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事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

ジェイムズ・ハリスの冒険

2016-11-17 09:07:48 | 本と雑誌
というのが「くじ」のサブタイトル、確かにそれっぽい人物(名無し含む)が22編中9編に登場してる、悪いヤツもいれば何もしないヤツもいるが・・・

酔いしれて-パーティーの女主人と話し込んでるだけ、本筋とはまるっきし無関係
魔性の恋人-婚約者を捨てて完全に消える、ジェイミーという名前と「紺のスーツ」以外何の描写もなし
おふくろの味-他人の家を堂々と乗っ取る、どうでもいいけどこのタイトルはちょっと違うような「母親っ子」(キチンとして気の弱い主人公のこと)じゃないかな?
ヴィレッジの住人-物書き志望と称する若い男、いいかげんだが悪意があるとも思われず
魔女-中年男、子供をおどかそうとデタラメを話すが敵もさるものひっかくもので空回りっぽい
曖昧の七つの形-本屋の主人、金のない本好き(=昔の私)にとっちゃ許しがたい悪人と言いたいとこだが買わない人間は商売人の敵かもなと今は思わんでもない
もちろん-映画もラジオも新聞も大っ嫌いといういかにも感じの悪そうな男だが本人が登場しないので何とも言えない
-抜歯のために深夜バスでニューヨークへ行くというヒロインにしつこく詩を聞かせたり熱いコーヒーを飲ませたり、クドいんだよテメエはと何でひっぱたかんのかねえ彼女、ところで全身麻酔で抜歯は実体験なんだろか、これがまたクドい、ヒロインいや作者をひっぱたきたくなるほどに
ジミーからの手紙-ヒロイン夫婦に何をしたのか手紙に何を書いて来たのか全く不明

「歯」のジムは確かに心底ヤなヤツだと思うけど、この作者が描くキャラたち、何となく女子供の方が性悪のやうな・・・

おっと1回しか出て来ないので見落としてた、これで10編、確かに(訳者の言う通り)「半数近くに登場」だ
背教者-ヒロインの愛犬に鶏を3羽殺されたのは「ハリスの家」そう聞けばそいつは無実の犬を冤罪に落とそうと企んでるのかも、だけど私は自分とこの犬を思いっきり残酷な方法で殺そうとうれしそうに騒ぎ立てる言う子供らの方がずっとコワいやな

シャーリー・ジャクスン

2016-11-16 09:53:27 | 本と雑誌
くじ」待望久しき(?)文庫化、これは買わずんばあるべからず、いや既読はまちがいないしあんまし感心しなかった記憶しかないんだが

表題作はとにかくショッキングで印象強烈だったが他はほとんど記憶なし、コーヒーを飲みながら婚約者を待ち続ける女性の話は確かに読んだが、そっかそういうことだったのか(どうやらその男はヒトならぬ邪悪なモノ)、見知らぬ他人(こいつも実はヒトじゃなさげ)に家を乗っ取られたり、愛犬が鶏殺しになっちゃったり(それを喜んでるらしい邪悪な子供がいたり)、心底ゾーーッなホラーもあるが実体験をそのまま書いたみたいなオチも何もない作品も多い、いったい何のつもりやら、もしやこれって純文学か?(純文学ならスジがなくてもいいというお約束はUSAにはないと思ってたのに)

一番の名作(?)は幼稚園の困ったちゃんが実は・・・という「チャールズ」かな?この主人公は作者の息子らしい、主婦もいろいろ大変なんだよな、その経験を小説にできるところがエラい、実感としてそう思うよ

このヒトの名前はShirley、Charlotじゃないのである、そっか、知らんかった

妖怪小説

2016-11-14 18:59:38 | 本と雑誌
廣嶋 玲子「妖怪の子預かります」「うそつきの娘」ヘレン・マクロイを買ったら折り込み広告に「うそつき」が入っていた、江戸の妖怪話とのこと、ちょうど京極さんの新作を読んだとこだしと思えばソニーに入ってたから早速ダウン、即読了した

