ヒタメン 三島由紀夫が女に逢う時… 価格:¥ 1,890(税込) 発売日:2011-12-09 |
三島のことを書いた本となると何であれ読まずにいられない、リアルの本人を知るヒトから証言を聞ける今が最後の時代だし、関係者の多くが亡くなったおかげで生き残ったヒトたちがしゃべりやすい情況にもなったしというわけでこれは三島の恋人だった女性と「鏡子の家」のモデルになった女性からの聞き書き
恋人の女性は大きな料亭のお嬢さん、一応の売れっ子作家とは言え実家が金持ちなわけでもない三島とは不釣合いもいいところだったが三島は思いっきり背伸びして、鏡子のモデル女史から借金しながら3年間に渡ってゴージャスなデートを続けた、恋人の方はそんなこと(つまり三島がお金に困ってること)なんか気がつきもしなかったらしい、スゴイやね、彼は何事によらずハンパでない努力家だったことがわかってるけど恋にお金をかけることについてもそうだったんだ、それが小説のネタつまりは「芸の肥やし」になったんだからめでたしと言うべきなんだろな
さて三島を語るならその死を語らねばならず、だけど女性たちは「何でああなったのかさっぱりわからない」・・・だよなあ、そらこの二人じゃなくてもそうしか言いようはなかろうよ、この著者は「国を憂いて潔く諫死を選んだのだ」と思っている、もちろんそう思うヒトがいてもよい、ある種の男性にとっちゃ飯沼勲は理想のテロリストいや憂国の志士だろうからね、11月25日は「憂国忌」、他に名づけようはない
だがね、彼があの日に死んだのは「豊穣の海」が完結したから、それもまちがいないことなんでない?誰が言ったか忘れたけど「作者が死んでなかったらあの作品の評価は全く違ったハズだ」
普通なら最終回の原稿を(たぶん郵送で)受け取った編集者はあわてて作者に電話したと思う
「聡子さんは本多さんとどこでどうやって知り合ったんですか、いやそもそも彼女はどういう事情で落飾したんですか」
いかんせん、あの世へ電話のしようはないので・・・・・