事件記者のページ

遠い昔のTV番組を再現しようというムチャな試み

ラッシュライフ

2009-05-08 17:09:46 | ミステリ
ラッシュライフ (新潮文庫) ラッシュライフ (新潮文庫)
価格:¥ 660(税込)
発売日:2005-04

ブクオフでゲト、「重力ピエロ」は映画を宣伝してるけどあんましおもしろいと思わなかった、「アヒルとカモのコインロッカー」も、デビュー作の「オーデュポンの祈り」も・・・はっきり言って無用な残酷はキライなのだ、作者は意識してないかもわからんけど

陽気なギャング」は好きだったな、これはホント-なんてほとんど忘れてる、今自分の書いたもの読んでみたら全然残酷じゃなかったわけじゃなさげだし・・・・

けどこれはおもしろい、メッチャおもしろい、最初はわけわからなかったパーツが順番に組み合わさってジグソーパズルみたいにストーリーが完成する楽しさ、こういうミステリありだなあ(いや、そこにホントは残酷、ありなんだけど)

エッシャーの絵みたいな「騙し絵」だというのはどうなのか、時間が錯綜してるのでよくわからんけどそうらしい気もするな、どうなってるのかもう一回読み直してまた書きます(せんでいいって?ハイ)

5/9追記-マジメな泥棒とその同業者たちや同級生、これまたマジメな失業者とたまたま拾ったイヌ、同級生を破産させた金持ち、それに失業者をリストラした元上司などなどがかかわる部分はとってもよくできてて楽しい、これだけだったら軽い

だけどバラバラ死体にされた名前もわからない男性とハメられそうになって心ならずも殺人者になってしまった青年(殺されたのは全く同情の余地ない悪人)はカワイソ過ぎで全然救いがない、またバラバラ死体を押しつけられちゃった若い夫婦も全くの善人というわけじゃないけど気の毒としか言いようがない、どうしてこんなドタバタ騒ぎ(死体の出入りなんてホントにメッチャクチャ)になったかと言えば「拳銃、イヌの首輪、宝クジ」という重要な小道具を上のマジメな男どものストーリーに提供するためなのだ、だけどそれだけのために何の関係もないヒトを殺してバラバラにするか、普通?

どうもこの作者のバランス感覚ってよくわからん、落ち着いて考えるとやっぱあんまし好みじゃないよーな・・・・・

5/10追記-よーく見直してみたが、4日連続の事件を平行して記述してるために「アレ?」と思うだけで、時系列は全く乱れてない、異なる空間に暮らす登場人物がたまたま触れ合ったとかお話が終わったら初めに戻る(エッシャー「登りと下り」の階段が小道具に使われてるが)なんてことは全然ない、ハチャメチャストーリーに慣れた身には細かいとこまでキッチリ辻褄合わせ過ぎかも-という感じもなくはない