「うつせみ和尚」のお説教

『うつせみ和尚の日記』二件の事故が元で『(複雑性)PTSD/鬱』になって
闘病、障害当事者として活動している者です。

読まずに死ねるか!(書評)「『生の短さについて 他二篇』セネカ 著」

2021年04月17日 22時56分07秒 | 読まずに死ねるか!(書籍紹介)
正直なところ「西洋哲学は・・・」という感じな私です。立命の哲学専攻でくじけた「トラウマ」があるので・・・。
しかしこれは「NHK 『100分de名著』」で取りあげていたので読んでみようと思いました。「訳本」だけに独特の言い回しが最初取っつきにくかったのですが読み進むにつれて、慣れてきて「なかなか面白い」と思えるようなってきました。気になるところ「これわわわわわ!!!」というところは手帳に書き留めたり、ヒントを得て思ったとも書き留めております。ハイそのメモから抜粋しますと・・・。
P113「~なにかの労をとるときは、必ず何かの目的をもち、必ずなにかの目標を定めようにしなければならない。勤勉が彼らをせわしなくさせるのではなく、物事の虚像が彼らを駆り立て狂わせるのである最近の私は就活に落ちまくっており、なぜ働くのか?、目標・目的も「不採用の森」の中で迷い続けておりました。そんな時に「ビビッ」きた一文だったように思えます。また、不採用の連発で落ち込む私には・・・P121「~生(人生)を嘆くより生を笑い飛ばすほうが、人間的なのである(中略)笑う人間は存在に幾計が希望の余地を残してくれるのに対して、嘆くものは正せる見込みがないと思うのに愚かに涙するのであり、また全て勘案すれば、涙を抑えられない者よりは笑いを抑えられやい者の方が大きな心の持ち主であるといえる。~」私のこころが不安定だった時に「ここは踏ん張りどころ、空(上)を観よう」と思えるようにしてくれた言葉です。まさに「ケ・セラ・セラ」てなもんです。
古典の世界に比べて現代社会が難しくなって正鵠を射る事が難しくなっているのか、現代人の「文系離れ」が哲学の世界を暗くしているのか分かりませんが、「古典」は率直に語りかけてくるし、スッと体に吸収される。そう思っていた私にP173「彼らは善き言葉や善き思想に満ちた心眼を軽蔑して良い理由はないものである。健全さをもたらす学問研究は、たとえ成果が得られなくとも、賞賛すべきものなのだ。険峻な山に挑んだ者が頂に到達できないとしても、なんの不思議があろう。少なくとも君が立派な男子なら壮図(そうと)に敢然と挑む者をたとえ志半ばで挫折しようとも敬意の眼差しをもって見上げるとよい。自らの(後天的)力ではなく、自らの本然の力を恃(たの)んで高邁な企てに挑むこと、きわめて勇敢な精神に恵まれた人でさえ果たし得ない程の壮図をこころに期することは、高貴な人に初めてなし得る業なのである。~」。さすがに自分が「高貴な人」とは思わないまでも、今の現状からさらに高みへチャレンジすることが大事だと言うことをこの言葉に背中を押された気がしました。




この本、読まずに死ねるか!!






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