事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

もしも昔に戻れたら

2018-05-28 15:52:07 | 本と雑誌
これ書くべきかだうか迷った、私自身はこれまで概ねにおいて非常にラッキーで(「幸運に生れつくということは賢いとか金持ちだとかいうよりずっといいことなんだよ」とサマセット・モームが言ってたなあ)「やりなおしたらもっとうまくやれる」ことなどまあ皆無「やりなおしたらまずやり損なう」ことならいくらでも、という人種(セクハラ叔父の横っ面を張りとばさなかったことだって、まあ、それはそれでよかったというべきなんだろし)だけどもし「過去を変えてもよい」というSFの登場人物になれたならやりたいことはなくもない

初めて同級生が白血病で亡くなった時、私は27歳だった(指折り数えると「ラブストーリー」公開の約10年後、カレーラスの発症からは7年半ほど前のこと)、年末に入院して正月明けにはあの世へ行ってしまったというスピードぶりで私が知らされたのはお葬式の後だった、もちろん生前に知ったからとて私にできたことなど何一つなかった、全く何の知識もなかった上その頃は逆さに振ったって鼻血も出ない貧乏人だったのだ、彼はとっても頼りになる男で私は在学中いろいろ世話になっていた、彼が死んで役っ立たずな私が生きてるなんて不当だった、「替われるもんなら替わってやりたかった」と言ったのは決してウソじゃなかった(そんなんできるわけないから言ったというのが本音だが)もし今の情報と今の預金通帳を持って40年前(四捨五入)へH君を助けに行けたならどれほどうれしかろうと思う(これ山本夏彦のマネだけど絶対ホント、いかにできるわけなくても)

話を聞けば直接の死因は出血多量のようだった、血小板輸血やってなかったんだろか、そんな簡単な話じゃなかったのかもしれないが、時代的に骨髄移植はもう始まってたハズ(記憶はないが)何か月も口からモノを食べれなくても患者を生かしておける(カレーラスもさうして生かされたのだ)中心静脈高エネルギー輸液も始まって何年か経っていた、だがビタミン欠乏で起きる悲劇は認識されてたかだうか(私がこの1件を聞いたのはミステリのネタになったから、前に書いたよね、これ)かなり危ないな、G-CSFもまだみつかってなかった、何よりもあのいささか野蛮な処置に彼の体力が耐えられたかだうかわからない(元水泳部員だったんだが)だけど「お金のことは心配せんで、助かったら返してもらうから」と言えるだけでも多少の助けに・・・ならんかったかな?あ、考えてみたら今の私の銀行ってあの頃はT海銀行じゃないか、1つぐらい今もある銀行なかったかしらん?

ホント、何であんな早く死んじゃったんだよ、H君?

6/29追記-二度目に同級生が白血病で亡くなったと聞かされたのは今年の1月、彼は移植を拒否したとのことだった、ま、この年になれば、成功確率とコスパを考えれば、覚悟を決めて遺言状を書き始めるのが正しい態度かもね、いややっぱ今の私じゃ体力的に絶対ムリだ、もっとも遺言状はたぶん書かない、だって超悪筆の私が書いたんじゃ誰も読めんだろ