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遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

岡崎京子

2013-06-26 11:16:15 | アニメ・コミック・ゲーム
うたかたの日々 うたかたの日々
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2003-05

Azonが勧めて来たのでついついクリックしちゃったのがこれ、マンガには(いや、にも)暗いのでこのヒトとは初対面、早速食卓のシーンを見たが瓶入りひよこは乗ってなかったし、ナイフとフォークの柄にテントウムシも入ってない
でもそれでガッカリするのはマチガイ、そも「原作ボリス・ヴィアン/伊東守男」と奥付にクレジットされてはいても、これは元ネタのヴィジュアライズじゃないのだ、ブラームスの「ハイドンバリエーション」やリストの「ラ・カンパネラ」に近い、「ヴィアンの主題による岡崎の変奏曲」と称するべきモノなのだ

ともあれこれはこれで面白い、冒頭主人公はフロから全裸で飛び出して(元ネタでは腰にタオルを巻いてたハズ)「部屋の温度をホーチミンに合わせてあるんだ」、おいおいベトナムは仏印に違いないけどその頃はまだサイゴンだろ-というツッコミは無意味、いつの話だかわからないのだ、このセリフは後でちゃんと効いて来る(ものごとがうまく行かなくなると部屋も寒くなる)
ハツカネズミだってだたの「ネズミ」だし(目と耳が思いっきりデカいところはマウスだと思うけど)
あるいはパルトルが作詞したキャンディーズのうた「乙女のハートはいつも不条理」、どんな曲だよ、それ?!
カクテルピアノはレコードプレーヤー(大きなラッパのついた古風なタイプ)、室内アンテナのTVには丸いダイヤル、かと思えばファックスがラブレターを送って来たり(あれっていつからあったんだった?)

とは言え多少の省略はあってもお話は概ね元ネタ通りに進行する(そら変えようがないわね)、心臓抜き(ヴィジュアル不明)を持った女の子は本屋の火事で死んだらしい(やっぱそうか)、主人公は睡蓮を殺せぬまま水に落ちて死んだのだろう(このヴィジュアル印象的)、ネズミも望み通りに死んだハズ

全く救いようのない結末にもかかわらず、何なんだ、このフシギな読後感は・・・、やっぱヴィアンが偉いから、だけじゃないな、活字で読んだ時よりこっちの方が明らかに印象いいんだから

どーでもよいツッコミ-今気がついたけど心臓抜きで抜かれたパルトルの心臓、これじゃ六面体だと思うよ(このコマだけ変に雑っぽいし)

追記-Azonの評を見るとあんまし「らしくない」というのもあるね、もしや吉屋信子の「女人平家」みたいなモノだろか、もしそうだったら(つまり「平家」が吉屋らしくない作品だったのなら)ちょっと悪いことしたかもね、いや、この記事けっこうアクセスあるのだ


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