昔からde Broglieに憧れていた。彼はいわゆる質量がある粒子でも波動性をもつという物質波の概念を提唱して、波動力学への端緒を大きく開いたわけだが、その後の大きな波動力学と呼ばれるようになった量子力学の一分野をつくることは逃してしまい、波動力学の提唱はSchr"odingerによってなされた。
大きな仕事を一つして、その後はいくつかの独創的なアイディアは出したが、特に優れた仕事をしているわけではない。また、数学もあまり高等な数学は使わず研究したというが、結構な長生きをした。
ノーベル賞を量子力学関係としては最初にもらった人だが、その後には特にいい仕事をしているわけでもないし、世界の学会へもあまり出席しなかったともいう。
なにせフランスで貴族の出身というのだから、恐れ入る。でも、そういう人になれたら、いいなとはいつも感じてきた。貴族になれたらという意味ではもちろんなく、仕事のスタイルについてである。そういう人の仕事のスタイルに若い頃から憧れていた。
Bohrの量子条件はde Broglieの考えが出て実際的な意味がわかったのだ。それまで、なんだか意味のわからない天下りだった量子条件は実体的な裏づけをもったというか、解釈ができるようになった。逆に、Bohrの量子条件の提唱はそれほど天才的なアイディアであったということかもしれない。
いつか彼の物質波の仮説の論文を読んで、その考えの秘密を知りたいと思っているが、そのことに対する思いが急に復活してきた。何十年ももっている思いが急に復活してくるとは不思議なものである。
このころのde Broglieの論文のコピーを集めて持っているが、全部集めているのかどうか。もっとも現在の目から見れば、おかしいところもある論文だという。
(2020.1.27 付記) どこをどう書き換えたかはわからないが、書き加え修正をした。私の意図をはっきりするためである。de Broglieへのあこがれの気持は、「数学もあまり高等な数学は使わず研究したという」ようなところにもある。これは私自身があまり数学ができるとは言えないことも一因である。
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