先週の水曜日のNHKの「ためして合点」でレビ小球型認知症をとりあげていた。
それを見て感じたことを一つ書く。このレビ小球型認知症では幻視がよく起こる。それについての対症法が言われていた。
それはトイレに入ったときに人が何人かいるように見えたりするが、それは見えた本人にとっては現実である。だが、その幻視の像は他の人には現実の実在ではない。
だから、その幻視の像を触るように仕向けたりすれば、その幻視の像は消えるという。このときに本人にそんな人や物はないということをただ言葉で言うだけでは本人を説得はできないという。
このことはなかなか興味深い。人間の認識の一部として視覚が大きな要素としてあることは事実だが、人間はそれだけでものを認識しているわけではない。
聴覚、触覚、嗅覚、味覚、それにもちろん視覚によって総合的にものごとを認識しているのである。そのことを忘れてはいけない。
ピアジェという心理学者がスイスにいたが、彼は幼児も空間とか物とかの認識がこういういろいろな感覚によって獲得されていくのだということを本に書いていたらしい。らしいというのは実はピアジェの本を読んだことがないからである。
実は数学者の遠山啓がピアジェについて書いたのを読んだことがあるにすぎない。ピアジェの書いた数と量の認識の心理学の訳本(遠山や銀林訳)はもっているのだが、まだ読んだことはない。
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