「平成の突破力」とはNHKの番組「爆問学問」の早稲田大学スペシャルでのテーマである。11月25日夜の放送の一部を見た。普通は11時からは教育テレビの英語会話の番組を見ているが、一昨日は11時を過ぎてもこの番組を見続けた。
爆笑問題の太田光は天才だ。その太田が尊敬するのが、たけしであり、たけしもまた天才であろう。もし羽仁五郎が生きていたならば、太田光は天才という意見をどこかで述べたに違いない。太田光はいう。自分たちはオウム真理教の事件でも、911事件でも笑いの題材にしてきたと。
ある意味ではそれは不謹慎なことでもあろうが、あえてそれをしてタブーを破ったことに爆笑問題の天才性が現れている。残念ながら、彼らがこれらの事件をどのように扱ったかは知らなない。
田原総一朗がゲストとして来ていて、彼は早稲田大学の卒業生なのだろう。学生の誰かが彼を成功者として質問していたが、彼がいうには10社か何かの就職面接に行ったが、どこも落とされたという。そして落ち込んだという。というのは彼の同僚の学生はどこかの企業に内定をもらえたからだという。だが、そういう失敗が田原は自分のためにはなったと思うとのことである。
彼のいうところでは田原は70年代初めに学生だったいわゆる全共闘世代らしい。そして強烈な自己否定ですべてを破壊して見たが、後には何も残らなかったという。その辺がしかし、ヨーロッパの68年世代とは違うように気がする。
それはともかくも田原はまだ自分は世の中を変革しようと思っていると意気盛んであったし、太田光は漫才師をたけしのようには一番目の目標だった東大に入って数学者になれなかったので、第二目標の映画監督等になったとは捉えないと断言する。そして、学問はその根底がしっかりしているとは捉えてはいない。
工学または理学それに数学を含めてもいいが、これらはしっかりしたものだとロボット工学の教授がいっていたので、ある程度救われたが、金融工学はあまりしっかりした基礎をもったものではないとの見解はある程度もっともと思われた。しかし、それについてもある程度の留保付きかも知れないが、太田光は異議をさしはさんでいた。
金融工学の問題に関して言えば、多分利潤を上げようとする資本のあくなき貪欲さを私などは感じてしまう。そこの認識を抜きにしては議論が空疎になってしまうだろう。その辺が工学とか理学の自然現象に基づいたところとは違うような気がする。
結局「平成の突破力」とは何かというのはわからなかったが、大田の今の時代が面白いのだという肯定的な断定は力強かった。
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