同じテーマの複数の本を持つことは大切である。
というのはある本で分からなかったところが、別の本で分かることが多いからである。
何を言い出したのかといぶかられるであろうが、単純な話である。第二余弦定理の証明の図が『ピタゴラスからオイラー』までに出ているのだが、この図の記号を変えたいと思った。
ところが三角形の頂点の記号A, B, Cを逆順送りするだけだが、そのときになかなかうまく同じ証明ができなくなってしまった。それでほぼ一日を空費したのだ。
他の本を取り出して読んでみたら、なんのことはない。垂線を下ろすところだけを変えればよかっただけであった。
そういうことで私の一日の空費は何だったのかということなったが、転んでもただでは起きない。第二余弦定理の証明のためにはどの三角形の辺に向けて垂線を下ろすかが重要なのだということがわかった。もちろん、こういうことはどの本にも書いていないのだが。それは自明のことなのだからであろう。