担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

本当の「お茶の間留学」。

2012-04-19 20:41:44 | 学習法
ある有名語学教室の画期的な商品として知られる「お茶の間留学」。

時代は,本当に海外の大学の授業をインターネットを通して受講できるような段階に来ている。
しかも,無料で受講できるものがあるという。

それは Coursera というプロジェクトである。

今日初めてネットのニュースで知り,さっそくいくつかのコースについて,簡単な解説を視聴してみた。

Jackson 教授と Shoham 教授の "Game Theory" というコースの紹介ビデオの冒頭では,アメリカ式のジャンケンを見ることができて興味深かった。
"Three, two, one!" の掛け声で同時に手を出していたが,石,紙,はさみ(グー,パー,チョキ)の手の形は日本のものとほとんど同じだった。ただ,Jackson 教授のパーの出し方は,掌を下に向けているようだった。また,指は開かずに出すようだった。

Sedgewick 教授の "Introduction to Analytic Combinatorics, Part I" というコースは,名前に惹かれて見てみたが,どうやら50年ほど前に Knuth 氏によって始められた algorithm の分析的な研究のことを指すらしい。
コース内容は,母関数 (generating functions) などの組み合わせ論で用いられる基本ツールの紹介のようである。

級数を自分の授業で扱う際に,収束だの極限だのという話だけでなく,母関数という側面も紹介すべきかもしれないという気になってきた。母関数としてのべき級数の応用面を思い出すことができて,よかった。

その他,Genesereth 教授の "Introduction to Logic" というコースの紹介も覗いてみた。
Prerequisites として,高校程度の数学の知識が要求されている。といっても,基本的な文字式の計算ができたり,簡単な代数方程式を解ける程度でよいらしい。ただし,集合,関数,関係という概念を理解していることも必要とのことである。残念ながら自分の授業で関係についてまで言及している時間的な余裕はないので,これは断念しようかと思う。

あと,Ghrist 教授の "Calculus: Single Variable" は,自分の授業の参考にするため,ぜひとも受講したいコースである。
科学や工学のさまざまな分野に微分積分を応用できるようにするために,すでに学生が習ったことのある微分積分の知識を,考え方に重点をおいて見直すのがコースの目的であるとのことである。

計算は,電卓やコンピュータソフトに任せるのではなく,鉛筆と消しゴム,紙,そして自分自身の頭を使ってやるように,とのことである。アメリカではグラフ電卓を用いて数学の問題を解かせるのが普通らしいので,学生は計算力がほとんどないのかもしれない。この姿勢に僕は強く賛同する。

「微分積分は,数学の他の分野と同じく,習得するにはそれなりに時間と労力がかかるものです。覚悟を決めて,課題に一所懸命取り組むのであれば,こちらとしてもそれに応えて,微分積分のココロを可能な限りわかりやすく (clearly) 説明するよう努力します。」というようなメッセージが書かれている。このコメントと全く同じ気持ちを僕も抱いている。

なるほど,こういうことについてはっきりしたメッセージとして発信するべきなのか,ということを学んだ。

ただ,こうした授業に対する心構えは一緒であっても,取り上げる題材や,取り上げ方などはおそらくかなり違うのだろう。特に,Ghrist 教授は,数学のいろいろな分野と,科学や工学のさまざまな分野の,全く新しい組み合わせを提案して多くの成果を挙げている方のようなので,そうした知見や経験,発想法がふんだんにちりばめられているだろうから,知的に大変面白い内容ではないかと想像している。そういう観点は僕には全くなかった(というか,ない)ので,受講生の知的好奇心を刺激する度合いは,間違いなく圧倒的に Ghrist 教授の方に軍配が上がるだろう。

うーん,今年度は「数学の使い方」という観点を導入しようと漠然と意識していたのだが,他の学問領域に応用するという意味での「使い方」を意味していたわけではないので,僕が考えていることと Ghrist 教授がやっているだろうこととは,似ているようで,その実は全くの別物といえるかもしれない。

そういうことも自分の授業に取り入れられないか,検討を続けていかなければならないと,思いを新たにした次第である。
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不肖じゃなくて不省。

2012-04-19 20:13:28 | どっちだっけ?
ある電磁気学の教科書にあったコラムで,「人事不省」という四字熟語を見かけた。

なんとなく意味を知っているようで知らない気がしたので,念のため辞書で調べてみた。

その際,誤ってジンジフショウと読んでしまい,「人事不肖」なる語句を検索したところ,辞書には載っていなかった。

正しい読みはジンジフセイなのであった。

「省」は,省略や省エネのときのショウではなく,帰省や反省のときと同じくセイと発音するのである。

雷が電気現象であることを実証しようとして,不幸にも命を落とした科学者があるが,そのそばにいた助手が人事不省に陥ったという。要するに意識を失ってしまったのである。

不肖(ふしょう)とは,できが悪いとか,運が悪いというような意味しか持たない熟語である。
したがって,人事不肖では意味が通らない。

人事不肖と勘違いしている人は僕以外にもいるようで,この語句が登場する記事がわずかながらヒットした。

間違えないように,気をつけようっと。
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花粉,健在。

2012-04-19 00:00:20 | 爺ネタ
今日は一日中,鼻水が止まらない。

久々にすごく花粉を感じる。

きっとヒノキだろう。

ところで,スギとヒノキで症状に違いはあるのだろうか。

「あっ,目がすごくかゆい!これはスギだな。」

とか,

「ああっ,鼻の奥がチクチクする!これはヒノキだ!」

とか,あるんだろうか。

クシャミ5連発のときはスギで,3連発だとヒノキだ,とか。

クシャミがヘックショーイ!のときはスギで,クチュン!のときはヒノキだ,とか。

右の鼻の穴から鼻水が出るときはスギで,左からだとヒノキだ,とか。


ティッシュをたくさん使ってきたけど,鼻のかみすぎで鼻が痛くなるようなことはなかったな,なんて昨夜勝手に花粉の季節は終了,みたいな気分で締めくくってたんだけど,今日,ちょっと鼻の穴のまわりがヒリヒリする。

まだバリバリに飛んでるよ,花粉。
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