なるほどね、鬼太郎アニメ大好きだった女の子が成長して書いたお話、妖怪も人間と同じ精神構造を持ち家族単位の社会を形成して江戸の人間界にかぶって生きてるという設定、つまりは鬼太郎がそうなんだもんね、20世紀半ばより19世紀初頭の方がずっと妖怪は生きやすいだろうよ、三部作だそうなので完結してからまた考えるとしよう・・・

改めて京極さんは立派、水木鬼太郎ワールドに絶大な尊敬を払いつつ、妖怪は概念であって実在ではありえないという姿勢も絶対ブレないんだもんね、そんな彼が唯一描いたバケモノ、それが榎木津礼二郎なのである、そう考えればあの解決文句なしに納得

あれ、話がズレてる?今時間ないし疲労コンパイでもあるのでとりあえずアップしとこう

ヘレン・マクロイ(何回目?)

2016-11-12 23:28:38 | 本と雑誌
ささやく真実」先週丸善でゲトしてたが読むヒマのなかったモノ、今日は空いてたので読了、まさに優等生的パズラーなんだろな(上から目線)、真犯人とニセ犯人の設定も赤いニシンの撒き方も特に文句のつけようなし、そんなアホなと思ったことがタネ明かしを聞けばなるほど・・・なんだが何せ被害者が同情の余地なくヤなヤツなので殺されても全然犯人が悪いという気にならない、最後まで一番イケすかないニセ犯人が犯人ならいいと思ってたな、あれ?これ「家蠅」と同じじゃん、そう言えば手がかり(容疑者の身体的特徴を強調すること)の強引さもちょっと似たとこがあるかも

あえて揚げ足鳥、「英語を知らない」と言われた執事がそれ以前はっきり英語の質問に英語で返事してるぜ、そんくらい気付けよ、登場人物じゃなくて作者

関係ないけど私的に一番ウケたセリフ
「君がブレスレットを何個盗もうとかまうもんか」
おお、アッパレな恋する男、いや彼女は盗んでないんだけどさ

11/13追記-もう一つ揚げ足鳥、アラビアゴムって水に溶ける?溶けたら大ゴトのやうな気がするんだがなあ・・・

京極さんの新作

2016-11-12 11:08:32 | 本と雑誌
古今妖怪百物語序破急」丸善で序破を見かけてソニーがおいてたから早速ダウン、読んでる最中に急が入ったとわざわざ知らせてくれたからそれもダウン、何せ読めども読めども終わらないので3日間更新できなかった、もちろん昼は仕事に追われ(定年まで後いくらもないので片付けときたいことがあるのだ)夜は飲んだくれて即死してたせいもあるのだが、その間にUSAでは新大統領が決まった、みんな心配してるようだけど急に世の中が終わるということもあるまい・・・

というつまり世の中が終わっちゃうお話である、これは日本を滅ぼそうと企む怪人加藤保憲が復活してバビロニアからダイモンを呼び出し、その作戦というのが何かもうアホらしさの極み、いかに京極さんでもここまでアホなこと書いていいのかなあというシロモノで、実在(らしい)作家や編集者や漫画家や声優が大活躍、ホラーや怪異をネタにしてメシを食ってるヒトがこんなにいたのかと驚き・・・え、そこかよ?ってまさにそこ、半分以上私が名前知らないんだもん、中にはずいぶんかわいそうな扱いを受けてるヒトもいてもしや作者個人的に恨みをハラしてない?とか、確かにそれ創作者の特権ではあるけどね、何はさておいてこれは絶対に実写化不可能だわなあ、アハハ

などと言いつつこれ最終的にはまっとうなミステリである、犯人は最初っから最初から出ててかつメチャ怪しいヤツだった、だけどイカにもタコにも怪しすぎなので逆にニセ犯人なのかなあと、特に京極堂シリーズの愛読者であればこそ騙されたと言える、ま、さういう意味では最後まで読んでよかった

改めて水木しげる亡くなったんだね、アーメン