大学における勉強について,新入生に向けて語りたいことをつらつら書き綴ったら,A4サイズの用紙に7ページほどの分量になってしまった。これは多すぎる。
初回の授業でガイダンスを兼ねて演説したとしても,4~50分間ほどもしゃべり続けることになりそうなので,断念せざるを得ないかもしれない。内容を削ると迫力が損なわれてしまいそうなので,あまりやりたくはない。とはいえ,推敲の余地はあると思うが,推敲に費やせる時間がない。
演説の原稿を書く際,大学の1単位は何時間の学習を想定しているかの基準について確認したくなったので,検索してみた。
件の内容は大学設置基準の第二十一条第二項に書かれている。
それによれば1単位あたり「45時間」の学修を要するとのことである。
巷では1コマ90分の授業が大学設置基準でいう「2時間」に相当するという解釈がまかり通っているようだ。
ついでに言えば,試験時間は授業に含まれるのかどうかということで,試験も含めて半期15週必要なのか,試験は別で15+1週の16週なのかという極めて大事なことすら曖昧らしい。
正直,あきれて開いた口が塞がらない。
こういったわけのわからん基準に振り回されている大学というのは実に哀れなものである。大学の教員といえば,そのほとんどが最先端の研究に従事して国の国際競争力の向上に貢献している,いわば国家の財産である。そうした頭脳が明晰で優秀な人材がこんなつまらないことに頭を悩まされているというのは,明らかに国益に害をなしていると思うのだが,そういうことには当局は考えが及ばないのかねぇ。
さらについでに言えば,高校の学習指導要領で一次変換が周期的に出たり入ったりするのもいい加減やめてもらいたい。複素数と一次変換の不毛なせめぎあいは一体なんなのだろうか?
話を大学の単位に戻そう。1単位の科目であれば,15週の授業で「45時間」のうち,「30時間」を授業で費やすことになるから,残り「15時間」を授業外,つまり自宅学習にあてなければならない。
まあ,90分=「2時間」ということなら,「1時間」=45分なのだから,日ごろの予習・復習や,課題に取り組む時間,そしてテスト勉強を合わせれば
15×45/60=11.25時間,つまり11時間15分
くらいならあっという間に消費してしまうことだろう。
問題は,2単位の科目である。
2単位の科目の場合は,「90時間」を学修に割り当てなければならない。
そのうち,授業で消費されるのは
「2時間/週」×15週=「30時間」
だけであるから,残りの「60時間」=45時間を自宅学習に割り当てなければならない。
予習に90分,復習に90分かけるとちょうどよい計算になる。
そういうわけで,建前に忠実に従った場合,2単位の授業があれば,さらに2コマ分の自宅学習が必要になることになる。
多くとも一日5コマ=7時間半,どんなに頑張っても6コマ=9時間が限度だろうが,一日に2単位の科目が2コマあるだけで,影の「自宅コマ」がその2倍の4コマあるわけだから,限界の6コマに達する。
一日2コマの授業を週五日受けたとして,半期で10単位取得できることになる。
そうすると,一年間で20単位,四年間で80単位ということになる。
まあ,まじめに大学設置基準とやらに沿おうと考えるとそういうことになるのだということは,大学生ならば知っておいてよいと思う。他人ごとどころか,まさに当事者なのだから。
興味のある方は「大学設置基準」というキーワードで検索するとよいでしょう。
参考になるサイトが多数ヒットします。
初回の授業でガイダンスを兼ねて演説したとしても,4~50分間ほどもしゃべり続けることになりそうなので,断念せざるを得ないかもしれない。内容を削ると迫力が損なわれてしまいそうなので,あまりやりたくはない。とはいえ,推敲の余地はあると思うが,推敲に費やせる時間がない。
演説の原稿を書く際,大学の1単位は何時間の学習を想定しているかの基準について確認したくなったので,検索してみた。
件の内容は大学設置基準の第二十一条第二項に書かれている。
それによれば1単位あたり「45時間」の学修を要するとのことである。
巷では1コマ90分の授業が大学設置基準でいう「2時間」に相当するという解釈がまかり通っているようだ。
ついでに言えば,試験時間は授業に含まれるのかどうかということで,試験も含めて半期15週必要なのか,試験は別で15+1週の16週なのかという極めて大事なことすら曖昧らしい。
正直,あきれて開いた口が塞がらない。
こういったわけのわからん基準に振り回されている大学というのは実に哀れなものである。大学の教員といえば,そのほとんどが最先端の研究に従事して国の国際競争力の向上に貢献している,いわば国家の財産である。そうした頭脳が明晰で優秀な人材がこんなつまらないことに頭を悩まされているというのは,明らかに国益に害をなしていると思うのだが,そういうことには当局は考えが及ばないのかねぇ。
さらについでに言えば,高校の学習指導要領で一次変換が周期的に出たり入ったりするのもいい加減やめてもらいたい。複素数と一次変換の不毛なせめぎあいは一体なんなのだろうか?
話を大学の単位に戻そう。1単位の科目であれば,15週の授業で「45時間」のうち,「30時間」を授業で費やすことになるから,残り「15時間」を授業外,つまり自宅学習にあてなければならない。
まあ,90分=「2時間」ということなら,「1時間」=45分なのだから,日ごろの予習・復習や,課題に取り組む時間,そしてテスト勉強を合わせれば
15×45/60=11.25時間,つまり11時間15分
くらいならあっという間に消費してしまうことだろう。
問題は,2単位の科目である。
2単位の科目の場合は,「90時間」を学修に割り当てなければならない。
そのうち,授業で消費されるのは
「2時間/週」×15週=「30時間」
だけであるから,残りの「60時間」=45時間を自宅学習に割り当てなければならない。
予習に90分,復習に90分かけるとちょうどよい計算になる。
そういうわけで,建前に忠実に従った場合,2単位の授業があれば,さらに2コマ分の自宅学習が必要になることになる。
多くとも一日5コマ=7時間半,どんなに頑張っても6コマ=9時間が限度だろうが,一日に2単位の科目が2コマあるだけで,影の「自宅コマ」がその2倍の4コマあるわけだから,限界の6コマに達する。
一日2コマの授業を週五日受けたとして,半期で10単位取得できることになる。
そうすると,一年間で20単位,四年間で80単位ということになる。
まあ,まじめに大学設置基準とやらに沿おうと考えるとそういうことになるのだということは,大学生ならば知っておいてよいと思う。他人ごとどころか,まさに当事者なのだから。
興味のある方は「大学設置基準」というキーワードで検索するとよいでしょう。
参考になるサイトが多数ヒットします。