馴染みの模型店から過去の作品を引き上げてきました。これから数回に渡り、紹介していきたいと思います。
まずはタミヤのT-72。作った当時、相当好きな戦車と言う事で、かなり気合をいれました。
T-72やT-80はドラゴン、スキッフを含め様々なタイプがキット化されており、そのほとんどを制作した事があります。
戦後のロシア製戦車の魅力、それは一連の「お椀を逆さにした様な砲塔」と「極端に低い全高」、「空きスペースにゴチャゴチャ色んなモノを追加する」点でしょうか。
「空きスペース・・・」とは、ERAとか雑具箱とか、その他何かの装置とか・・・・
この戦車はバリエーションが多過ぎて、おかげで、今各国の軍隊で運用されている仕様の完全な再現品は皆無(笑)。
タミヤでキット化されたT-72はM1というグレード名が付いていますが、これは輸出型としてスペックを落とした仕様(いわゆるモンキーモデル)で、本国(ロシア)生産型に採用されている主砲からのミサイル発射能力や新タイプのFCS、砲塔の複合装甲などを備えていません。
これら輸出型はルーマニア、フィンランド、インド、イラン、イラク、アルジェリア等に普及し、またチェコスロバキア、ポーランド、ユーゴスラビアではライセンス生産されました。
ちなみにMとM1の違いは、車体前面の増加装甲板の有無ですが、本国生産型のM1は砲塔前部に複合装甲を封入しているため、もっと角ばったカタチの砲塔になっています。
このキットですが、砲塔の形状から見て、もっとも初期のタイプであるA型、もしくは装甲を強化していない輸出型・ライセンス生産型に見られる、単なる防弾鋳鋼製のものを再現しています。
ちょっと防盾カバーの形状が変な事、発煙弾発射装置のコードが途中で途切れている等のタミヤらしくない問題がありますが、それらを手直ししてチェコ軍仕様としたのがこの作例です。かなり以前に制作したものなので、今と作風が違います。
悪路脱出用の丸太はキットのモノを使わず、その辺のガサ藪から拾ってきたものをそのまま使っているため、やけにリアルなのはそのためです。
鋼鉄の質感表現として、例によってハーフグロス仕上げとしています。