。前頭葉はキレる自分を抑えたり、相手の気持ちを理解したりして、自分の行動を決めるという理性を司る部位。機能が低下すると「暴走老人」になってしまいがちとか。
この本では怒りの感情は人にとって必要不可欠なものだから、「上手なキレ方」「得するキレ方」を学ぶことに重要性を訴えています。

自分の感情を素直に受け止め、できるだけストレスが小さくなるようなタイミングを逃さずにキレる。伝えたいことを伝えたいタイミングで、過不足ない熱量で表現することが得するキレ方です。
ところで周囲に攻撃的な人がいて身勝手な怒りや感情的な言動によって悪意を持って相手を支配しようとする人もいます。誰とは言えませんがかつて経験した上司にもいたような。日本人は同調圧力が強くて我慢して丸く収めようとしがちですが、黙って我慢していると都合のいいように利用されることにも。それがすすめば、DVの人間関係のように洗脳されマインドコントロール迄される危険性があります。そういう場合はそういう悪意ある人とはできるだけ距離を取るのが一番ですが、組織の中ではそうも行けません。上手にキレて主張すべきことは主張することが大事なのです。姑息なことに相手は反応をうかがい反撃してこないとみるとますますエスカレートするので早い段階で反撃しておくことなのです。
第3章ではケーススタディとしてキレる人との付き合い方を、第4章ではキレる自分との付き合い方を、第5章では戦略的にキレる「言葉の運用術」について具体的事例を出して詳述しています。
この点ではまさに実用生き方指南書です。
まあ、なかなかケーススタディ通りにはいかないのも、数多あるこういう類の本の特徴ですけど気持ちの問題としてこういうことを知っていれば余裕が出てきます。
因みに芸能人で上手にキレる人の例として、有吉とマツコ・デラックスが挙げられていますが、二人とも状況を読んで戦略的にキレてフォローもちゃんとしていると言われると長くこの世界で生き抜いている秘密がわかります。
第2章ではキレるメカニズムも脳科学的に述べていますが、色々なホルモンが関係していることが分かります。
端折って書き出してみると
・ノルアドレナリン;戦うホルモン、これが分泌されると脳は覚醒し、心拍数・血圧・血糖値が上昇。身体は興奮状態になり集中力を高めます。同時にアドレナリンが分泌されます。
・アドレナリン;主に筋肉に作用し運動機能を高めます。ただし持続性は短いのが特徴。身体が効率的に動けるのでやばいときは逃げるが一番。
・ドーパミン;興奮性の神経伝達物質で、快楽物質と言われるように脳内に快感をもたらします。正義感から制裁行動が発動する時、脳内にドーパミンが放出され快感を覚える。理性が働くなって正義を行っているという満足感から中毒になってしまうとか。「自粛警察」とか「マスク警察」!ドーパミンが放出されている状態の怒りからは逃げるは勝ち!
・テストステロン;男性ホルモン。攻撃性や支配欲が高まり、思春期にありがちですけど自分でもよく訳が分からないまま攻撃衝動が出てきます。
・オキシトシン;愛情ホルモン。愛着が強すぎるあまり憎しみや妬みの感情が強まってしまうことがあり、また排外性と弱者への攻撃を強めてしまうことも。
・セレトニン;安心ホルモン。量が減ると不安を感じやすくなり前頭前野の働きが悪くなる。結果、社会性が低下して、理性が保てず衝動的な行動が多くなる。
こうしてみると人間の感情とはホルモンを制御できれば自由になる?実際にセレトニンを増やす抗うつ剤は、うつ病や不安障害の治療に使われているそうです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 中岡哲郎「コンビナートの労... | トップ | 6月27日鶴舞公園テニスコート »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事