短篇五芒星 価格:¥ 1,050(税込) 発売日:2012-07-13 |
昨夜ゲト、この作者の作品を前に読んだのは去年の12月(新潮1月号)で
世の中そう簡単に解決のつく問題はないって言いたいことそんだけ?そんなんお宅に言われるまでもないわ、いやまあ私は二度と読まんとは言わん、けど次はどこで会えるだろな
と書いたのであったが、まさかここで会おうとは・・・
短編5作の一挙掲載(群像3月号)が単行本になり賞候補にもなったのだった
1-流産という現象があることにこだわって何もかも失いかける男の子、「しかたない」じゃすまんことは確かにあるよ、でもしかたないんだ、それが世の中・・・
2-魚の鮎と結婚しちゃったお姉さん、この世ならぬ存在になったんだからいなかったものとあきらめるべきなのか、いやそうじゃないかもと真剣に悩む家族たち、一見古風なフォークロアの焼きなおしに見えて実はこれかなり深い問題なのでは・・・・・
3-真っ暗な部屋で起きる怪奇現象、合理的解釈は見え見えじゃないの?とスレッカラシ読者は思うのであるが・・・ま、そっちはどうでもよいのかも、それじゃ何だと訊かれれば、ただのジョークかな?
4-次々事件に巻き込まれる男の子、元はと言えばガンで衰弱した友人にバーべルとして持ち上げられたからというのだが・・・何でそんなとんでもないこと考えるかなあ、この作者、でもこういうハチャメチャが実は最も得意とするところ?
5-諸般の事情で悪い男にひっかかって金を巻上げられる女の子、さて彼女は助かるのだろうか、暴力男と切れるのに超自然の力を借りなきゃいかんのかな?
どれもこれもホントらしいところは全然ない、だけど作者がハナからナンセンスを書こうと思って書いてるんだから問題はあるまい、私は「冥土」よりこっちの方がずっといい出来と思う、同時受賞でよかったじゃないか、去年じゃなかった半年前と同じリアル?&ファンタジー路線で
「読み終わっても見えて来るものがない」と選考委員代表(奥泉だったかな?)が言ってたけど、はあ、あなたは「冥土」を読み終わって何か見えました?