「技術英語論文の書き方」(共立出版)という出版されて間がない本を著者であり、かつ編者も勤められたUさんから数日前に送ってもらった。お礼の手紙を書こうと思いながら、一日二日と延ばしている。
このUさんは何十年も昔にE大学工学部の同僚であったが、その後生まれ故郷のF県のF大学に勤めて数年前に定年退職された方である。活発な研究活動を展開される電子工学を専攻した実験家であったが、物理学者ではない。
その彼が技術英語の論文の書き方の本を送ってくるとは想像すらしなかった。この書の主要な著者の一人でもあり、編者の役もしたらしい。彼が書いたところを読んでいて、あまり英語がうまくないなと思ってよく見たら、それは彼の担当のところではなかった。
危うく、あまり英語が上手でないねとか書かなくてよかった。それでちゃんと彼の書いたところを読んでみるとたくさん論文を書いているだけあって、その英文はさすがにこなれている。もっとも英語の書き方の一般的な注意として彼が述べた点が忠実に守られているとは言い難い、
これは一般論と実際とは少なからず違うからであろうか。一般的な注意では文章はできるだけ短くとあるのに、実際の例では結構長文になっている。もっとも悪い英文ではないので、単に短くすればよいというものでもないけれども。
そしてこれらの例文は彼が学会誌に発表した論文からとられているので、悪いはずもない。
数日中には必ず返事を書くことにしよう。